ありふれたOLちゃん。

京都市在住ミドサー。2年経理した後、今は総務系のバックオフィスで働いてます。 炭酸飲むとしゃっくりが出ます。

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試小説『猫になる』

このにおいは、前橋さんだと思った。 前橋さんの座っている席の方を見ると、猫のマグカップでコーヒーを啜っている。恐らくオフィスの休憩室にあるコーヒーサーバーから注いだのだろう。 手には千葉部長が東京土産に休憩室に置いておいてくれた「東京バナナ」を持っている。甘いものに目がないのだ。 休憩室には独特の匂いが残っている。そう、あの猫の、獣の臭い。 前橋さんは一人暮らしで猫を飼っていたが、3ヶ月前に亡くなってしまった。大学生の時から飼っていて、11年ほど生きたらしい。ハチワレ猫だ

    • 試小説『ひろや』

      私が保育園に通っていた頃、一緒に遊んでくれていた男の子がいる。 その子はひろや君。 かけっこが得意で、笑顔の眩しい男の子だった。 それに対し、私は小さくて動きの遅いどんくさい子だった。 ひろや君は、私が悲しい時は慰めてくれ、嬉しい時は一緒に喜んでくれた。 私が一人で遊んでいると、一緒におままごとしてくれたり、かけっこしてくれた。 彼と過ごす保育園の毎日は、とても楽しかった。 いつものようにひろや君と遊んでいた時に、お母さんが迎えに来て 困ったように言った。 「誰と遊ん

      • 光源氏はプレイボーイではなかったのかもしれない。

        とある機会があって、『源氏物語』の「桐壺」「帚木(ははきぎ)」「空蝉」「夕顔」「若紫」を読み直した。 自分の感想を書いていく。 ---------------------- 〇まず『源氏物語』が書かれた時代背景とは <紫式部とその時代> 〇紫式部 『源氏物語』作者。九七三年ごろ生。父は漢学者の藤原為時。 子どものころ、当時は男しか読まない漢文の読み書きがよくできたので、父親に「この子が男の子であったらなら」と言わせたほどの才媛。 20代後半に、当時は40代後半の藤原宜孝と結

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        • 手紙〜未来の私のこどもへ〜

          人生において、自分の子どもに会えるかどうかって重要な分かれ目だと思う。 いくら出産可能年齢が伸びたとはいえ、35歳を過ぎた私は初産が立派な高齢出産になる。 好きな人の子どもを産みたい。 そう思ってきたけれど、現実はなかなかうまくいかなくて、好きな人の好きな人になれないと それだけ出産のチャンスが遠ざかってしまう。 今だに親になる予感は全然しないけれど、自分の子どもに何を話したいか考えてみた。 あえて自分の未来の子どもにメッセージを残したい。 いつか伝えられたらいいな。

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        試小説『猫になる』

          消えてしまった友達

          大好きだった友達と、連絡が取れなくなってしまった。 3年前に初めて会ったんだけど、その子とは趣味が合って一緒にイベントにも行った。 私のしょーもない恋の話を延々と聞いてくれたり、アドバイスをくれた。 穏やかに、時には厳しく私のことを諭してくれた。 複雑な幼少期を過ごしたせいか、流行にも踊らされなくて、自立していた彼女。 その子は今時珍しく、LINEもFacebookもインスタもTwitterもSNSと呼ばれるものは何一つやっていない。 いつもメールでやりとりをして

          消えてしまった友達

          他者に評価されるのってなんだかんだ幸せだと思った。

          「cakesクリエイターコンテスト2020」の中間発表があった。 私はそういえばタグ付けしてたなと思ってボケッと眺めていたら、私の作品の名前があった。 まさか、こんな素人が書いた文章が選ばれるとは思わなかったから本当にビックリした。あまりnoteの更新頻度も多くないのにありがとうございます。 色々物思いをしていた私は「食べちゃいたいくらい可愛い」って言われたいなぁと思って、どんなシチェーションなら自然だろうと思った際に、上記の小説もどきを書いてみた。 名前を「ありふれ

          他者に評価されるのってなんだかんだ幸せだと思った。

          誰かと比較しない日々はとても穏やか。

          4月7日に緊急事態宣言が出てから、テレワークをして引きこもっている。 外に出るのは2〜3日に1回。スーパーに買い出しかお散歩くらい。有名店のテイクアウトもしたいと思うのだけど、おいしいものは誰かと食べたいのでなんとなくできないでいる。 スパゲッティ→うどん→カレー→ラーメンをぐるぐるしている。辛ラーメンに豚肉とトマトとチーズとキムチを入れて食べたらとてもおいしかった。 慣れないちゃぶ台でのデスクワークで肩が凝る以外は、今のところ体調に問題はない。生理が来て一歩も外に出ず

          誰かと比較しない日々はとても穏やか。

          人も離(か)れ 寂しさの中 家に居り 聞こえてくるは 花ひらく音 桜の季節は過ぎ去ったけど、遠くから新しい蕾の花がひらく音がポコポコと。

          人も離(か)れ 寂しさの中 家に居り 聞こえてくるは 花ひらく音 桜の季節は過ぎ去ったけど、遠くから新しい蕾の花がひらく音がポコポコと。

          想い出はきれいなままがいい。

          中三のとき、高校の受験勉強のために、私は個別指導塾に通っていた。 英語の例文と単語を丸ごと覚える単語テストがあったのだが、私には合ったようで、英語が飛躍的に伸びた。 自分で丸つけするのはつまんないけど、目の前で先生に丸付けされるのが快感だった。 中三の春から通い始めて、私はある大学生の講師を好きになった。 私の好奇心旺盛な態度を認めてくれる爽やかな好青年で、博学だった。 進路が決まって、塾をやめる時に中学生だった私は先生に告白するんだけど、もちろんあっさりふられた。

          想い出はきれいなままがいい。

          飴ちゃんはゴキブリにもなる。

          過去というほど過去ではないけど、やっと一年前の出来事にけりがついた。精神的な意味で。 去年の今頃、ずっとある人に相談をしていたのだけど、2人の常識があまりにも違いすぎて、相談する私も相談される相手も疲弊してゆく、そんな関係だった。 私は相手の言葉が全く理解できなくて、でも相手が私のためにアドバイスされていることは分かるので、きっとこの人のいうことは正しいんだろうと思ってその通りにできない私がもどかしくて悲しかった。 結局色々あり、その人とご縁は切れてしまったが、ずっとず

          飴ちゃんはゴキブリにもなる。

          双方向のコミュニケーションとはなんぞ。

          久しぶりにnoteを開きました。 あんなに暑かったのに、季節が急に進んで秋らしく涼しくなったと思ったら大型台風。。。 関西は10/12が雨のピークのようですが、関東以北の方は本当に気をつけてくださいね。大きな被害が出ませんように。 なんで、noteが続かないのかと考えてみたら、やはり「友達が増えないこと」。これに尽きる(笑) 反応もないのにただただ発信し続けることは、私には難しいとしみじみ感じた。 コメントのやりとり自体、インスタやFacebookでも減ってきている

          双方向のコミュニケーションとはなんぞ。

          アイコン画像変えてみました!イラストにしたいなー。。。

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          時には猫のように

          季節の変わり目で、ガタッと体調を崩した。 自律神経が暴走しているのを感じる。体のそれぞれの時計が別の時間を刻み、時にはグルグル回り続けたり、逆回転しているようだ。 持病のめまいと、そこからくる吐き気と、手足の冷たさと、腹痛と、微熱と、とにかくいっぺんに色んなものが押し寄せてくる。 せっかく今日は仲秋の名月で、お寺の観月の行事に参加しようと思っていたのに無念…。 食生活は外食が続いたりとひどかったし、運動もしてないし、人間関係のストレスがあったりして心身にダメージが来て

          時には猫のように

          一人の仏陀とたくさんの仏陀

          本日は、仏教伝道協会主催の第1回「英語で学ぶ 日本仏教の基本」in 京都に行ってきた。 ここ2〜3年、ご縁があって仏教を勉強している。(というか、仏教の勉強会や講座に参加しているだけなのだけど。) ただ、ところどころつまみ食いしているので、全体像があまり見えていないのと、専門用語がやはり難しく、あえて英語で勉強した方が分かりやすいのかもしれないと思い、今回受講を決意した。 講座前に色々買い物していて開始時間18:30の10分前に着いたらすでにたくさんの方がいた。 ただ

          一人の仏陀とたくさんの仏陀

          新しい居場所

          私は他人と適切な距離を取るのがあまり得意ではない。近いか遠いしかない。会社員向いてないと思うのはそんな時。 本日は手作りおにぎりをいただきながら、自分で自分を愛してあげなきゃなぁと思った。 手作り料理って温かいな。実家が恋しい。 今日は新しい一歩を踏み出した日。どう転ぶか分からないけど、ゆるゆるやっていきたい。 #毎日note #なるべくnote #日記

          たえぬ光を見るよしもがな

          この半年間、月に一回鴨長明『方丈記』の勉強会に参加していた。 下鴨神社の禰宜の子として生まれたが、父を早くに亡くし後ろ盾もなく家督争いに敗れる。琵琶と和歌の才能に恵まれながら、世渡りがあまり上手くなかったようで、出世できない。 長明は出家して晩年は日野に隠棲し、方丈の庵を結ぶ。そこで書かれたのが『方丈記』だ。不器用で孤独な男の姿が浮かんできた。 ------ 長明は月を好んだ、月の句をよく詠んだらしい。 月影は 入る山の端も つらかりき たえぬひかりを 見るよしもが

          たえぬ光を見るよしもがな