秋きぬと 目にはさやかに 見えねども
秋きぬと 目にはさやかに みえねども 風の音にぞ おどろかれぬる
「秋が来た」と目にははっきりと見えないけれど、風の音に自然にはっと気づいた。(『古今和歌集』秋上 藤原敏行)
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今週は、京都はずっと秋雨らしい。
台風がやって来て、風の強い日になると自然と思い出す歌だ。(文法にそって現代語訳したので少し不自然な日本語かもしれないがそのままにした。)
秋はいつやってくるのだろう。はっきりと、「この日から秋だ」と変わることはない。今年は立秋後の方が40度近くの酷暑になることも多かった。
けれど、少しずつ早くなっていく日の入り。陰りを帯びて来た日差し。空の色は濃くなって、天が高くなってくる。うろこ雲も広がってきた。
秋に移り変わっていくのを感じる。けれど、秋は視覚だけで感じるのではない。
耳をすますと蝉の勢いがなくなり、夜には秋の虫が鳴き出す。風は蒸し暑さの中に涼しさも感じてくる。そして、台風が来て風が暴れ、鳴る。
視覚だけでは分からない秋を、聴覚で気づくのだ。
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きれいなものを感じていたい。不安なもの、怖いもの、汚いものは見たくない。いつまでもゆるゆる、自分のペースで過ごしたい。お子ちゃまだから。
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はぁー、今日は失敗した。やっぱり私は会社員が向いてないのかもしれない。長いものに巻かれきれない。
「そうですねー」ってニコニコ場を収めればいいのに、言い返してしまう。これだから子どもじみた人間は、と思う。
でも私は、こなせないかもしれないのに「こなせます」なんて言えない。困ってることを伝えて協力を仰ぎたい。弱い人間だから。自分が鈍臭い人間なことは自分が一番よく分かっているから。
腹の底がヒリヒリ、いやギリギリする。ストレスを感じると胃に出るのだ。
テーブルの上にいくつも乗せられる人間になりたかった。同時進行で話を進められる。現実は、机の上はとっちらかり、紙は?ファイルは?とどこに行ったか分からなくなる。
どうしたらもっと器用に生きられるのだろう。
早く、君と日常に埋没したい。
サポートいただけましたら、勉強会や本の購入にあてたいと思います。よろしくお願いします。