逆質問はその後のコミュニケーションから逆算する
まず、逆質問は無駄な時間だと思っている。
面接官は学生に喋る事の出来る内容が限られている。
学生は建前よりも本音が聞きたいが、本音は退職者の口コミが見られるサイトが近年充実しているため、わざわざ面接で聞くメリットは薄い。
もちろん逆質問によって聞きたい事が聞けた学生もいる。全てを否定するつもりはない。
逆質問が評価対象にはなっていないから聞きたい事を聞けば良いという意見も50%は賛同する。しかし、評価している企業はわざわざ言わないだろうから真相は闇の中だ。
そのような現状を踏まえると、「面接官に良く思われるための逆質問をする」という戦略は決して間違ったものではないと考えられる。
何故なら多少作られた質問であっても「逆質問を評価にいれない会社は評価しない」のだし、「評価する会社にとっては評価される」のだから何も問題はない。どちらに転ぼうが戦略的に質問を練って損する事はない。
ただし、逆質問は例え質問自体が刺さったとしても、その後のコミュニケーションが弾まなければ評価はまずされないと考える。
例えばあなたに後輩がいたとして一生懸命教えた事に対して「分かりました」だけだと少し嫌な気分がしないだろうか。もちろん特に時間が決められている訳でない場合なら、話が長引くよりも早く終わらせてもらった方が楽かもしれない。しかし、面接では奇妙な事に「15分間」とか「30分間」とか逆質問の時間が決められている。採用側は自由に質問をする時間が決められるのに就活生側は相手に与えられた時間から質問をしなければいけないというのは不思議な話だ。
あなたが仮に色々な質問を、相手に飽きさせないように繰り出す事のできる人であれば別だが、全ての質問に対して「はい。分かりました。ありがとうございます。」だけだといまいち盛り上がりに欠けるし、しかも質問をするうちにホームページに載っていたり、社員の方に聞いても到底分かり得ない事であったり、壁にぶつかってしまう可能性がある。
そこで、コミュニケーションから逆算して逆質問を行う事をおすすめする。
逆質問の後のコミュニケーションとは、その名の通り、回答に対するリアクションだ。もっといえば深掘りと言ってもいいかもしれない。
しかし、単に深掘るのではなく相手が答えやすいように深掘りをするのだ。
例えば、「営業をする中で大変な事は何ですか?」はコミュニケーションに繋げやすい質問だろう。
色々な反応が返ってくる事が予想できる。
「お客さまが言っている事と本当に求められている事が違う」
「快く返事をしてもらったと思っていたが、どこの会社にも同じ対応をしている人もいる」
「最初の準備で全てが決まる」
「値段で勝負し出すとキリがない」
「代理店の方のモチベーション管理や、実際の売れ具合を正確に把握する必要がある」
色々あるだろう。こうした時に、多少外れてしまっても良いから自分も踏み込んでみるのだ。
例えば、「お客さまが言ってる事と本当に求められている事が違う」と言われたら「確かに、ついつい見栄を張って色々とカッコいいものが欲しいと言っても、実はもっと足元のレベルで必要なものがあって、それを言い出せない事もありますよね」とか、抽象的なものでもいい。何故、その大変さが発生するのかを自分なりに落とし込んで、またボールを投げ返す。
そうしてコミュニケーションを続けていれば無理に質問を数打ちゃ当たる方式でしなくても済む。
また社員の方が饒舌になると、ついつい社内や業界でしか通じない言葉も出てくるかもしれない。そうした時はコミュニケーションの一環で「すいません、○○の意味は何でしょうか」と素直に聞けばいいのだ。
逆質問というと、質問がベースのように思われるが、面接の際に社員の方はガクチカや志望動機の質問そのものよりも、返ってきた反応から疑問点をまた投げ返しているだろう。
学生側も同じ事をすればいいのだ。