一年に一回の憂鬱
あーーーーー嫌だ嫌だ嫌だ。
何がそんなに嫌なのかって?
健康診断ですよ健康診断。
いつもこのイベントだけは数ヶ月前から嫌な気持ちがどんどん溜まって、当日胃が痛くなるくらい嫌なんです。
というのも私は先端恐怖症で、採血が大嫌い。
目を瞑れば良いって?舐めるなよ、私の想像力を。
刺されるだけであの嫌な銀色の棒を思い出してぶっ倒れるんですよ。
何が好きで年に一回こんな思いをしなきゃいけなんだ。
健康かどうかチェックするための診断でこんなに病んで、精神的な病気になったら本末転倒だろ。
まあでも合法的にお姉さんの手を握れるのだけは好きだ。
血を抜かれている最中はそんな下心抱いてられないが、あとから少し思い出して嬉しくなる。
ちなみに美人で若い人も良いが、こういう時は歴戦の戦士のような看護師の大きな手も安心出来る。手から確かな信頼を感じる。
でも正直いってその喜びを上回るくらい採血が嫌なんだよなぁ。
前回はゆっくり採血してもらったけど、そのせいか1日腕が麻痺していたし不便だった。
食事をとってはいけないから、もし具合悪くなって嘔吐しても何も出てこないのが唯一の救い。
あーーーーー嫌だ嫌だ嫌だ。
これが終わったら解放される訳では無い、来年の健康診断へのカウントダウンが始まるのだ。
どうせ定年する頃には頻繁に病院の世話になっているだろうし、生涯こんな人生なんだろうか。
人間に針を刺すなんて普通に考えたらサイコパスすぎる。
いいから殴ってくれ。丁寧に抜かれた血より、顔面ボコボコになりながら流したその血の価値の方が低いから。
憂鬱だ、誰か助けてくれ。