スタートアップで働くってどうなの?
こんにちは。GoalsにてHR(人事)を担当している加藤です。
Goalsでは、食品産業全体の生産性を向上させることを目標に、現在は外食産業に特化した業務改善クラウドシステム「HANZO」を開発しています。
Goalsでは、採用候補者を中心に様々なステークホルダーの方に情報を届けたく毎月noteにて情報発信しています。
今回は、普段のnoteとは趣旨を変え、Goalsの事業内容に関わることではなく、スタートアップで働くこと、その中で私の従事する管理部門について私見たっぷりに、意識高く書いてみたいと思います。
(note担当の山地から、意識高い系でお願いします!とのオーダーを受けてこのnoteを書いています)
Goalsのみならず、スタートアップというものに興味をお持ちいただける方が1人でも増えれば幸いです。
※文中の画像は全てスタジオジブリ作品静止画より使用させていただいています。ジブリ公式の画像が使えるってすごいことですよね。
スタートアップの定義
突然ですが、スタートアップの定義ってみなさんご存知でしょうか?
政府によるスタートアップ5カ年計画など、ニュース等でも「スタートアップ」という言葉を目にするようになって久しいですよね。
経済産業省によると、以下のように定義されています。https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/010721.pdf
一方、同報告書では「ベンチャー企業」について以下のように定義されています。
生成AIにも聞いてみましたが、上記2つと似たような回答が返ってきました。意外と解釈の幅がある言葉ですので、このnoteでは私の解釈も含めてシンプルに「社会に新しい価値を提供し、急成長を目指す企業」としています。
最初は、このテーマだけでnoteを書こうかと一瞬思いました。これだけで1時間くらい議論できる気がします笑
スタートアップで働くメリット
そんな「社会に新しい価値を提供し、急成長を目指す企業」であるスタートアップで働くメリットはたくさんあるのですが、以下の3つが大きいかなと思います。
①挑戦しがいのある新しくて面白いビジネスに携われること
②(組織、個人ともに)成長環境があること
③労働環境や待遇面が悪くないこと
①挑戦しがいのある新しくて面白いビジネスに携われること
まさにスタートアップならでは!ですが、今まで無かったサービスやプロダクトを世の中(社会=世界)に広めていく最中に身を置くことは、とてもエキサイティングで挑戦しがいのあることです。もちろん、それを産み出す(届ける)中での苦労や苦悩、大変なこともめちゃくちゃたくさんありますが、それも含めて多くの方が大きなやりがいを感じられることだと思います。
toCでもtoBでも、向き合っている対象こそ違えど、そのサービスやプロダクトによってお客様に喜んでいただけたり、今までにない価値を感じて驚いてくれたり、様々な業界にある負や不を取り除くことで課題解決ができたり、そういった瞬間に携われることは、何事にも変えがたく本当に素晴らしいことです。
スタートアップに限らず、エキサイティングで、お客様や社会に喜んでいただける仕事はもちろんたくさんあります。この世に存在する全ての仕事が尊敬されるべきだと思いますが、ここでは相対的ではなく、絶対的な私個人の価値観としての話です。
余談ですが、私の中でスタートアップを大きく二分すると、価値創造型と課題解決型に分かれます。そのままToC、ToBとも近しいですが、サービスやマネタイズの型というよりは、
・価値創造型=世の中に必須のものではないが、新しい価値を創造することで新たな喜びや楽しみや幸福を産み出す。
・課題解決型=社会課題や業界固有の課題に対し、新しい価値を提供することで解決を目指す。
という分類になります。
どちらの方向性のサービスやプロダクトに携わることで喜びを感じられるのかは人それぞれだと思いますが、人事をやっていて感じるのは、その二つがクロスオーバーする人はあまりいない印象です。
②(組織、個人ともに)成長環境があること
スタートアップは、急成長を目指すがゆえに、常に何かが足りない状態で前に走る必要があります。時間が足りない、人が足りない、お金が足りない、検討が足りない、、、などなど言い出したらキリがありません。
Linkedinの創業者であるリード・ホフマン氏の名言の一つに、「スタートアップの立ち上げというのは、崖から身を投げて落下している最中に飛行機を作るということだ」という言葉がありますが、立ち上げ期に関わらず少なからず似たような状況が常にあります。
(ちなみに、この言葉はGoals代表の佐崎が創業期の説明で良く使っている言葉です)
このような状況下では、常に、足りない何かを別の何かで埋めることが必要となります。それは、とにかく必死で頭を使って考えることだったり、新しい技術や思考を学ぶことだったり、とにかく時間を使って行動量でカバーすることだったりします。
そうやってもがくことが、個人の成長を促し、個々人が成長することで組織も成長していくのだと思います。
良く言えば裁量権(余白)があるとも言えますが、それは各自がその余白を埋めなければいけないということの裏返しでもあります。
またも名言からの引用になってしまいますが、株式会社リクルートの創業者である江副浩正氏によってつくられた旧・社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉があります。
私はこの言葉が非常に好きで、何かに迷った時など良くこの言葉を思い出します。
スタートアップではその「機会」が常にあるとも言えます。
今までの経験やスキルを活かしながら、環境や状況の変化に対応していく。場合によっては、経験やスキルが全く活きない場面でも、必死で考えて行動して対応していく。
好むと好まざるに関わらずそのような環境が前提としてある、それがスタートアップです。
③労働環境や待遇面が悪くないこと
これはもしかしたら意外に思う方もいるかもしれません。
スタートアップなんて超ブラックな働き方でしょ?!と思う方も多数いらっしゃると思います。というか、世間的にはそのイメージが強いのではないでしょうか。
確かに、シード期と呼ばれる創業まもない時期にはそういった環境もあるかと思います。どのようなスタートアップも、創業者とその仲間、いわゆる創業メンバーだけの時期には、給与も低い、労働時間はエンドレス、制度もルールも何も無く寝食忘れて働く、のような状況になりがちだと想像します。(残念ながら私にその経験がないので、あくまで想像です)
しかし、創業フェーズを超えて、外部から人を採用するフェーズに入ってくると、決してそのような状況が続くわけではありません。
つい2ヶ月ほど前のニュースでこのような記事がありました。
出典:日本経済新聞 2023年12月13日
スタートアップ、平均年収700万円超え 上場企業上回るというタイトルがちょっと大袈裟ですし、この記事では調査対象が限られているため、もちろん全てのスタートアップが、とまでは言えませんが、人事として採用活動にも携わっている自分の実感としても大きな違和感はありません。
スタートアップが盛り上がっていて、どの会社の業績も好調だから給与水準が高い!というわけではなく、様々な理由があります。
売上や業界シェアなど事業面でも、また単純に知名度という面でも、スタートアップは大手企業や長く歴史を持った企業などに敵いません。
急成長を目指すために社員を採用したい!けどまだまだ自己応募が潤沢に来るようなフェーズではない。。。というスタートアップでは、例えば福利厚生や柔軟な働き方の制度を整えたり、快適なオフィス環境や最新のツールを使えるようにしたり、など様々な面で従業員のモチベーションを高くし、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を用意して、自社のアピールをする必要があります。そのうちの一つが給与水準です。
もちろん、ITエンジニアを筆頭に社会的に希少価値のある職種がスタートアップには多いこと、労働生産人口の減っていく中で採用競争が激化していること、ベンチャーキャピタルからの投資を筆頭としたリスクマネーの環境が年々良くなってきていることなど、マクロ環境の影響も大きいですが、
①面白いビジネスに携わることができても、
②成長環境があっても、
スタートアップという、将来どうなるかも分からない企業に人生の一定期間でも賭けていただくためには、一定の給与水準が必要ですし、そうあるべきだと思います。
※これは企業側、また私のような人事側からするとまた別の観点での苦労や苦悩がありますし、日本の雇用環境に対して私なりに思うところもありますが、それはまたどこかで書ければと。
そのような様々な理由で、スタートアップの労働環境や待遇面は、大手企業や老舗企業に負けない水準の会社も多いですし、現在は伴っていなくてもゆくゆくは水準を上げていきたい(上げなければならない)と考えているスタートアップは多いのではないでしょうか。
スタートアップでの管理部門で大事なこと
ここからは、スタートアップの中で、私の属する管理部門について書きたいと思います。
管理部門といっても会社によって様々ですが、ここではざっくりと「ヒト/モノ/カネ」をメインで扱う部門としています。経理、財務、総務、労務、人事、法務などなどです。=コーポレートや、=バックオフィスと読み替えても差し支えありません。
ちなみにGoalsでは、主に人事を管掌するHR部門と、主にお金周りや広報を管掌するコーポレート部門が分かれていますが、このnoteでは、広義でスタートアップの管理部門で働く中で私が意識していることを述べさせていただきます。
管理部門に関しては、大企業でも、数名の企業でも、大なり小なりその役割を持った部署やチームや担当者の方はどの会社にも存在しています。
その役割は、ほぼ共通していて、会社運営に大事な「ヒト/モノ/カネ」を管理・活用することになります。
では、あえてスタートアップの管理部門に限定したときに、大事なこととはなんでしょうか。
それは、「バランスを取ることへの意識」だと私は思います。
ここまで書いてきたように、スタートアップは変化が激しく、良い場面ばかりではありません。事業の状況も、組織の状況も、良い時もあれば悪い時もありますし、果敢に攻める時期もあれば、防戦一方にならざるを得ない時期もあります。
それが社内事由の時もありますし、社会情勢の波に乗って大きく伸びる事業もあれば、逆に社会情勢が大きな逆風となってしまう事業もあります。
管理部門の仕事は、ルーティンワークが多かったり、法令に沿った対応が必要だったり、不可逆なことも多かったり、他の部署に比べて堅めの仕事が多いので、変化の激しい環境との相性が良いとは言えません。
例えば、対比する状況をあげると、
現在の事業/組織の状況から考えるか、理想の事業/組織の状況から考えるか
個別最適で考えるか、全体最適で考えるか
目の前の業務をとにかく処理するべきか、全体を俯瞰して考えるべきか
何が必要で何をやるべきか、何が不要で何をやらないべきか
価値観が近い社員が多いのか、様々な価値観の人がいるのか
プレーヤーが多いのか、組織化できて役割分担できているのか
多少検討が甘くてもやってみる時期なのか、徹底的に検討した上で慎重に進める時期なのか
採用に注力する時期か、組織課題を改善する時期か
いますぐに必要な人を採用するか、未来にいて欲しい人を採用するか
などなど、会社のフェーズや時期により、相反するような様々な場面が発生し、社内施策はもちろん、社外との対応、他部門が何かを行うときのサポート、また時には経営陣が大きな意思決定をする際などに、攻めながら守るのような、ギリギリのバランスを取りながら考えることが求められます。
重複しますが、変化が激しく、その変化の振れ幅が大きかったり、振れるスピードが早く常に安定しないのがスタートアップなので、現場ではなく、一歩引いた立場から、そのアンバランスな状態を常にバランスし続けることがスタートアップの管理部門の役割だと思います。
ただし、基本的にはブレーキではなくアクセルを踏みながら、です。
未来を見据えて今は必要ないけどやっておこう!
永続性があるか、運用し続けられるか考えた上で施策を始めよう!
会社として先に進んでいる先輩企業の事例を収集して参考にしよう!
こういったことを全て考えつつも、同時に「まず、やってみよう!」で始める。ある意味、常にダブルスタンダードを体現し続けることが必要です。
例えば、人事としての私の場合、良い会社にしよう!良い組織をつくろう!という想いをもって常に仕事をしていますが、大前提として、事業拡大や会社のミッションのために組織があります。
組織というものも、目的ではなく手段です。
「良い組織をつくること」は大事ですし、その想いは当然必要なのですが、手段が目的化しないよう、事業拡大と人事としての想いとのバランスは常に意識しています。
スタートアップの管理部門で働く面白さ
では、そんなスタートアップの管理部門で働く面白さはどのようなことでしょうか。
それは、仕事の影響範囲が全社であることではないでしょうか。
スタートアップでは常に何かが足りないので、サービスやプロダクトやお客様に対して、それぞれみんなが必死に仕事に向き合っています。
管理部門の仕事は、基本的には社内に向けたものが多いです。採用など社外向きに見える仕事も、採用によって組織を活性化させる/足りないピースを埋めるなど、組織に向けて行っています。
必然的に、なにか施策を行う、制度/ルールを決める、新しいツールを導入する、などなどほとんどの仕事は、基本的には全社員に影響します。
それにより、全社員のパフォーマンスやモチベーションが上がったり、逆に下がったりする。
会社全体、働く仲間全員に影響するPDCAを高速で回せること、その責任を担えること、それがスタートアップの管理部門の面白さだと思います。
まとめ
ものすごく長く書いてしまいましたが、まとめると以下の2行におさまりました笑
スタートアップは大変だけど楽しいところ
スタートアップの管理部門は大変だけど楽しい仕事
ここまで、長文を読んでいただきありがとうございます。
いるか分かりませんが、そんな稀有な方がもしいらっしゃれば、ぜひ一緒にお酒でも飲みにいけたら嬉しいです。
本気で話すとこの10倍は余裕で話せると思うので、お話できれば幸いです。
ということで、Goalsでは一緒に強いチームを作っていってくれる仲間を大募集しています!
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それでは!