【本紹介】差別のない社会をつくるインクルーシヴ教育(著:野口晃菜、喜多一馬 他)
今日はこちらです。
差別のない社会をつくるインクルーシヴ教育。
帯にはこんな文章が書いてあります!!
読後感
インクルーシヴという言葉は、インクルージョン、インクルーシヴ・リーダーシップのような言葉などからなんとなく知ってる程度でした。今回は、インクルーシヴ教育という単語も初めて知る状態で読ませていただきました!
読後感、端的に「こういうこと、学校で習いたかった~!著者の先生たちの授業、受けたかった~!」という感じです。同時に、果たして自分はインクルーシヴな生き方を背中で示せる人間になれるか?という疑念が強くなり緊張感を持ちました。私はシスジェンダー・異性愛の女性で、貧困経験なし、障碍なし、なので、基本的にマイノリティ属性は女性であることのみでした。ここ最近は社会にカッカしながらジェンダー関連の本を読み漁っていたけど、障碍と貧困は経験がないため関心も薄く、知識がないだけでなく当事者の声を聞くこともしてこなかったと思いました。
本の構成と気付き
書籍の内容は、著者の当事者としての経験や知見、小学校における教育実践(性教育・いじめなど)、インクルーシヴ教育を実践している教育当事者たちにより座談会などの構成になっています。
冒頭の「はじまりの会」では、フェミニズム関連の本で硬い文章で語られていた差別・排除の社会構造、特権性、マジョリティ・マイノリティの話が平易な言葉で説明されていました。今時小学生にもこういうことを教えるんだ!というのが本当にびっくりしました。本当に良い時代になった!!自分としては、今までの読書経験をもう一段階深く腹落ちさせるような経験として読ませていただきました。
途中、教育実践の内容は、とても勉強になりました。例えば、(保護者の同意も得ながら)子供の気付きを共有し合うというプロセスは、小学校でなくても、職場でも出来るのでは?そして効果が大きいのでは?と思いました。特に職場では心の内をさらけ出す機会がないため、こういう機会を設けること自体が心理的安全性を高めることにつながりそうだと思いました。また、「気付きを共有する、認め合う」というプロセスが、インクルーシヴ教育の一つの手段なのかなと思いました。
これについて、頭に強くインプットしておこうと思ったのは、「インクルーシヴ教育はプロセスである」というフレーズです。完璧なインクルーシヴ教育が出来ている国などなく、マイノリティの属性は時代や環境により変化しているため(つまりインクルーシヴ性は変化しているため)、インクルーシヴな環境を目指すプロセス自体がインクルーシヴ教育なのであるということでした。
また、先生方の創意工夫や試行錯誤のプロセスが書かれていて、それも勉強になりました。時間をかけて、じっくり対話して試してみる、という感じなんでしょうか。会社勤めをしていると、速いこと・妥当であること・ミスがないことなど、求められる価値がシンプルだなと気付かされました。なんか、軽い感じになっちゃってすみません!
以上、今日読んだおすすめ本の紹介でした!!