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博士がゆく 第27話「はじめての学会発表-要旨記入編⑥」
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それでは本編をどうぞ。
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(前回のつづきから)
「おはようございます。これ、学会の会費の領収書です。よろしくお願いします」
「おう。要旨はどうなってる?」
「先生がリスト化してくれた論文を今日読もうと思ってます。あとはオレの実験からいえるメッセージにピンときていませんね…」
「そうか。とりあえず論文を読んでみるといい。そこで彼らが実験結果から出している結論を勉強して、自分なりのメッセージを明らかにしてみなさい。明らかにできたら要旨に書いてまたメールしてくれ」
「わかりました」
そう言ってオフィスを後にした博士(ひろし)はサクッとメッセージを教えてくれない指導教員に不満を覚えながらも、早速論文を読んでみることにした。
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英語の論文を読もうとすると最短でも3日ほどかかってしまうので、とりあえず日本語の論文だけ読んでみたが「伝えたいメッセージ」というのはどうやら「実験結果を自然界に当てはめた時の意義」とほぼ同義なようだ。
自分の実験結果に当てはめると、アレがタンパク質複合体の形成を阻害する意義というやつを明らかにすればよさそうだ。いや、正確には分からないが、そういうことにしよう。細胞くんも、とりあえず指導教員に要旨を見せるのが大事だといっていたしな。
とりあえず明らかにするべきことをリストアップしてみるか。
(読者のみんなも自分の研究に当てはめてみてね!)
タンパク質複合体が必要・不必要なシチュエーション
複合体ができるメリット・デメリット
複合体形成を阻害するメリット・デメリット
複合体は自然界でも見られるのか?
細胞内のどの小器官で観察されるのか?
増殖のどのステージで観測されるのか?
ノックアウト・ノックダウンしても細胞は生存できるのか?
アレをノックアウトすることは出来ないから、生物学的な意義は明らかにあるんだよな…。つまり多量の複合体は細胞に対して毒性を持つということか…。その毒性を回避するためにアレが必要なのかな…?でもなんで多量の複合体が毒性を持つのだろう…?自分の知るべきことが少しずつ見えてきた。
「あ!」
そういえば、指導教員の論文リストにそんな論文が含まれていた気がする。
論文リストを見直してみる博士。そこには確かに、博士が研究しているタンパク質複合体の毒性に関する論文があった。運よく日本語だ。急いで目を通す博士。そこには確かに博士が知るべき実験結果がのっていた。どうやら博士が研究しているタンパク質複合体は一時的に必要なもので、複合体が常に多量に存在していると、他の細胞増殖に必要な生合成カスケードが阻害されてしまい、細胞が死に至るようだ。
「それを避けるためにアレが必要なんだな…」
博士が研究室に配属されて1年後に初めて気がついた、自分の研究対象の生物学的意義を要旨の最後に書き添えて指導教員にメールした。飲み干したコーヒーは、今日は甘かった。
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