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心躍ったきんぴら、ありがとう

世界一苦手な家事は料理です。
オフラインの料理教室に6年通学、一人暮らし歴4年。
妊娠と出産を機に退職して主婦になり、夫と暮らし始めてから1年。
主婦になって日々家事をこなす身になっても、料理は苦手です。

自分で料理する、自炊の大切さは知っています。
自炊をすると食生活が整うし、家計への負担は軽くなり、いいことづくめ。
それでも私は、自炊にかける時間や労力を考えると、苦手意識を拭えませんでした。
料理が苦手なままでいいのか、後ろめたさも感じていました。



そんな私ですが実は、料理が得意なお母さんへの憧れが強いです。
家族の健康を守る手段として、前向きに楽しく料理ができるようになりたい…!
気持ちが高まっているときにご縁があり、オンラインの自炊スクールへの入学を決意しました。

入学後、数あるレシピの中で気になったのは、にんじんとえのきのきんぴら風。
料理が苦手な私は、きんぴらはもっと調理に手間がかかる根菜類の野菜を使うものだと思っていました。
こちらのレシピは、えのきとにんじんを使うので、まだ調理しやすそう。
しかも、ちょうどにんじんの特売日で安く食材が手に入り、早速作りました。



自炊スクールに通い始めてからはじめて作った料理、にんじんとえのきのきんぴら風。
それを一口食べた夫が一言。


「俺、えのき苦手やねんけど」


知らなかった。
夫とは出会ってから10年来の付き合い。
なんでも知っている仲だと思っていたのに。


「でも、これはうまい。えのきってうまいねんな。また作ってや」


嬉しかった。
苦手な料理で、苦手な食材に前向きになってくれた瞬間に出会えたのが、こんなにも嬉しいだなんて。
心躍る瞬間でした。


夫とは長い付き合いで、食べ物の好き嫌いを分かっているつもりではありましたが、知らない一面を発見。
それと同時に、誰かの苦手を克服できる、それを自分が作ったもので体感できて、体にビビッとエネルギーがほとばしった気がしました。

料理が苦手な私ですが、きらめくような瞬間に出会えて、もっと前向きに料理を続けたいと思いました。


仕事を辞めて主婦になってから、忘れかけていた感覚。
誰かが前向きになれる場面に立ち会って、自分ももっとエネルギーを得ていきたい。
この気持ちを持って、料理も、それ以外も取り組んでいきたいです。


ありがとう、えのき。ありがとう、きんぴら。

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