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自殺に気付いてくれて「ありがとうございました」

友達の話

子供が大学を卒業し、就職をした。
とても明るく責任感のある青年だ。
車で2時間程の所だが、
親元を離れ、1人暮しも始めていた。

お盆に、実家に帰って来る。
痩せていた息子に声をかける
「仕事大丈夫なの?」

「大変だけど、どうにか頑張ってる」
「結構大変な仕事でね、、、」

就職氷河期にやっとの思いで入社出来た。


それから3ヶ月後
母親のもとに、息子の会社から連絡が入る。

連絡がつかないと、
昨日も休んでたので、、、


母親は嫌な予感がし、直ぐに息子のアパートに向かった。(あの子が無断で、会社を休む訳が無い、、、何かあったかも、、、、)

この時、母親の妹も話を聞き駆けつけ一緒に車に乗った。何だか妙に胸騒ぎがする。

車の中で、何度も電話を掛けるが
電源を切っているらしく繋がらない。

増々不安は増すばかり
2時間程で、息子のアパートに着く。

インターフォンを押しても返事はない。
合鍵で、中に入る。(持っておいて良かった)

やはり、誰も居ない。

母親の携帯に、息子からLINEが入った。


仕事で、先輩のミスを肩代りさせられ、それが上手く出来ず悩んでいた事。
自分は、この仕事に向いて居ないと思う事、、、

・・・・

そして、

今迄育ててくれた事の

感謝の言葉と 謝罪、、、

・・・・・・

これは、遺書だ!、、、、



直ぐ、電話をかけ直すも連絡はつかない

母親は、パニックになりながらも
何か手掛かりは無いかと彼の部屋を物色した。

そこで、息子と行った九州のチケットを発見し、直感した

息子は、あの岬に向かったのかも知れない、、、

確証は無い
ただ、そう感じた

母親とその妹は、直ぐに九州行きの新幹線に飛び乗り向かっていた。

その間も、九州に向かってしまって良かったのか?別の場所じゃないか?との不安と葛藤しながら、、、、

着いたのは夕方だった。

まず、何をしたらいいのか分からない
とりあえず警察に行き、

「この子を探してます!自殺をするかも知れないんです」と伝える。

警察は、直ぐに協力をしてくれた。

その他、駅、街の人々に
「この子を知りませんか?」
「見かけませんでしたか?」
と手当たり次第に声を掛ける。

・・・・・思い当る所は全て


時間ばかりが過ぎていく、、、


もう夜も10時を過ぎた頃、母親に1本の電話が入る。

知らない番号だが、出てみると、、、

「〇〇君のお母様ですか?」

ある、飲食店の店主からだった

「・・・とても、思い詰めた様子だったので声を掛けて話を聞いたんです。

そしたら、自殺をしに来た、、、と話してくれれました、、、

今日は私の家に泊めますんで、、、安心してください。もう、大丈夫ですから、、、」


息子は生きている



一気にホットし
心が救われ、身体の力が抜ける


声が震え、涙が止まらない


母親は、感謝の気持ちを精一杯伝えた。


そして、財布と、携帯しか持たずにツッカケで来たことに今気付く。

翌日息子と会え、店主にも会ってお礼を伝え、無事一緒に家に帰る事が出来た。
(直ぐに会社は退職し、今は元気に働いています)


この、九州の端にある飲食店には
たまに、この様な(自殺を考えている)表情をした人が来るそうで、店主はそんな時、声を掛け話を聞き、泊めてあげることが今迄もあったそうです。

そうすると、話終わった人の表情は変わり(自殺をするのをやめ)また、帰って行かれるそうです。

九州の果てに、こうやって苦しんでいる人に気付き、声を掛け、話を聞いてくれる人がいる。

ここで、お礼を言っておきたい。


息子さんの命を救って頂き
本当に、有り難う御座いました。


・・・・・


自分の子と、1つしか変わらない人間が、自ら命を絶とうとした事にショックを受けた。

しかも身近で、、、

社会に出たての頃「ミス」をした事が人生の終わりの様に思える事がある。
人によって小さく捉えるか?大きく捉えるか?それは様々。

そんな時、 誰か1人でいい

貴方の横で話を聞いてくれる人がいる事を願います。



ここ迄読んで頂き有り難う御座いました🍀

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