生命体「GLOCAL」の実践①ことばをつくる🍲
こんにちは、行元です。1/23は、GLOCALスタッフと「続:未来におでかけするで」の内部研修でした。マレーシアから田原真人さんをお招きし過ごした時間でのハイライト、生まれた気付きを記します。肥後さんグラフィックからも、何か感じてもらえたら嬉しいです。
ー研修の目的:みんなで共通の文脈をつくるため。
研修〘名〙 学問や技芸などを、みがきおさめること。また、ある職域で、職業上必要な知識や技能を高めるため職員を一定期間教育することやそのための講習をいう「精選版 日本国語大辞典」より
GLOCALでの研修を自分なりに再定義すると、実践・練習しながら、みがき続ける(おさめない)。というニュアンスが強いのと、教え学び合う創発の場をつくるという観点が付け加わると感じています。あらゆる垣根を取り払って、今までのあり方の延長線上ではない未来の形を模索しています。起点はあくまで、個人の問題意識やわくわく感です。
また、一般に研修での学びは、日常業務や・チームに持ち帰ること(共有・実践)が難しいと言われています。では、全員で参加した私たちは、感じたことや学びをどこに持ち帰るのか?
ダイレクトに「社会」です。これを読んでくださる人含めてみなさん全員です。
デジタルファシリテーターである田原さんのお話を通じての一番の収穫は、これからの社会や学び方等新しい考え方や見方に触れると同時に、GLOCALや私たち自身がこれまでやってきたことの意味や意義を確かめるような時間を過ごせたことです。
では、本題へ。Change Makerの紹介とハイライトです。
Change Maker(ゲスト):
田原 真人 氏「ZOOM オンライン革命」 著者 分筆家&講演家
(デジタルファシリテーター/非暴力アナーキスト)
早稲田大学理工学研究科博士課程卒業。東日本大震災をきっかけに日本の社会システムについて違和感を持ち、マレーシアに移住。「主体的な学び」に関心を持つようになり、オンラインを中心とした活動を始める。2012 年に「反転授業の研究」を立ち上げ、オンラインコミュニティの自己組織化に取り組み、そこでの主体的&対話型の学びの場創りのノウハウを確立する。2017 年に、オンラインの自律分散型組織「与贈工房」(現在、トオラスに改名)を共同創業。2021 年 3月には『出現する参加型社会』を出版予定。
(そもそも・・・)なぜ、田原さんにお願いしたのか?
第一に、私(行元)自身が、オンラインに苦手意識がある。それがそのまま組織に乗り移ってほしくない。なので、まずみんなで一緒に、ファシリテーションや様々な学習の場づくりで知見のある田原さんから学びオンラインの持つ可能性を眺めたかった。次に、今後のGLOCALの活動を描く時に、この時代におけるGLOCALが果たす役割と、そのための活動としてリアルとオンラインとを意志と理由を持って使い分けていきたいという趣旨で相談しました。
●研修の流れ(1h30min予定)→※行元タイムキープできず2hに延長
・イントロ・チャットでチェックイン【5分】
🌠これからの社会の流れと参加型社会について(田原さん視点)【25分】
・全体Q&A 【10分】
・2人ペアフリートーク【10分】
・photo session & share time【15分】
・チェックアウトが長かったのか!!!!? 時間が拡張した。
▼行元の独断と偏見で、ひっくるめて下記ハイライトとして3つにまとめました。
①研究対象が「学び→組織→社会」に。活動の変遷のプロセスとの親和性と可能性
田原さんは、元々は教育畑で物理学を専門とし「学び」を探究。その後だいたい5年のサイクルで関心の対象が変化し「組織」の在り方→「社会」に発展してきたとのこと。学びを実践化するところから活動のフィールドを拡げてきたGLOCALとも親和性を感じた。
活動の原点は、「社会システムへの違和感」。
田原さんは震災後、GLOCALは機械的な「就活システム」に直面したことを契機に。違和感はいつも一人の生身の人間の中にリアルに体温をもって立ち上がってくる。
共通点として、システムに適応する道ではない道を選んでいる。田原さんはマレーシアへ移住、GLOCALはNPOというかたちでシステムの外に飛び出した。それも、振り返るとちょっとハラハラする。2015年に「Zoomオンライン革命」の本を出版されその時にもう社会がこういう風にアップデートされていくということが見えていたという。2012年から先駆けて反転学習のコミュニティを醸成され、"デジタル"ファシリテーターなどなど次々に新しい言葉としての再解釈、概念を生み出されている。
このプロセスは、生身の個人の問題意識を起点にしながら社会に向けて拡がり今別々に見えてるものや二項対立的に見ているものの垣根がなくなるような感覚に辿り着くのかもしれない。スピードやタイミングは様々でもいかなる個人や組織の中にも起こりうるのではないかと感じている。
②「参加型社会」とは何か?
※システムを介さないで人と人が直接つながる集合体としての社会
一言でいうと上記に集約されますが私もまだ頭で理解しているフェーズです。個々のコミュニケーションが織りなす集合が、参加型の基本であると。システムやマスを対象としたコミュニケーションだと建前や立場が前に出てしまい儀礼的表面的になるが、直接のつながりが基盤となり社会の集合体をつくる。(個→組織、LOCALの集積がGLOBALというベクトル)それが前提となると仕事の在り方、組織の在り方が根本から転換できるのではないか?という展望を聞かせていただき、眺める時間となりました。
③自分の中に社会や組織を内包する未来探求型の副業🌎今後、"若者"が鍵となり「副業」の意味合いが変わる!
かつての副業はリスク分散のためという意味合いが色濃かった。そうではなく、これからは「未来を探索するための副業」へ。
田原さんは「寄せ鍋方式」という言葉で表現されていましたが、組織の中でも部署を超えて横断的に情報や要素(具材・材料)を集めることで全体感が見えアクションや役割がクリアになり、連携の質が上がると。とても共感し、部署横断組織横断コラボレーション(国を超えた)をもってしか成し得ないことが今、沢山頭に浮かぶ。
社会を自分の中に内包していく。そうすればするほど、見える景色や集まる情報が変わり繋がりも深化していく。という感覚が副業のドライブになりうる。
・組織の中の自分 →自分に組織というタグを張り付ける感覚。(自分と組織の関係性がかわってきている)
・世界や社会や組織を自分に含んでいく感覚で「個人内社会実験室」ということばも作られていました。
・副業に加え、お金の価値もアップデートされ、生きる意味合いが問われていく時代に。
▼スタッフチェックアウト・ふりかえり(抜粋)
・田原さんと事務局長の世界観は近いものがある。複雑系、リスクではない方の副業の考え方。
・違和感は生身の生活、生々しいところから。
・GLOCALは、堅い組織と柔らかい人をつなげていくメディア。
・うちの組織ってみんな多様化している、自分で自分に寄せ鍋をしている。それの寄せ鍋。吹きこぼれそうだけど吹きこぼれない火加減調整が中谷先生w
・自分がやることに対して価値観を高めていく。高校生とのプログラムでも教えるというよりは一緒に探求し、見せていくことをしたい。私たちのプロセスをみせる、そういう風を吹かせていく!
・組織から変えないと教育が変わらない、お金の価値に生じる変化にも通じるものがある。
・ まさに田原さんが自分が言いたいと思っていることをいってくれて安心できる。
・色んな所に属しながら自分を発信していく
・造語が響いた。未来のため、言葉にならない言葉を言語化する。今は新しい言葉も、子どもたちが当たり前のようにつかうようになる。マイナーだった言葉が定着していくプロセスを生み出す、つかっていく。
・個人的に自分と社会と世界との境界線が良い意味で揺らぎが生じた。より深いところでつながりたい一体感が欲しい、世界と時代をみつめる眼力が欲しいという感覚になった。
【田原さんより】場には疲れるもの、元気になっていくものがある
素の自分で関われている自分・ちがう自分をしてるとこは減っていく
→GLOCALには居心地のよい場、居心地の良くなる場の蓄積がある。
「信じてそこにいる」こと、この場から何かが生まれるというと強く信じる。 この人たちには話せばわかってくれるという感覚があるから、Deepになれる。それも無形の価値。GLOCALは、可能性の空白をつくっている(無形の価値)
ー田原さんには「時代の流れとして5年ごとに色々変わると考える前提に立つと、活動ポートフォリオの20-30%は自ずと未来のことをプランする時間をもつといい」ということばを頂いて、この研修をもって実践できてよかった。
振り返ると、私たちは、個人やLOCALに血液や循環、それぞれのリズムを取り戻すような活動をしてきた。学びのプロセスに、若者の力を信じてくださる地元企業人のみなさんとの実践的なプロジェクトを仕掛ける。それが授業や研修という形で立ち上がってくる。「就活」という分断された点ではなく、面的、連続性を持つプロセスの中で出会いをより有機的なものにしていく。
皆さんの活動を内包した大きなエコシステムをフィールドにグローカル人材の育成を行っていることの大切さを再認識し、改めてみなさんに感謝をしています。ありがとうございます。
肥後さんはすでに田原さんと5年以上前に出会って、ずっとGLOCALに大切な要素やメッセージを送り続けくれてやっと今。これをスタートにまた文脈をつくっていきたいです。
<研修のお知らせ>
ー単に、リアルからオンラインではなくコミュニケーション自体が拡張している。未来や世界をジブンゴト化して実践する。オンラインの可能性を探究したい方。デジタルファシリテーターって何?わかんないけどやってみたい!という方、興味のある方は
是非2/1・2/19の実践型GLOCALの研修にJOINしてください🌠
編集後記)なぜ、研修の目的を共通の文脈をつくるにしたのか?
GLOCALは10人の組織。この人数でも、多岐に渡る業務をチームや個々で進めると自ずと持っている情報や見ているものが変わってきます。ひとりひとりの専門性や特性を持って役割分担で補完し合えばいいのですが、個々に触れている情報が違いすぎると同じ日本語でも時に話が通じなくなります。例えば、私であればお金やルール、バックオフィスの言語をもっと獲得しないといけません。
2拠点になり空間も情報も別々の中、仕事を"こなして"いくようになるとやらされ感、そしてその「意味」をも見失いがちになるときもあります。だからこそ、今を一緒に感じる時間を持ちながら、GLOCALという全体性をみつめて今の私の仕事は何のためにどこに繋がっているのかを確かめ合う時間を持つことが大切だと考えています。(3人のレンガ職人、NASAの清掃員さんの話ですね)
そしてこれから大きな世界観でみんなでプランをしたりレンガを積んでいく時に、土台や源になるコアや未来を描くに必要な情報は根っことして張り巡らせて置きたい。各スタッフが感じていること、見ているもの行きたい方向をその上に乗っけながら、多様性は枝葉や花として爆発させてもらいながら、根と幹としてブレない判断軸や共通の文脈を「言語化」を通じてつくりたい。それには、「新たな風」として外部の方のチカラも借りながら、外からどう見えているかをフィードバックいただいて、深呼吸をして視座を上げていきたいと思っています。
次はだれに来ていただこう。♡
田原さん、ありがとうございました。
なっが。