生産性向上の代償 〜 オーガニックやフェアトレードが高いわけ N133
近代に入り工業化を経て人類は生産性が飛躍的に向上した。先進国はその技術の恩恵により豊かになることができた。この通説は世界の多くの誰もが認めているだろう。
一方でこの向上した生産性のおかげで飽食時代、モノの限界費用がゼロになろうともオーガニック野菜だったりフェアトレードの洋服のお値段は高い。いわゆる理想的なオーガニックやフェアトレードだったりで全ての生活を成り立たせようとすると一般的な会社員では生活をすることができないほど高額となる。実際、意識高い系の方々もプラスチックを組み合わせながら上手にやりくりをしているのが現状だろう。
つまり、近代がもたらした生産性向上はリスクを伴う農薬散布やDNA組み換えとホルモン剤、環境汚染をもたらすプラスチックや森林伐採、グローバルにわたる児童労働をはじめとする不当な労働、といった負の力を使うことで私たちの一般的な生活を成り立たせているのだ。
仮にこれらを全てやめて素の力で生産活動をした時に近代以前と現代ではどれだけ生産性が上がっているのだろうか?
私がふと思ってしまうのはどれだけ科学技術が発展しようともグローバル化が促進されようとも、本当の(オーガニックの)リンゴを食べることができるのは世の中の限られた少数の人たちに限定されてしまうのではなかろうか?
たとえ有害物質が含まれていようがリンゴを食べることができるだけで幸せだと感じれば良いのか、その事実を受け入れるべきなのか、まだ自分の回答は見つからない。