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旬の食材から季節感の記憶の種を植え、生きる感性を養う

profile:おうち+まゆこ
楽しい暮らしであることを大切に10歳と7歳の娘のふたりを子育て中。おうちのごはんはこころとからだを作る基礎。どこのおうちにもある材料で毎日作れる無添加のごはん作りをこころがけています。練馬区の認可保育園でごはん作り担当。おうちの無添加料理研究家。こころをケアするアートセラピストの資格取得。不定期で料理教室・台所整理のススメの【暮らしのねっこ】活動中。

まいにちの暮らしとつながる食事

じめじめした日が長く続いていて、気分も身体もダウンになりがちな毎日です。梅雨の明けたあとは暑い夏、次に実りの秋が訪れて、暖かい食べ物のおいしい冬がきて。四季の表情豊かな土地での生活の中で、ささやかな季節の変化をうけとりながら暮らす日々に豊かさを感じます。なにげないことから季節のかけらをみつけられると前向きな気分になりますね。

食生活の中にも四季の味覚、彩りをとりこんで、さりげなくこどもに伝承していくことが、食事における大事な役割のひとつだと思います。大きなレジャーにでかけなくても何気ないひとつひとつが季節を感じとった実体験になります。食べることは生きること。地に根をおろすように今現在ここにあるものとつながる感覚を育んであげましょう。

食卓には楽しさ、安心感と一緒に旬のものを添える

こどもたちの好きな食べ物ランキングをリサーチすると、はっきりとした味の付いた食べ物が多いことがわかります。例えば、カレーライス、オムライス、ポテトフライ、からあげ、ラーメン、コロッケ、とんかつ、グラタン、チャーハン、お寿司、焼き肉、ハンバーグ…などが今も一昔前も代表的なこどもの好きな食べ物のようです。

ぱっとみたイメージから、季節に関係なくおいしく食べられるメニューばかりです。こどもたちは、変化の少ない食べ物に安心感を得ているのかもしれませんね。食事には、楽しさ、安心感と一緒に旬のものを添える工夫をしていけると、さりげなく季節感を伝えていけます。今年は特にコロナウイルス感染症の影響からも外で季節を感じる機会が減ってしまい、食材の買い出しでの果物野菜コーナーなどでこどもと対話を楽しみながら買い物をすることが難しくなっています。家にいながら四季を直に感じられるチャンスである食卓に、積極的に季節感を取り入れていきましょう!

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いつもの大好きな食べ物から旬を伝えましょう

カレーライスを例にとると、季節によって具材を変えてみることは簡単にできそうです。夏はとうもろこしやナスのカレー、秋にはかぼちゃやさつまいも、冬には大根や芽キャベツへ具材を変えることでも彩や味わいにも変化を感じることができます。具材の多いグラタンやチャーハンなどのメニューでは使用する具材のチェンジで季節感を感じてもらうと、こどもにも受け入れやすいと思います。お寿司人気は回転すしの影響からでしょうか。旬のおすすめメニューに話題を向けてみるのも良いですね!

おやつは果物など食材そのものを楽しめるので手軽に旬を取り入れやすく、食事よりもシンプルなこともあり小さいうちから関心を向けやすいものでもあります。

我が家のこどもたちは春のコロナ禍の休校の中、ヨモギ摘んでお団子を作ろう!と誘うと、興味を持って収穫から調理まではりきって取り組んでいました。探し始めると意外と簡単に見つかるので、思い立ったら気軽にできるのが良いですね。
梅雨時には、梅やシソが出回るので梅シロップやシソジュースを作ります。高温で湿度の多い時期に、梅やシソのクエン酸の多く含まれたジュースを飲むと力が吹き飛ぶのを感じます!
次にやってくる夏には、プランターで簡単に育てられる野菜が多いので特に季節の野菜が身近に感じられる時期です。枝豆やスイカ、とうもろこしなど、そのまま食べられるものが多いので、この時期の食材からは彩りの美しさも伝えやすいのではないでしょうか。

季節ものの料理は繰り返し遊びがてら一緒に作ることで5歳の頃には説明をしなくても一人前にせっせと手が動くようになる様子がみられて、季節の変化だけでなくこどもの成長が毎年感じられて嬉しい、という親としての大きな楽しみもあります!

旬のものを摂ることは、気候による体調の変化に見合った栄養素を効率よく摂取できるということにもつながります。季節外のハウス栽培のものよりも、旬のものには生命力がありますので露地で栽培されているものを選ぶようにしましょう。

栄養面はもちろんのことですが、季節の気温やにおいなどと併せて、食材の色味や味わいを感じるということを体感として繰り返しながら暮らしを営むことで、季節感に対する感性が蓄積して養われていくのだと思います。後付けではなかなか付加できない、親と子が一緒に生活する中で形成されていく貴重な経験の一つです。

季節感の種を植えることを楽しむ

保育園の中でこどもたちの様子をみていると、好きなもの以外の食べ物がどうしても苦手な子も必ずいます。そんな場合は無理に食べさせてなくても良いと思います。大切なのは楽しく気持ちで食事ができることです。嫌いなものでなくてもなんとなく箸が進まないけれど、口元に運んであげた場合だけ口にしてくれたり、食べず嫌いをしている日もあります。無理のない範囲で新しい味覚にチャレンジする機会を作ってあげてください。どうしても苦手な場合は、親が楽しむところを見てもらうだけでも十分良い経験です。大人になったときに必ずその記憶が季節感と共に残るものだと思います。まずは大人が力まずにこころから楽しめることからはじめてみてください!

季節の食材や料理とともに、たくさんのあたたかい記憶を作ってあげたいですね。記憶の種を植えるイメージです。きっと大人になってから大きな実になることと思います。

おうち+まゆこ


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