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[解説と設問を発表]「ショック・ドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く」Part2【英語で学ぶ大人の社会科】第55回 7/17(祝・月)20時~@オンライン

災害や危機の時ほど民主主義を守る必要がある。英語上級者にお薦めの知的イベント!


2023年6月「100分de名著」の課題図書にナオミ・クライン「ショック・ドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く」が取り上げられました。これを記念して、3年前に彼女の新聞への寄稿記事を利用して開催した「英語で学ぶ大人の社会科」のワークショップ再度開催します。このワークショップの第2回の解説と設問を発表します。

「100分de名著」番組の放送内容を英語でも勉強してみませんか?

名著130「ショック・ドクトリン」ナオミ・クライン

ワークショップ「ショックドクトリンー惨事便乗型資本主義の正体を暴く」【英語で学ぶ大人の社会科】

2023年7月17日(祝)20時@オンラインで開催する【英語で学ぶ大人の社会科】第54&55回はナオミ・クラインThe Guarudain紙への寄稿記事(Naomi Klein: how power profits from disaster)を利用したワークショップのPart2(後半)です。

同じ記事を利用したワークショップは2020年にも開催したのですが、この3年の世界及び日本の情勢の変化から、改めてこの記事を取り上げる意義があると思うからです。おそらくNHK「100分de名著」で、彼女の著作が取り上げられたのも、番組担当者が現在の日本の状況に同じような危機感を抱いたからではないでしょうか。よって、前回のワークショップの設問に修正を加えて開催したいと思います。

Naomi KleinのThe Guardian紙の長文記事のタイトルのすぐ後についている以下の序文を読んで、まるで日本で現在起こっていることのようだと思った方は少なくないと思います。

After a crisis, private contractors move in and suck up funding for work done badly, if at all – then those billions get cut from government budgets. Like Grenfell Tower, Hurricane Katrina revealed a disdain for the poor. By Naomi Klein

The Guardian

この記事は2017年に発表されたものですが、Naomi Kleinが提唱した「ショック・ドクトリン」の理論は、パンデミック、ロシアのウクライナ侵攻、中国と米国の対立の激化が進行中の今こそ、改めて注目すべきテーマだと思います。「ショック・ドクトリン」の理論は、元々は2005年に米国を襲った大型台風ハリケーン・カトリーナ後にその混乱に乗じて政府に近い企業が多大な利益を得た上に、実際の被害者たちはほとんど救済されなかったことを告発した調査報道から導き出された理論でした。むしろ、これらの危機が実は政官財の癒着を強める働きを持ったことをKlein氏はその著書のなかで描き出しています。この理論を使い、改めてトランプの米国大統領就任英国の高層公営住宅の火災後の政治経済を分析したのが、Klein氏のThe Guardianへの寄稿記事です。

Naomi Klein: how power profits from disaster

この記事の内容はPodcastでも聞けます。ショック・ドクトリンの理論について簡潔に説明されています。

Naomi Klein: how power profits from disaster – podcast

この記事は印刷すると、10ページ近くあるため、ワークショップは2回に分けて行います。ワークショップの第55回7/17(祝・月)は後半5ページの部分(記事内のトランプ元大統領とペンス元副大統領の写真より後の部分)について議論を進めていきます。

おりしも、1976年の英国の財政危機を契機に登場したサッチャー前首相による一連の民営化改革によって生まれた英国最大規模の水道会社、Thames Waterが破綻の危機に瀕しています。サッチャリズムは20世紀初頭まで世界の覇権国家であった英国が国際通貨基金(IMF)に救済を求める、といった国家危機に乗じた「ショック・ドクトリン」による「改革」であったと思います。

サッチャー改革の終わりの始まり ~民営化された水道会社が経営難に~ | 田中 理 | 第一生命経済研究所

大株主のほとんどが外国の投資ファンドであるThames Waterは、消費者であるイギリス国民をまったく顧みない放漫経営により、破綻の瀬戸際にあるため、改めて再国有化の議論が取り沙汰されています。刑務所や水道事業など、日本でも国家の基幹にかかわるインフラ・サービスの民営化が実施・検討されている昨今、クライン氏の主張には耳を傾ける必要がありそうです。

この機会に「ショックドクトリンと資本主義」の関係について一緒に考えてみませんか?このワークショップの第55回の詳細は以下の通りです。

日時: 2023年7月17日(祝・月)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 初回または見学のみ: 800円~

このワークショップの解説・設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

【チケット】

チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。

「ショック・ドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く」Part 2【英語で学ぶ大人の社会科】第55回 7/17(祝・月)20時~@オンライン

【銀行振込での申し込み】

振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。

【動画】

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 1

解説

最近、日本各地で「公園PFI」が話題になっています。これは公園の再整備や維持の費用を捻出するために、公園内の施設の設置、整備を民間事業者に任せる事業のことです。これにより、国や自治体は公園整備の費用を圧縮し、節税できると主張するものです。

Park-PFI等の活用

しかし、この事業により、都市の貴重な緑や歴史的景観の一部が失われることから各地で反対運動が起こっています。最近、大きな議論を呼んでいる「神宮外苑再開発」も、土地の所有者は三井不動産と宗教法人の明治神宮ですが、この地区の開発の歴史的経緯を考えれば、同じような事例だと思います。

8月に樹木伐採がスタート…再開発中止の声を「完全無視」する明治神宮と三井不動産の「11年共闘」

ここから先の情報、設問はイベントへの申込者、サロン/メンバー/有料ニュースレター会員、note記事購入者に公開します。

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