さよならBarneys New York NY,一時代の終わり
Barneys New York、米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)に買収されることが決定した11月1日。
これでニューヨークとロサンゼルスの旗艦店を含む5店舗や流通センターを閉鎖し、従業員約2000人が解雇されることになるようだ。
10月31日にニューヨークの破産裁判所で開かれた、経営破綻したバーニーズ ニューヨークの売却先を決定する審問でABGの買収案が承認された。しかし、11月1日午前10時まではABGの買収案は最終的に有効にならず、残りの時間で他社からのより良い案が・・・とわずかな期待をしていたのだが・・・
ABGは、カナダの小売り大手ハドソンズ・ベイとライセンス契約を結び、その傘下であるサックス・フィフス・アヴェニューの店舗内にインショップとしてBarneysを構えるとのこと。まずサックス・フィフス・アヴェニュー本店5階にBarneysのインショップができるらしい。
経済状況も含めた時代の変遷とはいえ、何とも切ない。そして、サックスフィフスの中にできるBarneysって、どうなのだろう?と疑問。
もう随分前から特定の商品の買い物でしかBarneysを利用していなかった筆者だが、その特定の商品の一つはBarneysブランドのフレグランス。確かその商品が出た当時、筆者はNYで留学生活をしており、Parsons School of Designの学生。ひょんなことでその香りと出会い、留学生にはちょっと高価だったけれど、ささやかな贅沢としてそれを使っていた。嗅覚に刻まれた青の頃の様々な思い出がある分、何とも寂しい😢。
その上、同じ日にはザック・ポーゼン廃業のニュースも入ってきており・・・諸行無常とはこういうことかとつくづく思う。
数日前に日本から帰ってきたこともあり、複雑な気分になったのは、New Yorkの一つのアイコンかのようだったBarneys New Yorkの米国内の店舗が全部なくなるけれど、日本では存在している。それを同じく、NYのシーンの中に存在していたのに、閉店してその後ニュースが聞こえてこないDean & Delucaも、日本では何事もなかったかのように、おしゃれ感を振りまき存在している。
目の当たりにすると、何とも皮肉にも思えると同時に、経営母体が違うからこそ、違う国ではその名前を残し存続できているのだなとも思う。
ニューヨークの場合、物価の高さがすべての元凶とはいえ、時代の流れも当然ある。そう考えると、日本にも遅れてその波は押し寄せる可能性もある。ぼんやりしてはいられないだろう。
バーニーズとザック・ポーゼンの残念なニュースを聞くことになった少し前10月24日には、Nordstromのニューヨーク旗艦店がオープンした。
「変わらずそこに居る」ということは、少しずつ時代とのバランスをとりつつ変化していくこと、そして時代とその地域をしっかり読みつつ、新しく始めること。
そんなことを痛感した11月のはじめ。