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人生100年時代に、自分らしいキャリアをどう築くか?「gALf」で組織を活性化する方法

個人の価値観が多様化している現在。「自分らしいキャリア」をどう実現するか?を既存のキャリア論だけで論じるのは難しくなってきています。

第246回 グローバル人材育成研究会は、 当社創業者布留川勝より
 多様化する個人のキャリア教育に お悩みのご担当者様必見! 新しいキャリアの捉え方 『gALf』で組織を活性化する方法 をご紹介いたしました。また、ゲストスピーカーにフランスのラグジュアリーブランドより人事担当執行役員様をお迎えし、ご自身の視点や経験から『gALf』について語っていただきました。

成功し、幸せな人生を生きる人たちの思考・行動特性『gALf』とは

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当社創業者・布留川勝は、今年8月に20年務めた当社代表を、創業以来共に会社をけん引してきた福田聡子に交代し、親会社のThinkG代表取締役、兼 GetBackers代表として新たなスタートを切りました。
そして35年間の人材育成の仕事を通して、成功する人たち、幸せな人生を生きる人たちの思考特性・行動特性を4つの要素として表現したフレームワークを開発しました。それが、「gALf(ガルフ)」です。

gALfとは、grit-Able-Like-foresightの頭文字をとった造語です。自らの「できること」を出発点とした、100年ライフにおける新しいキャリア論です。

従来のキャリア論のフォーカスは、主に「過去を振り返り未来を描く」ことでした。しかし不確実性の高い市況、100年ライフ時代の到来といった変数を受け、今問われているのは「どう自分らしくサスティナブルなキャリアを築くのか」ではないでしょうか。私たちはこれまでのやり方だけに固執せず、主体に学び続けていく必要があるのです。

「gALf」のコンセプトとは

gALfのコンセプトと各要素を、以下に詳しくご紹介します。

grit やり抜く力  
Able できること
Like 好きなこと
foresight 先見性


Able(できること)とLike(好きなこと)
コアとなるのが、Able(できること)とLike(好きなこと)です。これらは相互に影響しあうものですが、重要なのはAble(できること)から出発するということです。よく「好きなことを仕事にしよう」と言いますが、実際にそれができるのは、ほんの一握りの人ではないでしょうか。多くの人は、仕事をやり遂げることを通して、できることが増えていくのです。困難な仕事も粘り強くやり抜き成功を収めると、周囲からリスペクトが集まります。するとモチベーションが高まり、さらにAbleを大きくしようとします。そうしてLikeがパッションに昇華し、更に努力を重ね続けるという好循環を起こしていくのです。

Grit (やり抜く力)
Ableを高める上で欠かせないのがGRITです。Gritとは、アメリカの心理学者であり、ペンシルヴァニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授が提唱した理論です。心理学におけるさまざまな理論を多角的に検証し、『成功する人に共通する特徴は優れた資質よりも「情熱」と「粘り強さ」、すなわち「やり抜く力(GRIT)」である』と結論づけたのです。Gritは、Guts(度胸)、Resilience(復元力)、Initiative(自発性)、Tenacity(執念)の頭文字を指します。この研究の最大の特徴は、成功=「才能や知性」とは関係なく、誰でも訓練可能な「スキル」であると証明したことです。いわゆるIQといった数字が重視されてきた米国社会に一石を投じ、2016年に発売された書籍Grit: The Power of Passion and Perseverance:GRIT『やり抜く力』はベストセラーとなり幅広く支持されました。
自分を高めようとすると、上に行けば行くほど、与えられる仕事はタフなものとなり、難易度は上がります。だからこそ、こういったときに大事になるのがGRITなのです。※参考:TEDトーク

foresight (先見性/自分の未来を創造する)
あわせて忘れてはならない視点がforesightです。せっかく一生懸命仕事をしていても、大局観をもって自身のキャリア方向性を見定めないと、大きな後悔につながってしまうことがあります。できるだけ、自分の才能が世の中に貢献出来るように導く事はとても大事なことなのです。特に、以下三つの視点があげられます。

 SDGsー持続的可能性に貢献する。自分は世の中の役に立つ一員である、という見方を持つ
 Intuitionーメガトレンドや未来に対しての好奇心を持ち、自分の仕事との関係性を捉える感性・直観を磨く
 MyJobー自分の仕事に求められる能力を客観的・俯瞰的に見て、嫌い/不得意な仕事だったとしても、そこに向き合う


「gALf」な生き方を体現する

後半では、フランスのラグジュアリーブランドの人事担当執行役員X様にご登壇いただき、ご自身の人生と『gALf』についてお話しいただきました。

人事として、長年のキャリアを築かれてきたX様。組織の1人ひとりとご丁寧に対話を重ね、人材育成に心からのパッションをお持ちでいらっしゃいます。しかし、これまでのキャリアにおいては、人にかかわるからこその非常に難しい仕事の数々もご経験されてきました。ただ大きな負荷があった仕事でこそ、後から振り返ると、そこで鍛えられ、自分の成長・財産になったと実感されたそうです。

 誰にでも「気乗りしない」仕事はあります。この時こそ 「GRIT」が大事です。評価されるかどうかではなく、自分の責任としてやらねば、という思いをもって前に進めてきました。このためには「間接的なものでも、素晴らしいものの役に立つ」という視点で見ることが大事だと思います。
何のために仕事をするのか」これはシンプルで奥深く、価値がある問いです。我々の役割はラグジュアリーブランドとして「贅沢さ」ではなく「豊かさ」を提供することだと考えています。人は生きるためのエッセンシャルだけではなく、生きる意義を感じる必要がある、そこに私はかかわりたいと思うのです。

リスペクトは、人から与えられるのではなく、自分の内側にあるべきもの」とお話しされていたX様。まさに、gritとforesigntの視点をもって真摯に仕事に取り組むことでAbleを高めてこられたからこそのお言葉でした。

 不確実な時代だからこそ、自分はどう生きるのか?に向き合う

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ご参加いただいた方からは、「今まで意識せず自分でやってきたものの、振り返ると自分の成長もこうして得られたのかもしれない、という気づきがあった」というお声も頂戴しました。

布留川:これからの時代は、さらに一歩進んで「意識してAbleを高める」ことが、ますます大事になってくる。より不確実な時代、特に平均寿命が100歳以上となる若い世代にとっては、年金問題など先が見えない不安な時代です。そういう中で自分の中の「ポジショニング」ーつまり、何が自分にとっての大事なAbleなのか、自分が何者で、社会の何のために生きているのか(SDGs)、また、「AIと自分の仕事はどうかかわりがあるのか」といったような、メガトレンドと自分の仕事や人生との関係性(Intuition)ーを「わかっている人間」であることが大事。つまり、ただ目の前の仕事に流されないことが大事なのではないか、という思いがgALf開発の起点となっています。

ご参加いただいた方からは、以下のようなお言葉をいただきました。

gALfが従来のキャリア形成の観点を打破され、好きな仕事をするという制限のある視点を越え、成長の可能性をより広く定義されたご提言だと理解しました。状況や条件が変わっても能動的に自己実現できる考え方です。参考になりました。

ご参加いただきました皆様、X様、ありがとうございました。

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