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飲食店のwithコロナという生き方 その3~生ビールから飲食店を考える~

コンビニや冷凍食品、スーパーのお惣菜にデパ地下グルメ、ネットにゴロゴロ転がる様々なレシピ。もう「美味しい」では差別化が難しくなっています。もちろん、ミシュランで星を貰うような一部突き抜けて美味しいお店は別ですが、うちも含め、90%以上の飲食店はそうではありません。

ならば今一度『飲食店の価値』というものを考えてみなければならないと思います。味以外に提供しているもの…

前項の続きのようになりますが例えばビールを例に考えてみます。生ビールというのはなかなかお家では呑めません。だからこそ長い間それは飲食店の価値の一つでした。ですが生ビールというメニューはほとんどのお店にあるとても普通のメニューです。生ビールを一生懸命努力して提供しているお店ってほとんどないと思います。

生ビールというのはサーバーに繋いでから3日以内に提供するのが美味しく飲んでいただける所謂消費期限とされています。そして生樽というものは大きさが色々あります。小さい樽より大きい樽の方が若干割安ですよね。なので大きい樽を使いがちなんですが、それ、自分のお店に合っているでしょうか?ほんとは小さい方が良くないですか?

サーバーと樽を繋いでいるチューブ、毎日水を通して掃除をしないと糖が溜まってしまいます。が、面倒になってやらない日があったりしませんか?

ビールを注ぐグラス。大手のビール会社さんは無償で提供してくれますが、本当にそのグラスやジョッキはあなたのお店に合っていますか?

生ビールを注ぐスタッフは全員正しい入れ方を知っているでしょうか?

他にもあると思うんですが、生ビールというどこにでもある、普通のメニューでも気をつけるべき所が沢山ありますよね。そして気をつける所が沢山あるってことは考えれる所が沢山ある。価値を作るチャンスがあるってことだと思います。

消費期限や衛生面のことは当然としても、何の疑いもなく使っているビール会社さんのグラスではなく、より美味しくビールを呑むためのグラスを探してみるなんてことも出来ますよね。僕は元々ワインが専門でして、グラスの形状や薄さで中身の味が変わることを知っています。同じビールでも隣のお店よりも美味しく提供出来るかもしれないってことです。

そうするとそれまで例えば500円で出していた物が600円で出せるようになるかもしれません。100円分価値が上がったってことです。価値って作れるんですよね。これってお店全体に言えることで、この価値をひとつひとつ上げていくことがお店の価値を上げることになります。お客さんにとっての価値が大事です。

原価200円の物を600円で売る時、上乗せされている400円。この400円って店側からしたら家賃や人件費です。お客さんだって大人であればそんなこと理解しています。でもですね、お客さんは、お店が家賃や人件費を払うために400円余計に払いたいと思ってるわけじゃないですよね?400円分の価値を自分たちが感じたいんです。感じて貰わないとダメなんです。

この400円の粗利にこそ飲食店の価値が詰まっていなければならない。

そういう目で一度、自分のお店のメニューを見直してみませんか?

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