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飲食店が老人ホームのご飯を作ってみた話 其の2

長年料理に携わってきたんですが、高齢者の方向けのご飯を作るなんてことを想像もしていませんでしたし、どんな物なのかも知りませんでした。

そんな訳でお話を頂いた後に実際当時とられていたご飯の実物を見に行ったんですが、、、

お世辞にも美味しそうではなく(見た目が)、味もただ薄いだけというのが正直な感想で、先々自分の親に食べさせたい物か、自分が歳をとった時に食べたいかとなるとNoでした。

僕は凄く単純な性格なので、そんな実物を見て、食べてみた結果

「これより良い物なら作れるな」

と思い、やってみることにした訳です。

そこからまず、献立を作るという作業と戦い、原価と戦い、時間と戦い、経時変化と、食中毒の不安と、また塩分量やカロリー、脂質といった物に振り回されながら少しずつ自分なりの形を作っていきました。

栄養士さんに助けられ、ホームで働くヘルパーさんに助けられ、スタッフに助けられ、何とか今週で一年です。

そう、出来るんです。

やっても良いんです。

高齢者施設というのは日本に沢山ありますが、ご飯を飲食店に発注するという発想自体がありません。

これは逆もしかりで、飲食店が高齢者向けのご飯を作ることを考えている方はほとんどいないと思います。

一年やってきて思うこととして、もし自分が将来施設に入ることになったとしたら、美味しいご飯が食べたいということです。

今現在ある、病院食や高齢者向けの食事を作っておられる大手の企業さんが作るご飯ではなくて、美味しい食べ物の専門家である料理人が作った美味しいご飯を食べたい。

施設側にとっても現状では、【ご飯が美味しい】は他の施設との差別化にもなりますし、仮に飲食店と連携を取る施設が増えたとしても、

「うちはこういうご飯です」

と発注先によって打ち出すことが出来ると思います。

そんな訳で、こんなことも出来る、を全国の飲食店、高齢者施設に広めていきたいのですが、正直どうしたら良いのかわからないのが現状でして、しばらく自分の話を続けてみようと思っております。

→まだ続きます

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