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【真実の御供え】〜ご近所Fさんとのボヤ騒ぎが、キラキラの銀杏に変わった日〜天理教
「いつも掃く音聴こえてます。ありがとう👨」
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まさかのご近所Fさんから、お手制の銀杏をいただきました😳
実はこのFさん、以前ひと悶着起こした人物だったんです。だから『まさか』なんです。
言いがかり大火
「うちの新車に傷つけたん、あんたんとこの子やろ?!💢」
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半年前、急に怒鳴り込んできた町内Fさん。
うちの教会がある町内は、50件ほど小ささに、なんと20数名の子どもたちが住む一大キッズランドで、車通りの少ないメインストリートはいつも子供たちの遊び場になっています。
かたやFさんの車はいわゆる路肩駐車で、町の子供たちはいつもその横を走り回って、キックボードや自転車その他遊びに勤しんでます。
昔ながらの路地遊びが今でも残り、大人はそれを朗らかに見守る優しい町なんです。
そんな優しい町角に、珍しく喧騒が鳴り響きました。
F「これ弁償ものですよ!どうしてくれるんですか?!」
私「うちの子たちが傷つけたのなら申し訳ありません💦Fさんがうちの子がしたのを見られたんですか?」
F「…いや、見てはいない。でもお宅とこの子供、小さいのに自転車で走り回っとるでしょう。特に乗りたてかなんか分からんけど、危なっかしいクリクリ坊主のあの子(※次男)、彼とちゃいますか?この傷!ほんま弁償もんですよ!💢💢」
私「そうですか…私の子たちには気をつけるように言いますが、私の子供たちがやったのかは正直分からないんてすよね?」
F「監視カメラ付けましょか?!💢💢💢」
私「付けられるのはFさんの自由にされてください。ただ、正直、Fさんの車はいつも路肩駐車されてるので、もしそこまで気にされるのなら駐車場をどこか借りてしまわれるか、バリケードしたらどうでしょう?」
最後のひと言が余計なひと言になってしまい、火に油を注ぐ結果に…💦(しまった😱)
F「もうこの町内ではあんな風に子供たちに自由に遊ばせるのは辞めさせた方がいいんとちゃいますか?!佐藤さんから遊んでる色んな子にちゃんと指導してください!💢💢💢」
さすがの私も『なんでそこまで言われないといけないのか?』と思ってしまい…
私「分かりました。ただ、誰がFさんの車を傷つけたかも正直分かりませんし、私の子供たちには気をつけるよう注意しますが、さすがに他の家の子たちにまで私が言うのは筋が違うと思いますしできません。
もしFさんがどうしても町内の道路遊びを禁止したいと言われるのなら、町内会長さんを通して相談してください。」
それだけ伝えると、プンスカ腹の虫が治まらないFさんは、町内会長さん宅へ行かれるのか、きびすを返して行かれてしまった。
正義中毒
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私はすぐさま、長年、町内のトラブルを解決し続けてきた長老さんに事の顛末を伝えに行きました。
長老「Fさんはなぁ、ゴミの日にはネットを出すのを買って出てくれたり、古紙回収の日には老人宅へわざわざ取りに行ってくれたり、えぇトコもたくさんあるんやけどなぁ。あの子無職やろ?仕事クビになったときもそういう悪い虫、いわゆる【正義中毒】が出て人間関係トラブル起こして退職しよったんやぁ。」
私「そうですか…長老さん、要らぬおお事にならんよう、この話は私と長老さんと町内会長さんの間でなんとな収めましょう。」
長老「せやな、佐藤くんも腹立つやろけど、収めたってくれるかぁ。ほんまアイツなにアホなこと抜かしとんねん。Fも小さい頃はこの町走り回って遊び回っとったのに、町内で子供たちに遊ばせるの禁止やなんて、それは絶対やったらあかんことや。
よし、わしから町内会長に言うてFと3人で話してケリつけてくるわ。それまで堪忍したれよ。」
『長老が動けば一安心、とにかく大事にならなければいいなぁ…』
と考えたものの、その思いは翌日、早くも打ち砕かれてしまいました…
火消し役
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「佐藤さん、佐藤さん!Fさんからなんか言われませんでしたか?!」
翌朝、そういって教会に駆け込んで来たのはご近所の若ママUさん。
『ぇ?Uさんの所にもFさん言いにいったの??』
なんて驚いてるのも束の間、次は若ママHさん、そして若ママTさんまで、Uさん同様、少し腹を立てながら教会へ相談しにくる。
内容は共通していて「Fさんが子供に車傷つけられたから賠償金を」という話。
『これは参った…』
小さく収めようとしていたのに、当のFさんがドンドン火の粉を点けて広げて、一晩で町内の奥様方に大火事を焚きつけてしまわれた💦💦💦
『これは非常にマズい…』
そう直感した私は、とりあえずその場を妻に任せて、長老宅へ駆け込んだ。
私「長老、すみません、手遅れでした。Fさん自ら子育て家庭全員に注意して回ったようで、奥さん方、今にも沸騰せんばかりに教会に集まってきてます!」
長老「あちゃ~、そんなことになってるか。今日の午後に町内会長とF宅へ行こうという段取りやったが、今すぐ町内会長と行ってくるわ!佐藤は若奥さんたちの気持ちなんとか収めてくれ!」
私「分かりました。今から若ママさんたちと相談会議することになってますから、こっちはなんとかします。長老、Fさんのことよろしくお願いします🙏」
長老と役割分担をして、町内に燃え上がる大火を火消しに回ることになった。
敵は「孤立」
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教会に戻ると燃え上がる若ママさんたちに呼ばれた旦那さん方も出揃い、相談会議が始まった。
U「通りすがりの人がやったかも知れへんのにねぇ?😠」
H「ほんとに賠償金とか払うことになるんでしょうか…?😞」
S「あんな風に言われると怖いね…子供たちの外遊び、辞めさせた方がいいんでしょうか?😥」
奥様方の不安や不満がどんどん吐き出される。
それを聴きながら一つだけ、
たった一つだけ『閃くもの』があった。
私「奥さん方、1番最初に言われた私も皆さんと同じく、Fさんの理不尽な言いがかりに腹が立ってる部分もあります。
まずお伝えしたいのは、この町内で子供たちが路地で遊び回れるのはなぜか?それは町内が安全で、町内の人々がちょっとした事は大目に見てくれる優しさを持ってる。それを子供たち自身が感じてるからだと思います。
なので私は、今回のことで子供たちが萎縮して今までのように気兼ねなく遊べなくしてしまうのには反対です。」
皆さん「…」
私「次にお伝えしたいのが、『最大の敵は孤立』だということです。
この町内は有り難いことにみんながみんな挨拶をよくし、深くは関わらないまでも知らない人は居ない、昨今の町内会では稀にみるとても仲の良い町内だと私は思っています。
そんな中で今回のことは皆さんの不安材料だということは重々承知の上で、それでもあえて言わせてもらいたいのが、この事でFさんを町内から孤立させてはいけないということです。
孤立してしまった人は正直、周りがすべて敵のように見えてしまい、私たちの望まないような、思っても見ない行動に出る危険性があります。
もしそんな事になってしまえば、それこそ子供のみならず、町内全体として大きな深い傷になってしまうと思うんです。
だからあえて皆さんにお願いしたい。Fさんを孤立させないよう、優しさをもって接してあげてもらいたい。この町内の皆さんならきっとできます。
今のFさんは新車ということもあって、ちょっと視野が狭くなって普段しないような行動に出てるだけだと思うんです。Fさんには長老と町内会長に今、話に行ってもらってます。長老のことですから必ずFさんを諌めて理解を得て戻ってくるはずです。
ここに集まる皆さんは、話し合いができる理解ある方たちばかりです。理解ある私たちの方から歩み寄ってあげないと、町内にとって最大の敵である【孤立】を生んでしまいます。
どうか、子供たちのためにもせっかく仲のいい素晴らしいこの町内のために、優しさを、少し出してはみませんか?」
私が話し終えた時、赤みを帯びていた皆さんの顔は落ち着きを取り戻し、『子供が路地遊びをしていたら、子持ち家庭が連携して、最低大人一人はメインストリートを見ておく(特にFさんの車の周りは)』ということで収めることができました。
後で長老も来てくれて、
長老「Fには『お前もガキンチョの頃、町内走り回って遊んどったやろ、路地遊び禁止なんてもう言うな』て言うて、Fも『騒ぎ立ててすみませんでした。頭冷やします』て言うてたわ。
そっちも上手くまとめてくれたようやな。ありがとな。」
と報告してくれました。(さすが長老😍)
真実の御供え
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あの後Fさんは、事件を伝え聞いた自分の奥さんに
「町内に顔向け出来んくなるようなこと、ホンマにやめて!」
とこっぴどく叱られたそうです。
(何でも知ってる長老談)
それもあってか、あれから半年、事を起こしたFさんは、やたらと私や私の子供たちに挨拶をし、声をかけてくれるようになりました。(これまでこっちがしても全然返して来なかったのに…)
正直私は『またトラブルになるのはゴメンだ』と、当たり障りなく軽く返していたのですが、今朝はそんなFさんが、わざわざお手制の銀杏を…
驚きました。
驚くとともに神様に感謝しました。
あぁ、神様、あの時、怒りに呑み込まれず、孤立させない選択をしてよかった、本当に善かった
実は我が家には祖父祖母から受け継ぐ『家訓』がたった1つだけあります。それは…
『目の前に二つの選択肢があった時、必ず難しい方を選ぶ。そうすれば必ず幸せになれる。』
怒りに怒りで返すのは簡単です。
私が普段、怒りをまったく返さないかと言ったらそうではないかもしれませんが、きっとそれはまるで子供のような心、『家訓』とは逆の簡単な選択肢です。
祖父祖母のこの家訓は、子孫に
『身も心も大人たれ』
と励ましてくれているのだと思います。
あの時、はらわた煮えくりながらも困難な道を選んで善かったな、と、このずっしり重いキラキラの銀杏が証明してくれているように思います。
あなたの前にも嫌なこと、理不尽なこと、たくさんのイライラが毎日転がってるかもしれない。
でもそんな中だからこそ難しい選択を、自他ともの幸せのために選んでみませんか?
あなたが出した相手を想うその真実は、いつか必ず、真実の御供えとなって返ってくると、私は信じます。
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