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基山瑣末の駄文

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主に自分のことを書いた文章をまとめたよ。
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【駄文】自分ヤッツケ

【駄文】自分ヤッツケ

 入院患者の少女は、病床に臥せりながら窓の外を見ていた。それしか娯楽がないのであった。
 ある時、少女はアスファルトの隙間から花が咲いているのを見つけた。種類は分からぬが、黄色く可憐な花であった。特に何を見るでもなく窓の外を見ていた少女は、その花を注視するようになった。花冷えの夜、大雨の後、人々が装いを変えながら雑沓を行き交う中、花は裸一貫でそこへ咲いていた。いつしか少女は自らと花を重ねるようにな

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【駄文】ただの述懐、あと供養

【駄文】ただの述懐、あと供養

 そういえば最近文章を書いていないなと思った。最後に投稿した日付を見たら5月末であった。4か月の筆不精である。プロフィールも確認したら「毎週投稿する」という旨の文章のままであった。これはいけない。
 やる気が削がれた、投稿の途切れた理由は簡潔に言えばそれだけである。私のやる気は酔いのようなもので、酒を飲めば暫く続くが、いつかは醒める。しかし、酒を飲みさえすればまた酔う。この場合、飲酒に相当する行為

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【駄文】浅慮の末の恥晒し

【駄文】浅慮の末の恥晒し

  私の実家には、祖母の部屋にしかエアコンがない。扇風機も1台しかないので、家族の集まる部屋に自ずとそれは置かれている。つまり、私や祖母以外の家族が各々使う部屋には電気を使う冷房機器が一切ない。下敷き等であおぎながら、両手の塞がっている際にはなす術もなく汗だくになりながら、涼しい季節へ思いを馳せる。幼少時代の私はそんな風にして夏を過ごしていた。
  数日前、何を思ったか私はそんな実家で部屋の掃除を

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