桃源郷
僕は子供の声が苦手
僕を裏切った人を
思い出すから
僕は女性が苦手
僕を蔑んだ人を
思い出すから
いつ目を潰そうか
いつ耳を潰そうか
いつ消えてしまおうか
世界から消せないものは
消せないから
自分が消えるのが
一番早いよね
そう思って何年経つだろう
未だに消えない澱となって
心の奥に引っかかっている
こんな世界に未練はない
あるのはあの人を
悲しませたくない
という理由だけ
苦労を重ねて
孤独でひっそりと
生きているあの人を
僕は悲しませたくないだけ
あと何年か何十年か
あの人の灯火が消えるまで
僕はこの世界にしがみつく
本当に本当に辛いけど
言えない秘密を持ったまま
あの人が安らかに眠れるように
僕はずっと嘘をついて生きていく
その前に嘘が暴かれて
全てが壊れる
1%もない淡い期待を
持ちながら
ぼやけた世界で
生きる勇気をくれる
音楽を聴きながら
生きているのさえも
わからない世界で
希望も持てない世界で
理想の世界を夢見ながら
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