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ルイーズ・ブルジョワ展


蜘蛛の彫刻『ママン』

六本木の森美術館で1/19までしている
ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
へ、ぎりぎりセーフで行ってきました。

ブルジョワは
1911年、パリの裕福な家庭に生まれ
癇癪持ちの父親は愛人を家庭教師にして
同じ家に住まわせてた。
母親は家業である
タペストリー工場を切り盛りし
ひたすら耐え忍んでいたそう。

男尊女卑の父親からは愛情を受けることなかったが
母親は子供たちの衣類を縫ったりと
ブルジョワへも愛情を注いでくれたそう。
そんな母親は、病気ではやくに亡くなる。
母親を最後は看病していたブルジョワ。
母娘の役割が変わったことで
父親への感情はさらに複雑化し
永続的なトラウマの原因になった。

隠された過去

こんなショッキングな作品から始まる展示。

父を憎みながらも愛情を受けたいと願い
母の愛、そして母になり
鬱になりながらも
もがき、自分と向き合ったブルジョワ。

母乳をあげている姿や乳房
子宮に子供がいる状態を表す作品も多い。
母親はみなが子供に愛情深いわけではなく
色んな母親がいるということも
作品に表していた。

この作品は、母乳を子供に与えず
全く違うところを見る母親。
育児放棄のような状態のように見える。

男女が絡み合う姿の作品もたくさんあった。
「カップル」に重きを置いていたそう。

人が誕生するためには
そこから、全てが始まるからかな。

ファム・メゾン

家に守られてる一方で
閉じ込められている女性の現実を象徴している。
女性の解放運動のアイコンになった。

ヒステリーのアーチ

森ビル52階からの東京の景色と作品との
コントラストが美して
うわぁ〜 と思わず心の声が。

圧巻。

トピアリー

樹木と一体化した片足のない人物像が枝を伸ばし
美しい青い実を実らせようとしている。
これは、ブルジョワ自身。

「ブルジョワは、苦しみから完全に解放されるとか、過去のトラウマを完全に治癒できるとは決して信じていなかったようです。それでも何度も繰り返し不安や恐怖などの痛みに立ち戻り、向き合い続け、自身の感情と記憶をアート作品として芸術の域まで高めることを98歳まで続けました。そういったアーティストの姿勢をよく表現していると思います」と本展企画者のひとりは語る。

男性と女性
受動と能動
具象と抽象
意識と無意識
といった、二項対立の緊張感のみならず
希望と恐怖
不安と安らぎ
といった相反する心理状態も
探求していたブルジョワ。

複雑な人間の心に向き合う時間になりました。
展示会、間に合ってよかった。

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