TL;DR
海外のTech企業ではGTMという言葉が使われている。特に2020年以降により多く検索されるようになった。スタートアップと大企業で少しGTMが必要になっている背景が異なるかも。
比較的新しい言葉かつGTM戦略(GTM Strategy)のように「戦略」という魅力的なバズワードと合わせて用いられることが多いため、まだまだ明確な定義は存在せず抽象的な概念。
最近では「GTM Strategy」という役職も新たに設けられている。結構給料高い。
国内ではあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、海外(主にシリコンバレー、シンガポール、インドあたり)の特にTech企業ではGTMという言葉がよく使われます。2000年代から使われていた言葉ですが、Google Trendによると2020年頃から多く検索されているようです。おそらく、この背景には3つの理由があると思います。
1つ目はスタートアップエコシステムが活性化し、スタートアップが増えたことで、プロダクトを市場にリリースする際の戦略が必要になったからです。「顧客像と異なる企業にアプローチしてフィードバックを受け、それをプロダクトに反映することでプロダクトが『誰も使わない万能ナイフ』化することを防ぎたい」「PMFしてない段階(バケツに穴が空いた状態)でマーケティングに投資してしまって資金を無駄使いするのを防ぎたい」と言った理由です。
2つ目は大企業におけるRevenue組織(Marketing, Inside Sales, Sales, Customer Success, Allianceなど)のオーケストレーションが必要になったからです。Revenue組織が細分化されることで個別機能の高度化・最適化は推進されたものの、それぞれの機能の連携に課題が生まれています。
3つ目はスタートアップにも大企業にも共通することですが、今まで以上に顧客中心で物事を考えることが必要になったからです。マーケット、顧客、買い手を理解した上で、適切なオペレーション、体制、コミュニケーションを構築しなければなりません。
これらの解決策としてGTMという道標(判断軸)が注目されているのです。
このように比較的新しい言葉かつGTM戦略(GTM Strategy)のように「戦略」という魅力的なバズワードと合わせて用いられることが多く、まだまだ明確な定義は存在せず抽象的な概念です。以下にいくつか定義を掲載しますが、ご覧の通り共通項はあるものの定義元の立場の違いからか内容は多岐に渡っており、戦略(Strategy)の定義に計画(Plan)という言葉が用いられているような状況です。
GTMは主にRevenue組織(Marketing, Inside Sales, Sales, Customer Success, Allianceなど)のリーダーシップとRevenue Operations / Sales Operationsによって定義されることが多いですが、最近では「GTM Strategy」という役職も新たに設けられていたりします。Rev Ops / Sales Opsよりもタイトル(役職名)がカッコイイですし、泥臭いことよりも頭脳派なイメージがありますし、給料水準も$136Kと高いのでRev Ops / Sales Opsよりも人気なのではないでしょうか。
長くなってきましたので、このような現状を踏まえて、GTMとして何をすべきなのかについては次回の記事で共有したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!