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8)糖尿病治療薬メトホルミンはカロリー制限を模倣する

体がみるみる若返るミトコンドリア活性化術8

ミトコンドリアを活性化して体を若返らせる医薬品やサプリメントを解説しています。

【カロリー制限は寿命を延ばす最も確実な方法】

 体が消費するエネルギーの量や食事に含まれる熱量を表す単位として「カロリー」が使われます。人間が何もせずじっとしていても、生命活動を維持するためには成人女性で1日約1200キロカロリー、成人男性で約1500キロカロリーのエネルギーが消費されており、これを基礎代謝量と言います。

寝ていても心臓や腎臓や肝臓や脳など生命を維持するために働いているからです。仕事や運動をするとその身体活動に応じたエネルギーがさらに必要になります。

私たちは消費するエネルギーに見合ったカロリーを食事から摂取することによって生命活動を維持することができます。食事からの摂取カロリーが消費カロリーより少なければ、体は脂肪組織や筋肉に貯蔵している脂肪やグリコーゲンやアミノ酸を分解してエネルギーを産生します。慢性的に摂取カロリーを減らすと、体は基礎代謝を低下させたりして、少ない摂取カロリーで体重や筋肉量を維持するように適応します。

食事からの摂取カロリーを減らすことを「カロリー制限」と言います。食事中のビタミンやミネラルやタンパク質などの栄養素の不足を起こさずに摂取カロリーだけを30~40%程度減らす食事です。このカロリー制限は酵母から線虫、ハエ、マウス、霊長類に至る数多くの生物種において、老化を遅延して寿命を延ばし老化関連疾患の発症を遅らせる最も再現性の高い方法であることが多くの研究で証明されています。


【細胞が栄養飢餓になるとオートファジーが亢進する】

 30~40%のカロリー制限というのは軽度から中等度の飢餓状態であり、それに対して生体は様々な適応応答を行うために、代謝や防御機能に関与する遺伝子の発現レベルでの変化が生じます。
その一つがオートファジーの亢進です。

オートファジー (Autophagy) は細胞内タンパクや小器官を二重の脂質膜で包み込み、これをリソソームに輸送して分解する仕組みです。「auto-」はギリシャ語の「自分自身」を表す接頭語で「phagy」は「食べること」の意で、「自食(じしょく)」と日本語訳されています。
細胞が飢餓条件下におかれると、細胞質に隔離膜と呼ばれる扁平な小胞が現れます。その後、膜は細胞質内の異常タンパク質や細胞内小器官を取り込みながら伸長し、先端どうしが融合して、オートファゴソームが形成されます。 オートファゴソームがリソソームと融合して内包物は分解されます。自己消化で得られたアミノ酸は栄養源として再利用されます(図)。

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図:細胞質に隔離膜と呼ばれる扁平な小胞が現れ、異常なタンパク質や細胞内小器官を取り込む(①)。その後、膜は細胞質を取り込みながら伸長し(②)、先端どうしが融合してオートファゴソームが形成される(③)。 オートファゴソーム内にはミトコンドリアなどの大きな細部内器官も含まれる。オートファゴソームがリソソームと融合すると(④)、内包物は分解される(⑤)。自己消化で得られたアミノ酸は栄養源として再利用される。(参考:Nature Cell Biology,9, 1102-1109, 2007 )


細胞は栄養飢餓に陥るとオートファジーにより細胞質内のタンパク質や小器官(ミトコンドリアや小胞体など)の一部を分解および再利用し、細胞の生存に必要なエネルギーやアミノ酸を得ています。

さらに、オートファジーを使い老廃物や損傷したミトコンドリア、病原体、異常タンパク質を除去しており、それにより神経変性疾患、がん、糖尿病、心不全、各種の炎症や感染症など、様々な疾患の発症を抑制していることが明らかになっています。

つまり、オートファジーは細胞内の老化した成分を除去して細胞を若返らせる作用があります。断食が細胞を若返らせるメカニズムもオートファジーの亢進が重要です。

オートファジーの機序でミトコンドリアを分解することをミトファジーと言います。カロリー制限や絶食はミトファジーを亢進して異常なミトコンドリアの除去を促進します。


【カロリー制限は長寿遺伝子サーチュインを活性化する】

 サーチュイン(sirtuin)は長寿遺伝子として、酵母からヒトまで進化的によく保存された遺伝子ファミリーで、食物不足(飢餓状態)の時に活性化される遺伝子群です。サーチュインはNAD+依存性のヒストン脱アセチル化酵素の一種で、タンパク質のアセチル基を除去する作用によって様々な酵素の活性を制御し、細胞周期、代謝、抗酸化システム、オートファジーなどの細胞機能の制御に関与します。

NAD+はニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの略です。NAD+は様々な酵素の補酵素として機能します。細胞内のNAD+量が低下するとサーチュインの活性は低下します。

サーチュインはNAD+/NADHの比率の変動を感知することによって、細胞内の栄養素の供給状況や物質代謝の状況を把握しています。栄養素、特に糖が減少すると、NAD+が増え、細胞内の様々な部位に存在するサーチュイン・ファミリーのタンパク質の発現や活性が亢進します。哺乳類では七つのサーチュイン(SIRT1~7)が存在し、SIRT1、 6、7は核内、SIRT3、4、5はミトコンドリア、SIRT2は細胞質に局在します。

サーチュインは細胞周期、代謝、抗酸化システム、オートファジーなどの様々な細胞機能に関連する遺伝子の発現を制御しています。その結果、細胞老化や発がんを抑制し、寿命を延長する効果を発揮するのです。


【AMP活性化プロテインキナーゼはエネルギー低下を感知して活性化される】

 AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は細胞のエネルギー代謝を調節する因子として重要な役割を担っています。
AMPKは低グルコースや低酸素や虚血など細胞のATP供給が枯渇するようなストレスに応答して活性化されます。AMPKはmTORC1の活性を抑制することによってがん細胞の増殖を抑制する作用や寿命を延ばす作用があります。LKB1はセリン・スレオニンキナーゼで、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)をリン酸化して活性化します。

AMPKは触媒作用を持つαサブユニットと、調節作用を持つβサブユットとγサブユニットから構成されるヘテロ三量体として存在します。γサブユニットにはATPが結合していますが、ATPが枯渇してAMP/ATP比が上昇すると、γサブユニットに結合していたATPがAMPに置き換わります。

その結果、アロステリック効果(酵素の立体構造が変化すること)によってこの複合体は中等度(2~10倍程度)に活性化され、上流に位置する主要なAMPKキナーゼ(AMPKをリン酸化して活性化する酵素)であるLKB1に対して親和性が高くなり、LKB1によってαサブユニットのスレオニン-172(Thr-172)がリン酸化されると、酵素活性は最大に活性化されます。

活性化したAMPKは異化を亢進してエネルギー産生を亢進し、物質合成を抑制するように代謝をシフトします。(図)

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図:AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)はα、β、γの3つサブユニットからなる(①)。細胞内のATPが減少しAMP/ATP比が上昇すると(②)、γサブユニットに結合していたATPがAMPに置換する(③)。これによってAMPKの構造変化が起こると、LKB1というリン酸化酵素の親和性が高まり、αサブユニットのスレオニン172がリン酸化されると、さらにAMPKの活性が高まる(④)。活性化したAMPKは異化を亢進してエネルギー産生を亢進し、物質合成を抑制するように代謝をシフトする(⑤)。運動やカロリー制限はATPを消費してAMP/ATP比を上昇してAMPKを活性化する。糖尿病治療薬のメトホルミンはミトコンドリアのATP産生を阻害する作用とLKB1を活性化する機序でAMPKを活性化する。


AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)はミトファジー(ミトコンドリアの分解)を誘導し、ミトコンドリア新生を促進します。AMPKを活性化する薬として糖尿病治療薬のメトホルミンやブルーベリーに含まれるレスベラトロールやプテロスチルベンがあります。

これらはミトコンドリアの品質を良くする効果が期待できます。運動やカロリー制限やケトン食や魚油(DHAやEPA)やビタミンD3もAMPKを活性化します。

AMPKとサーチュインを活性化すると体の老化を抑制し、寿命を延ばす効果があります。


【サーチュイン1はPGC-1αを活性化してミトコンドリアを増やす】

 サーチュインはFOXOという転写因子を活性化してストレス抵抗性を高め、PGC-1α(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α)を活性化してミトコンドリア新生を亢進します。これらの作用によって抗老化や寿命延長やがん予防の効果を発揮します。

転写因子FOXO(Forkhead Box O)はDNA結合ドメインFox(Forkhead box)を持つForkheadファミリーのサブグループ“O”に属する転写因子です。哺乳類の細胞にはFOXO1,FOXO3a,FOXO4の三つのアイソフォームが発現しています。

FOXOはストレス応答、代謝制御、細胞周期、アポトーシス、細胞分化、DNA修復、免疫機能、炎症などに関連する多くの遺伝子の発現を促します。
FOXOはサーチュインによって脱アセチル化されて転写因子として働き、細胞のストレス抵抗性を高めます。

細胞内でミトコンドリアが新しく発生することを「ミトコンドリア新生」や「ミトコンドリア発生」と言います。既存のミトコンドリアが増大して分かれて増えていきます。ミトコンドリア新生で最も重要な働きを担っているのが、PGC-1α(Peroxisome Proliferative activated receptor gamma coactivator-1α)です。日本語訳は「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α」です。

PGC-1αは転写因子のPPAR-γと結合して、PPAR-γの転写活性を高める因子として見つかりました。PGC-1αは核内受容体を中心とする様々な転写因子と結合し標的遺伝子の発現を制御する転写コアクチベーターです。骨格筋、心筋、脂肪、脳などの臓器においてミトコンドリアの新生および酸化的リン酸化を促進するなど細胞のエネルギー産生を制御する役割が知られています。

運動すると骨格筋のPGC-1α量が増えます。運動や絶食やカロリー制限やメトホルミン(糖尿病治療薬)がAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化し、AMPKはサーチュインを活性化して転写因子のPGC-1αとFOXOファミリータンパク質を活性化し、ミトコンドリア機能や代謝を制御することが知られています(図)。

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図:運動、絶食、カロリー制限、糖尿病治療薬のメトホルミンは細胞内のAMP/ATP比を上昇し(①)、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化する(②)。AMPK活性化はNAD+/NADH比を高め(③)、サーチュイン1を活性化する(④)。AMPKはPGC-1α(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α)をリン酸化し(⑤)、さらにサーチュイン1で脱アセチル化されて活性化する(⑥)。サーチュイン1はFOXOファミリーなどの転写因子を脱アセチル化して活性化する(⑦)。活性化したPGC-1αやFOXOやその他のタンパク質はミトコンドリア機能や代謝を制御する。図中のPはリン酸化、Acはアセチル基を示す。(参考:Nature. 2009 Apr 23; 458(7241): 1056–1060.)


老化とともにミトコンドリアの働きが低下します。特にエネルギー消費の多い筋肉、脳、心臓などでミトコンドリアの機能や新生が低下しています。

カロリー制限や運動はサーチュインとAMPKを活性化し、ミトコンドリアの数と機能を高める効果によって、抗老化作用や寿命延長作用を発揮すると考えられます。

カロリー制限が寿命を延ばすメカニズムが解明されるにしたがって、カロリー制限と同じ効果を発揮する医薬品やサプリメントの開発も進行しています。


【カロリー制限と同じような効果を薬で真似ることもできる】

 カロリー制限によって寿命が延びるメカニズムに対して、それを刺激・活性化する因子と阻害・抑制する因子があります。寿命の延長を促進している因子をさらに増やし、寿命を短縮する因子を減らせば、カロリー制限を行わなくなくても長寿を達成できることになります。

例えば、寿命延長とがん予防効果を促進する因子として、AMPK、サーチュイン、アディポネクチン、オートファジーなどがあります。これらの因子を活性化する方法はカロリー制限の効果を真似ることができます。

老化を促進し寿命を短縮する因子としては、インスリン、インスリン様成長因子-1(IGF-1)、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達系、活性酸素などによる酸化ストレス、慢性炎症状態を引き起こす炎症性サイトカインなどがあり、これらの因子の活性や産生を抑えることはカロリー制限の効果を真似ることができます。(図)

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図:カロリー制限による寿命延長とがん抑制の効果に関与している因子を利用すれば、カロリー制限を行わずに同じような効果が得られる可能性がある。


このカロリー制限と同じ効果を示す薬がカロリー制限模倣化合物です。食事のカロリーを減らすのは空腹感という苦痛が伴いますが、カロリーを減らさない普通の食事をしながら、カロリー制限と同じ抗老化と寿命延長の効果が得られる薬やサプリメントがあれば、抗老化の実践も楽になります。

カロリー制限模倣化合物として糖尿病治療薬のメトホルミン、ブドウやブルーベリーなどに含まれるレスベラトロールやプテロスチルベンが知られています。これらはカロリー制限と同様にAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)や長寿遺伝子のサーチュイン-1を活性化してミトコンドリアを増やすことが知られています。


【植物毒が薬になる】

 植物にとって「動けない」ということは、生存において最大の弱点と言えます。逃げることができなければ捕食者から簡単に食べられるからです。動ければ敵から逃げるという抵抗手段がありますが、動けない場合は動物や鳥や虫から食べられないようにする手段を持ったものしか生き残れません。例えば、トゲは植物の防御機構の一つです。不快な臭いや味で捕食者を近づけないのも防御機構の一つです。

レッドクローバーに含まれる植物エストロゲンが捕食者(ヒツジなどの草食動物)の生殖能力を低下させることが知られています。つまり、レッドクローバーは自らの生存・繁殖の手段の一つとして、植物を食べる草食動物の繁殖を制限するために植物エストロゲンを産生している可能性が指摘されています。

さらに、細胞に毒作用のある化学成分を合成・蓄積することによって動物や鳥や虫からの攻撃を防いでいます。植物が多くの毒を持っているのは、捕食者から自分を守るためです。毒草や毒キノコを摂取して人間が死ぬ場合もあります。このような毒は適量を使うと病気の治療に有効なものもあります。

植物には血液凝固を阻害して出血しやすくする成分も知られています。これを大量に摂取した動物は出血を起こして死ぬ可能性があり、植物が身を守る一つの毒ですが、このような成分は血栓症予防の治療に使えます。


【植物に含まれるミトコンドリア毒がAMPKを活性化する】

 植物の生き残り戦略の中には、ミトコンドリア毒で捕食者(草食動物)のエネルギー産生を低下させるという方法もあります。捕食者のミトコンドリアでのATP産生が低下すると捕食者の繁殖と活動を制限でき、食い尽くされて絶滅するのを防ぐことができます。

ATPの産生が低下しAMPが増えるとAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が活性化されます。AMPKは細胞内エネルギー(ATP)の減少を感知して活性化し、異化の亢進(ATP産生の促進)と同化の抑制(ATP消費の抑制)を誘導し、ATPのレベルを回復させる効果があります。

すなわち、AMPKが活性化すると、糖や脂肪や蛋白質の合成は抑制され、一方、糖や脂肪や蛋白質の分解(異化)が亢進してATPが産生されます。その結果、血糖が低下するので、糖尿病の治療薬として利用されています。

薬草や植物の中にはAMPKを活性化して血糖降下作用を示す成分は数多く報告されています。AMPKを活性化する機序としては、AMPそのもののようにAMPKの酵素活性を直接活性化するものと、ミトコンドリアでのATP産生を低下させてAMP/ATP比を高めて間接的にAMPKを活性化するものなどがあります。植物成分から見つかっているものの多くは後者です。

つまり、一種のミトコンドリア毒のような作用で、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の過程やATP合成酵素を阻害する作用があるものが、結果的にAMPKを活性化し、血糖を低下させる効果やがん細胞の増殖を抑える効果を発揮することになります。そして、AMPKの活性化は老化を抑制し、寿命を延ばす効果があります。

カロリー制限や運動は細胞内のATPを減らしてAMPKを活性化しますが、植物のミトコンドリア毒もATP産生を減らしてAMPKを活性化します。つまり、カロリー制限や運動をせずに、これらと同じ効果が得られるという理由です。

このようなミトコンドリア毒として作用してAMPKを活性化する植物成分としてビグアナイドやベルベリン、レスベラトロール、ケルセチンなどが知られています。


【糖尿病治療薬のメトホルミンはミトコンドリアでATP産生を阻害する】

 メトホルミン(metformin)は、世界中で1億人以上の2型糖尿病患者に使われているビグアナイド系経口血糖降下剤です。糖尿病だけでなくがんの予防や抗老化の分野でも注目され、がんの発生を予防する効果や寿命を延長する効果が報告されています。

ビグアナイド剤は、中東原産のマメ科のガレガ(Galega officinalis)から1920年代に見つかったグアニジン誘導体から開発された薬です。ガレガは古くから、糖尿病と思われる病気(口渇や多尿)の治療に経験的に使われ有効性が認められており、その関係でこのガレガから血糖降下作用のあるビグアナイドが発見されました。

メトホルミンはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を介した細胞内シグナル伝達系を刺激することによって糖代謝を改善します。すなわち、筋・脂肪組織においてインスリン受容体の数を増やしてインスリン結合を増加させ、インスリン作用を増強してブドウ糖の取り込みを促進します。さらに肝臓に作用して糖新生(糖質以外の物質からグルコースを合成すること)を抑え、腸管でのブドウ糖吸収を抑制する作用があります。

これらの作用はインスリンの血中濃度を低下させます。インスリンは老化とがん細胞の増殖を促進するので、インスリンの血中濃度を減らすだけで、老化速度やがん細胞の増殖を抑制する効果があります。

さらに、AMPKはインスリンおよびインスリン様成長因子-1(IGF-1)によって活性化されるPI3K/Akt/mTORC1シグナル伝達系のmTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)の活性を阻害します。つまり、メトホルミンはAMPKを活性化することによって血糖降下作用と抗老化作用と抗がん作用を示すと考えられています。

メトホルミンはミトコンドリアの呼吸酵素複合体1(電子伝達複合体1)を阻害してATPの産生を減らし、そのためにAMP:ATP比が上昇するためにAMPKが活性化されます。

つまり、メトホルミンはミトコンドリア毒であり、この毒を適量使うと血糖を低下させることができ、抗老化や寿命延長の効果も得られるという訳です。


体がみるみる若返るミトコンドリア活性化術 記事まとめ


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