中原淳一の哲学と品格 2
デザイナーのケイタマルヤマさんは中原淳一好きを公言しています。
以下「ほぼ日手帳」のインタビューより抜粋。
~女の子の「心がまえ」~
(中原淳一さんの「哲学」)
「本当の身だしなみとは、まず
ハンカチにアイロンかけるところから」
「お洋服をたくさん持っていることが
豊さなのではなく、
お洋服を常に清潔に保っておくことが、
豊かということなのです」
「外出するときには、行く先を考えて。
何を着て行こうか考えるなら、
まずは、これから
行く先のことを、考えてみることです」
「あなたがいちばん美しく見えるのは、
あなたのいる場所と、
あなたの着ているものとが、
ぴったりと、
ひとつの雰囲気に溶け込んでしまった場合。
つまり、結婚披露のご招待には、
華やかなほうがいいのだが、
英会話のお稽古や図書館などに行くときは、
きちんとした美しさが、
いちばん、すばらしく見えるものです。
歌舞伎を見るのは和服でも、
ジャズを聴くときには、たとえ、
どんなに美しい和服でもピンときません。」
イ)淳一さんは、お洋服の絵を
たくさん描いていると思うんですけど、
専門家である丸山さんから見て、
それらについて、どう思われますか?
お洋服の型紙を起こしやすいような
描き方だと思います。
淳一さんが、どうして洋服の絵を
たくさん描いていたのかっていうと、
自分の絵を参考にして、
みなさんに
お洋服をつくってもらうためなんです。
お洋服を仕立てようにも、
なかなか「お手本」がなかった時代
女性たち、どんなに重宝したことか。
実際に仕立てるときに、
わかりやすい絵の描き方をしてます。
イ)じゃ、ものすごくかわいいんだけど、
「これは現実的に無理ですね」
みたいな絵は、ないってことですか。
ないでしょうね。
何のために描いたのかという部分が、
極めて明快ですから。
つまり、世の中の女の人たちに、
ファッションを通じて、
本当の意味で豊かになってほしいと。
そのピュアな思いが、伝わってくる。
そのためのサービスは惜しみなく、
ぜんぜん、ケチケチしてないんです。
素敵なお洋服をつくるためのコツを、
包み隠さず教えている。
みだしなみについてのエッセイも、
細かいシチュエーションを
設定しているものもあったりして、
おもしろいですよね。
「会社の昼休み、ある男性がふとしたはずみでくぎにひっかけて、
ちいさなかぎざきをつくってしまいました。
『うわぁ、せっかくの背広、大損害じゃないの』
『あら大変だ』など、
まわりにいた女性軍がわいわいと騒ぎ立てた中に、
『上手くはできないと思うんだけれど』
と自分のハンドバッグを開いて、
中からちいさな糸巻きやハサミを取り出し、
彼から脱がせた上着を
自分の机の前で繕って言いました。
『とりあえずおうちへ帰るまでこれで我慢してね』
それはごく自然な態度でした。
居合わせた男性たちは、まるで申し合わせたように
彼女を見直してしまった。
彼女から、ほかの女性たちが持っていない美しさを
発見したような気持ちになったという話です」
──
イ)ひとつの、ちいさな物語ですね。たしかに。
「男性が女性を美しいと感じるのは、
おしゃれに気を使っているときだけでなく、
男性の持ち合わせない思いがけない神経に、
フッと触れたときに強いようです。
ハンドバッグの中に
針道具をしのばせておくことを、
なにも、男性や他人のためばかりではなく、
あなた自身が、自分のスカートに
いつかかぎざきをつくらないとも
限らないときのためと考えてください」
このお話を考えている淳一さんご自身が、
かわいいですよ、もう(笑)。
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