【東京六大学野球】2022年春季リーグ戦(個人的)注目ポイント②
【こちらもご覧ください】前半の記事はこちらです。
念のためですが、私はごく一般の東京六大学野球ファンなので、世の中に公表されている情報以上のことは知りません。そのため、なるべく公表事実を参考に書くつもりですが、推測もそれなりに多くなることを改めてお断りします。
明治大
明大はオープン戦初戦が3月16日と遅く、例年より実戦の機会が少ない状況でリーグ戦を迎えます。公表されている情報が少なく、明大スポーツの記事や3月27日の社会人対抗戦(対JR東日本)を参考に、気になった内容を書いてみます。
注目ポイント①:投手陣では藤江に期待も離脱か
まず気になったのが昨季に先発2番手として定着した藤江星河(②大阪桐蔭)の名前を見かけないことです。今季はエースの筆頭候補として期待していましたが、ここまで登板している情報が見られませんでした。社会人対抗戦でもベンチ入りから外れ、先日更新された今季の部員登録でも背番号の記載がなかったので、アクシデントか何かで離脱しているものと推測しています。
その中で投手陣の中心となるのは、髙山陽成(④作新学院)と蒔田稔(③九州学院)でしょうか。ラストイヤーの髙山はこれまでリーグ戦での登板はありませんが、オープン戦初戦(対桐蔭横浜大)で先発を任されるなど、期待されていることが伺えます。蒔田も社会人対抗戦で先発を任されており、中心となるべき投手でしょう。しかしながら、足元ではずば抜けた投手がおらず、3回戦も視野に入れて戦う必要がある今季は渡部翔太郎(④千葉黎明)や村田賢一(③春日部共栄)、石原勇輝(③広陵)らもフル回転での活躍が求められるでしょう。
ちなみにどうでもいい情報ですが、4年生投手は髙山と渡部翔以外に、下江秀弥(④盈進)と鈴木涼太(④明大中野)の2人しかいないようです。合計4人とは少ないですね。
注目ポイント②:村松と山田陸もアクシデントか
野手陣でも、本来主軸として名を連ねるべき選手の名前がないことが気になりました。まず主将の村松開人(④静岡)です。派手なイメージはありませんが、昨春は打率.366、昨秋も打率.361とコンスタントに高打率を残しています。今年は例年以上に各大学のセカンドのレベルが高いですが、村松も十分ベストナインを狙える選手だと思っています。ただ、社会人対抗戦ではベンチ入りこそしていましたが、シートノックからも外れており(試合出場もなし)、コンディションが気がかりです。ベンチ入りはしていたので、大事を取って、といったところでしょうか。
また、昨春の首位打者・山田陸人(④桐光学園)も社会人対抗戦を欠場しており、こちらもアクシデントの可能性が考えられます。3月17日のオープン戦(対中大)では先制の適時打を放つなど、順調に調整が進んでいたものと思っていただけに、少し心配です。
注目ポイント③:優勝に向けてルーキーの活躍に期待
ここまでネガティブな話題ばかりでしたが、明るい材料は有望な1年生の存在でしょう。昨秋は宗山塁(②広陵)がショートのスタメンに定着し、リーグ5位の打率.378でベストナインに選ばれましたが、今季も1年生野手の活躍が期待されます。その筆頭は瀬千皓(①天理)でしょう。社会人対抗戦では4番ライトでスタメン起用され、1安打を放っています。
また、宮田知弥(①横浜)と吉田匠吾(①浦和学院)も社会人対抗戦では途中出場しています。上記のネガティブな話題が杞憂に終わればそれに越したことはありませんが、優勝に向けて「スーパー1年生」の出現を期待しています。
立教大
立大はHPでオープン戦の戦評を公表しており、これをかなり参考にしています。
注目ポイント①:一躍ドラフト候補の荘司の活躍がカギ
昨年は池田陽佑(③智辯和歌山)におんぶにだっこの投手陣でしたが、昨秋は先発2番手に定着した荘司康誠(④新潟明訓)に注目です。昨季は5先発も5回を投げ切れずに降板する場面が目立ちましたが、この冬の間にかなり成長したのか、ドラフト候補として取り上げられているニュースも多く見られます。荘司が先発として独り立ちすれば、池田との強力なダブルエース体制が築けるでしょう。
そして、後ろには実績十分な宮海土(④國學院栃木)が控えています。これまで通算31登板は現役トップで、通算防御率2.89と安定感もあります。宮以外にも島田直哉(④龍谷大平安)や野口裕斗(③東海大相模)、石元悠太郎(③佼成学園)ら、昨年もプルペンを支えた投手が多く残っています。個人的には荘司の成長はまだ未知数ですが、先発としてそれなりに計算できるのであれば、投手陣はかなり堅いと思います。
注目ポイント②:山田に注目が集まるも、タレント揃いの野手陣
野手陣は4番でドラフト上位候補の山田健太(④大阪桐蔭)にどうしても注目が集まりがちですが、その脇を固める選手も見逃せません。1番に入るであろう道原慧(④駒大苫小牧)は昨年からレギュラーに定着し、昨春は打率.316をマークしました。リーグ随一のスピードが売りで、今後は1つひとつのプレーの質を高めてもらいたい期待の外野手です。
1年春からスタメン出場も多かった宮﨑仁斗(④大阪桐蔭)は、現役4位の通算4本塁打で長打力が魅力です。さらに通算11盗塁は現役トップ、通算打点17打点も現役6位と、スピードや勝負強さも兼ね備えています。通算打率.232と確実性に欠き、これまでレギュラーに定着しきれない3年間でしたが、下位打線にいたらやはり怖い選手でしょう。
注目ポイント③:待ち望んだ柴田颯の復活
これまで怪我に泣かされることの多かった柴田颯(④札幌一)が、今季は万全の状態で開幕を迎えられそうです。1年春の開幕からクリーンアップに名を連ね、そのまま4年間主力として出場を続けるものと期待していましたが、その後は不調や故障もあり、思うように結果を残すことができませんでした。
しかし、昨年はまだ故障の影響もあったようにも思われますが、「代打の切り札」として復活の兆しを見せました。春秋の合計9試合すべてで代打出場も、9打数4安打3打点の好成績を残しました。今季はここまでスタメンでのオープン戦出場を続けているようで、完全復活となれば立大打線はかなり厚みが増すでしょう。
法政大
法大も情報が少なくほぼノーヒントですが、3月25日の社会人対抗戦(対日本製鉄かずさマジック)に加え、スポーツ法政の開幕直前特集などを参考に書いています。
注目ポイント①:1回戦先発は扇谷が確実か
早大同様、昨年のダブルエースの山下輝(ヤクルト)と三浦銀二(DeNA)が抜ける今季は先発陣の立て直しが必須です。そのような中、1回戦の先発は扇谷莉(④東邦)がほぼ確実と見ています。2月23日のオープン戦初戦(対ENEOS)や社会人対抗戦で先発のマウンドに登っていることから、まず扇谷が先発陣の中心となるでしょう。
一方、2回戦の先発はやや読みづらい状況ですが、素直に考えると篠木健太郎(②木更津総合)でしょうか。昨季1試合先発を経験しており、また加藤監督のコメントからも投手陣の柱になるべく期待されているようです。昨年までのリーグ戦やフレッシュトーナメントの実績に鑑みれば、尾﨑完太(③滋賀学園)や塙雄裕(③常総学院)もありうるでしょう。
注目ポイント②:野手陣は中軸を前に好機を演出できるか
昨季はチーム打率.232、チーム得点27といずれも5位に終わり、打線のつながりを欠きました。今季はドラフト上位候補でチャンスにも強い主将・齊藤大輝(④横浜)、昨季の最終カードで4番を打った浦和博(③鳴門)らが中軸を務めると予想しますが、彼らにつなぐ上位打線でしっかりとチャンスを作れるかがまず大事になるでしょう。
ラインナップには宮﨑秀太(④天理)や村上喬一朗(④東福岡)、今泉颯太(③中京大中京)、西村友哉(②中京大中京)といった昨年からの主力も多く名を連ねるものと思われます。実績十分のメンバーですが、文字通り「打線」として繋がった攻撃が見られるでしょうか。
注目ポイント③:ついに野尻がブレイクか
最後に取り上げるのは高校時代は二刀流として活躍し、ここまで期待され続けた野尻幸輝(④木更津総合)です。2年春に2試合登板していますが、大学では基本的には野手に専念しているようです。とはいえ、ここまで通算3安打にとどまっており、思うように結果を残せていません。
気が付けばもう最高学年の今季、詳細は分かりませんが、オープン戦ではスタメン出場を続けていると推測されます。社会人対抗戦でもノーヒットながら6番ライトでフル出場しました。今季こそレギュラーに定着できるか注目です。