【阪神】リリーフ陣が大車輪の活躍で驚異の月間19勝(5月振り返り)
こんにちは、宜野座パーラーです。今月も阪神タイガースの戦いを投手運用の切り口から振り返ってみます。
先月の振り返り記事はこちらです。
5月は9連勝を含む月間19勝
今月もまずは全体感から振り返りましょう。5月11日のヤクルト戦から7連勝すると、19日の1敗を挟んで、翌日から今度は怒涛の9連勝(図表1)。終わってみれば5月は19勝5敗で、13日に首位に立つとそのまま首位の座をキープし、最高の状態で交流戦に入りました(図表2)。
GW明けにローテ再編、青柳はいったん2軍調整
ここから本題です。まずは先発ローテーションの起用を振り返ります。青柳や西純の調子が上がらないこともあり、GW明けにローテーションを再編し、村上を中心に回す形になっています(図表3)。また、青柳が5月19日に先発して5回7失点で崩れた後、いったん2軍調整に回っています。
実質的にエースとしてローテーションの中心として活躍するのは村上です。GW明け以降、週明けの火曜日の先発を任されると、5月9日:7回103球→16日:5回96球→23日:6回100球→30日:8回112球と、今月も「100球超」を目安に月間3勝1敗で安定した投球を見せました。
また、左腕・大竹も月間3勝でチームの勝ち頭です。ローテーション再編後は土曜日の登板が定位置で、5月5日:7回98球→13日:6回96球→20日:7回99球→27日:7回90球と、こちらも先月と同様に「100球手前」を目安とした起用が続いています。
さらに、4月27日に復帰した伊藤将が月間1勝止まりも、5月4日:6回99球→11日:7回102球→18日:6回108球→25日:7 2/3回113球と、徐々に球数を増やしながら状態を上げてきています。本来は完投も狙える投手なので、6月はもう少し長い回を投げてくれることを期待しています。
一方、西勇は安定して100球以上を投げ、投球回を稼いでくれる投手でありますが、まだ本調子からは遠い印象です。いったん2軍調整行きの青柳とともに、復調が待たれます。
湯浅不在の間は岩崎を中心にフル稼働の救援陣
続いてブルペンの運用についてです。守護神・湯浅がコンディション不良で4月16日に降格して以降、5月26日の昇格までの間、救援陣の負担増が懸念されました。結果的には岩崎が代理守護神を務めたほか、加治屋や岩貞をはじめ、どの投手が出てきても大崩れすることなく、チームを支えました。
しかし、5月はGW明け以降、中止がなく6連戦が続き、また先発投手が完投することもなかったため、必然的に救援陣の出番は増えました(図表4-1,2)。3連投以上は岩貞が2回、加治屋(4連投)、浜地、岩崎(4連投)が各1回と、特に連勝中は勝ちパターンの投手に負担が集中してしまいました。
なかでも奮闘したのは岩崎です。5月は10登板で失点はゼロ、全試合でリードを守り切り、失敗なしの10セーブを記録しました。間違いなく5月の快進撃を支えた1人といえるでしょう。また、岩貞は月間試合数の半分以上の13登板で、シチュエーションを問わずフル稼働しました。2度の3連投もありましたが、持ち前のタフさでパフォーマンスを落とすことなく好投しました。
岩崎が最後に回った分、1枠勝ちパターンの頭数が減りましたが、そこは加治屋が見事に埋めました。5月は9登板で、イニング途中からの起用も多い中で、岩崎を休めるために最後を締めた試合もあり、3ホールド1セーブを記録。若手の浜地、及川もそれぞれ7登板で2ホールド、9登板で2勝1敗2ホールドと、与えられた場面で結果を残しました。
湯浅が5月26日に復帰登板すると、28日にはセーブを挙げ、守護神の座に戻ってきました。一方で、岩貞がアクシデントで6月4日に降格するなど、長いシーズン中、状態の浮き沈みはあるのは当然ですが、誰が出てきても大崩れしない救援陣は引き続き盤石でしょう。次の区切りとなる交流戦の終わりまでタイトな日程が続きますが、何とか乗り切ってもらいたいところです。