詩）ニャンコでしあわせ

江ノ電が少し夕日を浴びて　鎌倉高校を過ぎたあたりで　酒くさいモヒカンガリのお兄ちゃんがドカッと座ってる　隣に誰も座らないので　ドカっと座ってみる　あれ？いつのまにかオレ　ニャンコになってる 　お兄ちゃんがにやりと　こっちを見る　江ノ電の座席にモヒカンと並んでドカっと座ってみる「あら　かわいい！」お姉さんが小さな花の帽子をくれた　「ちょっとかわいい！」オレのことを女子高生たちが写メに撮り始めた　モヒカンとニャンコ　なんだろこれ　オレ　キョトンとしてた　
どこからか　bob Dylanが現れて　それも若い頃の　「風に吹かれて」をハーモニカ吹いて歌い始めた　「その答えは　今日も　風よ　教えてくれ　誰も知らないと言っている　その答えを」Dylanはオレを抱えて抱きしめて「人生は捨てたもんじゃないぜ」といった　オレ「ニャンコも捨てたもんじゃないぜ」って　にゃあ～と微笑み返した

ああ　瞳閉じてこのまま寝ちゃうと「全部夢でした」ってオチなんだろうな　案外人生なんてそんなもんさ　そう思いながら　モヒカンのお兄さんありがとう　この先はもう要らない　いまだけ　いまはニャンコでしあわせ　それだけでいい
そう思った今日