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詩)ジタバタしている

世界野球プレミアム12を見ている 満塁のチャンスで牧がバッター ここはチャンスやね!牧は恐ろしい男やきっと打つとか盛り上がっていると 母がこういうところでいっちょん打たん いつもダメや ストライクが入るとほうらやっぱダメやとけちょんけちょんに言う いやいやストライクだけだからまだわからないだろと言っても もうダメやほら見てみ もうダメや と言って譲らない と 牧はしぶとく泳ぎながらセンター前にヒット!二点タイムリー! 母はそれでも1点じゃダメやと言うので いやいや2点入ったよ二、三塁だつたから そうだった?とか言ってやっと認める とにかく辛口野球評論家の母はまずとりあえずダメだし それから やっぱりね と負の結果を見て言う 応援しているのか けなしてるのか紙一重なのだが ちゃんと見ているようで時間潰しのようでもあり 本当のファンだから見ているのではなく 自分が少し優位に立ってあれこれ言っていればそれでいいのかもそう思って母を見ると 母にしてみるとそんなことはどうでもよく 毎日ちゃんと生きて ちゃんと時間が過ぎていけばいい 滞りなく過ぎていけばいい 意味なんて求めてない そんなふうにあるように思えてきた きっと僕はそうなれないだろう いつまでたってもそんな境地に辿りつけず きっとなんだかわからないものを背負うだろうと思い もう少しジタバタしながら生きるのだけど やがて母みたいになるように もう少し肩の力を抜こかなと思います

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高細玄一(げん)
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します