詩)こうやって息をする
こうやって息をする それはスーパーのレジの前だったり 学校の校門の前だったり 予約したイタリアンのお店に入る直前のときめく瞬間だったり 銀行のATMの列だったり 地下鉄の臨時避難所だったり
誰だっていつかは永遠の闇の中に入る 全ての人が それは銃を突きつける側の兵士も 吹き飛ばされたマンションに住んでいた住人も 銃撃を受けた小児ガン病棟の子どもも 全てうまくいくとほくそ笑む独裁者も
こうやって息をしている それは 生きている証拠だ あなたは口笛がうまかったが昨日爆撃にやられてしまった あの子は五歳 今地下鉄の臨時避難所で息をしている 死にたくないと呟いて 息をしている 窒息しそうでも今息をしている あなたは今日遺書を書いた この今がどうなるか もうわからなくなり 伝えられることを残さなけらはと思った
あなたは息をしているか 息をしていることを自覚しているか はあはあとはあはあと
ぼくも息をしている いつか死ぬ時に納得できればいいと思う 静かに息を引き取れたら最高だ 爆弾でいつのまにか吹き飛ばされてたり 恐怖に怯えて彷徨いながら 死にたくはない
あなたはどうだろう
こうやって息をする
こうやって息をする
こうやって息が出来ない
息止まる
ウクライナ。
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