詩)一冊の古びた詩集から
一冊の詩集を古本屋で買った
河上肇詩集「旅人」昭和21年 興風館発行発行
初めて読んだ
「わが詩」
私の詩は
ひとに見せたなら
詩でも何でもなく
歌でもないと云ふだらう
げに私の詩は
なべて幼稚に
しらべは低く
言葉もいやし
だが私の詩は
私の産んだ子
いかにみにくくとも
私のためには最愛の詩
他人の詩は
美しくとも心を惹かず
ひとりわが詩のみ
味ひつくることなし
(昭和十九年八月六日作)
生とは何だろう
生活のために生きることがやはり主なのだが
河上肇は京都大学経済学部長でありながらコミュニストとなり5年の投獄
その河上の私の詩
それは
屈することのない
希求
かつて 老いることは醜くなることだと思った
40歳までに死にたい と思っていたこともあった。
最期には 自分の生と
まっすぐ向きあい
終着点をむかえたい
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します