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樹海で自分探しをしている30代が読んでいる「自己探究」系書籍(一部)

ストレングスファインダーで告げられる5つの強み。わたしの場合こうだ。

1.内省 2.原点思考 3.収集心 4.学習欲 5.個別化

つまりね。過去と自分ばかり見て、勉強ばかりしているってことです。あと自分は自分、人は人。って思ってるってことね。

人と交流する要素ゼロやないかい。ストレングスファインダーやるの人生で2回目なんですけど、2回ともそういう結果が出るわけですよ。開き直るしかないよね。

同僚たちはね、まあそもそも慶応大学のイベントサークルにいたような人たちですけどね、コミュニケーション系の資質がいっぱい入るんですよ。「アレンジ」とか「包含」とか。もしくは、上昇志向の資質。「最上志向」とか「達成欲」とか。

それに比べてわたしのこの根暗さよ。繰り返す。開き直るしかない。

そんなわたしはある日映画『アメイジング・スパイダーマン』を見て感動した。ラストシーンで教壇に立った教師が、ピーター・パーカーの心情を象徴するかのようにこういうのだ、

「全ての文学は、全ての物語は、たった一つの問いからできています。
 その問いとは、”Who Am I?”」

感激した。肯定されたと思った。

結局、自己探究なんじゃん。自分探しなんじゃん。我が意を得たり。

わたしは、「わたしの人生のテーマって結局、『自己とは何か』なのかも」と悦に入って盛り上がった。

自分は何者か、もそうだが、もう少しメタに、「そんなに人間がこだわる『自己』というコンセプトはなんなのか」という問い。

で、色々読み漁ったので、ものすごく適当に列挙したい。(前置き長ッ)

覚えてる順なので、最近読んだものから、時系列を遡る形で。感想はめんどくさくなかったら一言書くかもしれない。

1. insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

まず副題が胡散臭い。いやタイトルも胡散臭いか。が、すごくいい本だった。というのも、この内省好きのわたしに、「内省すんな、毒だから」と言ってくるから。「自己認識を深めよう」っていう本なのに。

内省好きであるっていうことはすなわち、「自己認識の正確さに自信がある」と言い換えてもいい。わたしは常に自己を矯めつ眇めつし、相対化し、あらゆる視点から自分を客観視し、自分という人物像について考えている。(なんとかわかってほしいけど、自分が好きなわけではなく、自分という素材に最も興味があるという感じなんですよね。)だから、この本でいうところの「自己認識ユニコーン」だという自信さえあった。

が、「内省しすぎんな」「あと日記書くな」「隠された自己とかいないよ」などなど、自己認識という主題が好きそうな人間がみんなやってそうなことを、鮮やかにクレバーに、ひっくり返していく。その辺が、この内省中毒のわたしには新鮮で、かつ耳が痛かった。ちょっと、自己認識に対する考え方が変わった。

あと、自己認識がない人が職場をクラッシュしているケースがいくつも出てきて、ウンウンなってしまった(自分がそうならないように自戒の念を込めつつ)。周囲の人間が取るべき対処法も多少紹介されるが、結局、接ぎ木の対処でしかなくって、本人が自己認識を持つしかないんだなあ、など。

2.自意識と創り出す思考

これも胡散臭いし、書店では手に取らなそう。売れてる本コーナーに平積みされてたら「大衆の自己啓発好きが」とかって毒づきながら遠回りすると思う。でもKindleで買ったし読んだ。Amazonのレコメンドとか書評に弱い一般大衆です。

で、これが良かった。この内省クソ野郎のわたしが、「自己とは何か」とかって眉根を寄せて粋がっているわたしが、帯にあるようにSM嬢に「自分が何者かなんて関係ないのよボケがあっっっ!!」と鞭を振るわれて「お嬢様ああ〜〜っその通りでござんすうううう」と泣いて喜びながら読んだ。わたしにとってはSM本。

文章が、シンプルなことを繰り返し説いているために稚拙に感じられるが(翻訳が要因なのかも?わかりません)、でもシンプルなことがすごくよく伝わってくる。

いつまでも「自分は何者か」とか言ってねえで、成し遂げたいこと、起こしたい変化が何で、そのために何が足りないか考えて生きろ。ボケ。と言ってます。

おっしゃる通り。でもまあわたしは樹海に出かけます自分探しに。

3. じぶん・この不思議な存在

これは積ん読。読んでから紹介しろよ。まあいいでしょう、わたし、鷲田先生が大好きなんですよ〜〜〜〜

4. 聴くことの力

というわけで鷲田先生の名高い名著を。新しいものから順に紹介するとか言っておいてこれ、読んだの大学生の時です。一生で一番好きだった男の人にもらいました。この本をくれたことでもっと好きになりました。その人はこの間、九州の隅の方で、地元の女性と結婚したそうです。Twitterで検索して知りました。

まあそんなわけで、鷲田先生は本当に素晴らしいです。

相手の話を、相手そのものを「聴く」ということにとって自分の存在が立ち現れてくる。という箇所で震えがきたのを覚えていますよ。哲学って素晴らしいですよね。この本読んで、メルロ=ポンティを読むぞと意気込んだけど、意気込みだけでした。

5. 世界のエリートがやっている最高の休息法

もうこれに至ってはタイトル、嫌いだよね。なんか、「自己とは」系の本って、どうしてもタイトルがねえ〜〜。

でもこれはいい本です。普通に。マインドフルネスの入門書としてはかなりいい。

マインドフルネスの方法論と、脳科学的な根拠や研究の背景を、「ヨーダ」というあだ名の研究者と、「ナツ」という院生の生活や会話を通してうまく語らせる。ナツが経験する「自己発見」も非常にいいストーリーだった。普通に、職場にいるモンスター全員に読んでほしいって願うと思う。人に対して攻撃的になるのは、自分が怯えている時だよ。ということを、優しく教えてくれる本。そして、きちんとした脳科学の入門書でもある。(と、わたしは思うけど脳科学なんて素人もいいとこなんで、笑い草かもね)

だけど、今検索したら、CDまで出ててそれはやりすぎ感w

6. サーチ・インサイド・ユアセルフ

ま、マインドフルネスの話をしたからには一応この本にも。とってもいい本でした。マインドフルネスがわかりやすく、かつ網羅的に、そして実践的に書かれてます。

7.わたしはどこにあるのか ガザニガ脳科学講義

で、マインドフルネスからわたしの興味は脳科学へ。マインドフルネスより、個人的には自分の身体的に根付いているヨガの瞑想の方が好きで(まあそんなに大きな違いはないんだけど)、手法としてのマインドフルネスを掘り下げるより、なぜ今そのマインドフルネスがもてはやされているのか?を解明したくて脳科学へ。

で、脳科学好きの友人に聞いて真っ先に推薦されたのがこの本だったのだが、なぜかわたしには最初とっつきづらくて、先に下記の本を読んだ。今思えばガザニガの方が入門者には向いてるよね。

8.意識をめぐる冒険

これは非常に刺激的だった。このクリストフ・コッホという人の人生の軌跡に重ねるようにして、「意識」という非物質的な概念と、「脳」という物質の間に横たわる謎を解明していこうとする冒険が描かれる。読むのに時間がかかったけど、本当に読んで良かった。あと、この人の場合「僕はこう思う」みたいな一節がいくつかあって、それが好きだった。科学者として、今の知識ではどこまでいってもわからないけれど、「僕としてはこうじゃないかと思う」みたいな。普通にこの人のことを、好きだな、と思いつつ読んだ。筆者を好きになれるって、本を読み切る上ですごく大切な要素ですよね。その点、7のガザニガは個人的に、大教室で授業やってる教授って感じがしたかなあ。

一旦ここで切り上げます。他にもあったかなー。ちょっと書棚をひっくり返すか。

また気が向いたらやります。誰も待ってない。はい。

あ、最初に引用したのにこれ入れんの忘れた。

9. さあ、才能(じぶん)に目覚めよう

発売当初は勝間和代が帯を書いていて会社で買わされなければ買うことはなかったであろう。が、資質の説明だけでも単純に面白すぎるのと、好きで得意なことをやりなさいっていう事例にマット・デイモンとベン・アフレックが出てきてて「まあベン・アフレック、アル中で大変やけどな」と思って面白かったのと、あと自分の強みが出るのが面白いので、いい本です。

けどこれもタイトルがな。才能と書いて「じぶん」と読ませるあたり、怖気を振るうわ。ほんまに。まあでも買いましたよ社命なんでねで結果的にいい本ですよ。やっぱ翻訳があかんのちゃうの。

というような形で墓場で自分探しをしているマガジンです。

Photo : 
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』ゴーギャン

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33歳、新卒入社11年目にして、終わらない「自分探し」をする皮肉屋の冷笑家です。自嘲気味ながらも、墓場に自分を探しに行く、そのグダグダな軌…

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