7インチ盤専門店雑記410「ジャケットも楽しみたい」
クラッシュの「ロンドン・コーリング」がエルヴィス・プレスリーの「ブルー・スエード・シューズ」へのオマージュ・ジャケットだというのは有名なところだと思うのですが、他にはジョー・ジャクソンのソニー・ロリンズへのオマージュも有名ですよね。
この手のオマージュ・ジャケットを集めて展示すると面白いかなと思ったりもするのですが、ウェブで観ることもできますからねぇ…。でも最近はサブスクだ配信だということで、ジャケット・デザインの魅力みたいなものが減じている事実があるわけで、レコード好きとしては、こういう面白さもあるんだよということは発信したいものです。
これはデラニー&ボニーのベスト盤のジャケットですが、どうしても思い出すジャケットがあるんです。 ↓ コレなんですけどね。
ロバート・ジョンソンの「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ VOL.II」なんですが、イラストのタッチが似てませんか?あまり賛同が得られていないんですけどね。どうせなら、もう少しフレームとかタイポグラフィとかのディーテールを似せて、はっきりオマージュだと示した方がよかったのではとも思うのですが、中途半端だとただの真似っこになってしまう気もします。オマージュと真似っこの境界線ってどの辺で引けるんでしょうね?
先日、某常連さん2人組が遊びにきてくれまして、毎度面白いものを持参され、ウチのスピーカーで大音量で鳴らしてお楽しみいただいております。今回は「こわれもの」のMoFi盤を聴き比べたりしたわけですが、これは流石に楽しかったですね。でもMoFi盤はジャケットがねぇ…。
その彼が「ロジャー・ディーンの画集を買おうかと思って…」ということを言うので、「古いけどあることはある」とお見せしたこのが ↓ コレ「Dragon's Dream」でした。
この画集、前書きをシド・ミードとリック・ウェイクマンが書いているので、それだけでも付加価値が大きいようにも思います。しかも海外のこういった画集の紙質が好きでしてね。これはなかなかいいですよ。
ついでにご紹介しますと、「Album Cover Album」というものもおススメです。なんせヒプノシスのストーム・トーガソンとロジャー・ディーンが共同編集しております。こちらの前書きはピーター・ガブリエル、ストーム・トーガソン、ジョン・ウェットンの3人です。
ヒプノシスのジャケット・デザイン集もあります。結構面白いです。ずいぶん勉強させていただきました。
ジャズはブルーノートが圧倒的に面白いと思いますが、こういう百科辞典みたいなのがありまして、これは紙質も含め、まあまあですかね。
斯様に私はレコードを音源として楽しむ以上に、パッケージ・メディアとして楽しみたいわけですよ。絶対にその方が楽しさが増しますって。ジャケ買いもありでしょう。中身が気に入らなくても、ジャケが好きなら無駄じゃないですよ。…ジャケ買い、最近やってませんけどね。「ウェブでポチッと…」じゃあジャケ買いもあったものじゃないというか、中身を知らずに買うのとは別物ですね。ほとんどの場合、中身は聴けてしまうわけですから。…いい時代、…いや、つまらん時代かもしれませんね。
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