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7インチ盤専門店雑記746「Funk #50」

ウルフマン・ジャックの声を聴くと、やはり聴きたくなる曲があります。ジョー・ウォルシュの「The Radio Song」です。

ジョー・ウォルシュは昔から好きでして、全ギタリストの中でも五指に入る程度には聴いてきていると思います。どうしてもイーグルスのギタリストという捉え方が主流で、そこはあまり嬉しくなかったりします。イーグルスも嫌いではありませんから別にいいんですけど、彼の本質はそこではないと思うので、ちょいと残念なんですよね。

これってファースト・コンタクトがどの曲かという部分で大きく印象が異なるからなんでしょうけどね。イーグルスで彼を知った方が多いということなんですかねぇ…。自分の場合はソロの「ロッキー・マウンテン・ウェイ」が最初で、そこからジェームス・ギャングに遡った後にイーグルスなので、恐らくイーグルスで知った人とは違いますよねぇ…。ということは世代で捉え方が違うということでもありますかね。

ジェームス・ギャング時代のヒット曲に「Funk #49」があります。1970年の「James Gang Rides Again」収録です。ジョー・ウォルシュらしい骨太な音のギター・カッティングが気持ち良い曲です。ジョー・ウォルシュを掘り下げ始めた頃、ファースト・アルバム「Yer' Album」に「Funk #48」という曲があることが気になりまして、どうしても聴きたくなって、アルバムを必死に探しました。こういう苦労して入手したアルバムはやはり思い入れが強く、しかも「Funk #48」がいかにも「Funk #49」に繋がる曲にしか聴こえない佳曲で、そういった部分も含めて大好きになってしまいました。

それから約42年後、ジョー・ウォルシュのソロ名義ですが、大名盤「Analog Man」がリリースされます。これ、もうむっちゃくちゃ大好きなアルバムです。タイトル・チューンのインパクトもさることながら、その開き直り的ないかにもジョー・ウォルシュ的なアルバムの佇まいが嬉しかったですね。そしてこのアルバムに「Funk #50」が収録されております。これがまたいかにも「Funk #50」なんですよ。

何十年経ってもこういった継続的なコンセプトを持っているという例は意外に少なくて、実はジョー・ウォルシュの1992年のアルバム「Songs For A Dying Planet」には「Theme From Baroque Weirdos」という曲が収録されております。これ、分かる人には分かる「Theme From Boat Weirdos」の続きですよね。1978年のアルバム「ロスからの蒼い風 But Seriously, Folks…」に収録されている「この人生に賭けて Life's Been Good」の直前に収録されている小品です。

ただこの曲に関しては、ジョー・ウォルシュのバックでよくドラムスを叩いているマルチ・インストルメンタリスト、ジョー・ヴァイテール Joe Vitaleの81年のアルバム「Plantation Harbor」に「Theme From Cabin Weirdos」という曲が収録されており、彼を軸に考えないといけないようです。何でか、こういうのが気になっていけないんですけど…。Boat Weirdosはバンド全員+プロデューサーのビル・シムジクの共作、Cabin Weirdosはジョー・ヴァイテール作、そしてBaroque Weirdosはジョー・ヴァイテール+ビル・シムジク作となっております。…誰が遊んでいるんですかね。



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