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7インチ盤専門店雑記368「Lizard People」

フリートウッド・マックは歴史が長いので、語り始めるとキリがないバンドです。商業的に大成功をおさめた1970年代後半も素晴らしくポップでクオリティの高いアルバムを連発しましたが、それ以外の時期も滅茶苦茶面白くて、もう同じバンドと考えない方が理解はし易いのですが、妙なところで線が繋がっているので、話がややこしくなるんですけどね。

ヘッダー写真の盤は1990年のアルバム「ビハインド・ザ・マスク」からのシングルカット第2弾「イン・ザ・バック・オブ・マイ・マインド」のドイツ盤7インチ・シングルです。…90年ですから西ドイツ盤ではなくてドイツ盤ですね。混乱していたでしょうに。当然ながら、文句無しにいい音で鳴りますよ。

今回取り上げたいのはこの盤のB面、「Lizard People」の方です。何はともあれ、アルバム未収録曲です。それだけでも価値はあります。どういった値札を付けるか苦労する盤ですね。如何せん、1990年です。もうアナログで聴くことが難しい時期です。どうしてこんなものが流通しているんだか。まあ、他に見たことないので、たまたま手に入ってしまっただけかも知れませんが、レコードはホントに一期一会です。見つけた時に買わないと後悔します。

私がこれを入手したとき、何がビックリって、この曲の作者です。ミック・フリートウッドとピーター・バーデンスの共作となっているではありませんか。1990年にピーター・バーデンスの名前がフリードウッド・マックのレコードに登場したわけですよ…。もう本当に遠い目になってしまいました。

ピーター・バーデンス、キャメルを立ち上げたあのキーボーダーです。中堅グループとして、一定の人気はありますな。私も一応可能な限りLPは買い集めました。メロディアスなプログレとでも言うんですかね。あのキャメルのピーター・バーデンスですよ…。

キャメルを結成するもっともっと前、ショットガン・エクスプレスというバンドにもおりましてね。そこにいたのはピーター・グリーン、ミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィ、そしてロッド・スチュワートといったメンツですよ。短命バンドであったことはまあ納得もしますが、ごそっとジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズに移籍して消滅してしまうわけですが、ロッド君はジェフ・ベック・グループですね。まあこの辺の人脈というわけですが、1960年代中頃の話です。24年ほどですか、それなりの時間が経って、ミック・フリートウッドと曲を作りますか…。人間関係は繋がっていたんですかね?英国のロック・ミュージシャンたちって、ホントにくっついたり、離れたり、仲がいいんだか、悪いんだか…。

ちなみに、「Lizard People」、ヘンな曲ですけど、実は結構好きだったりします。スポークン・ワーズとクレジットされていますが、ヴォーカルというのか声はミック・フリートウッドです。何だかヘンなジャケットが多い、昔のフリートウッド・マックを思い出させる、実にヘンな曲です。ミック・フリートウッドって今は紳士然としていて、落ち着いたお爺ちゃんになってますけど、絶対ヘンなところがあると思うんですけどね。クセのある人間だと思いますよ。だから魅力的なのかもしれませんけど…。


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