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7インチ盤専門店雑記531「WAR」
70年代に大ヒットを連発したファンク・バンドのWARは大好きでした。母親が買ってきた「世界はゲットーだ!」のLPが自宅にありましたからレコードを買い集めたりという対象にはなり得なかったのですが、それでもエア・チェックしたテープなどで、ほぼほぼフォローしておりました。
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そんな事情もありまして、WARはシングル盤で聴くべき、心底好きなアーティストの部類です。でも、長尺曲も多いので、実はLPも買い集めたりしました。意外なほど手に入らないものとそうでないものの差がありまして、いずれのアルバムも結構売れているのですが、中古盤市場に出回っている玉数はピンキリのようです。一部のアルバムは非常に大事にしておりますよ。本当に貴重盤ですから。
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↑ この辺のシングルは随分苦労して入手しました。ヒットチャートで売れていたはずなのに、レコード屋で見たことがなく、CDに切り替わった後にお安く入手しましたが、正直なところ「どこから出て来たんだ」と思いましたね。…「あったんだ」と言った方が正しいかも。「シスコ・キッド」の来日記念盤スリーブの7インチだけはやたらと目にするんですけどね…。
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如何せん「世界はゲットーだ!」から聴き始めております。大分後になって、「エリック・バードンのバックバンドだろ」とか言われてもピンと来なかったのですが、エリック・バードンのバンド、ジ・アニマルズといえば「朝日のあたる家」、なかなかWARとイメージ的に結びつきませんでした。シングル盤なんぞ買い集めるようになって、十分に理解しましたけどね。
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この辺の音源、音楽的にどうのというはなしは置いといても、WARを世に知らしめた功績は特大ですね。「Spill The Wine」はもちろん嫌いではありません。好きな曲です。…でもこれをブラック・ミュージックのイベントでご紹介してもいいでしょうかね?…ご紹介すべきでしょうね。フロントマン、エリック・バードンは白人かもしれませんが、後々のWARというグループの立ち位置が、アフロ・アメリカンやヒスパニックも含めたマルチ・カルチャー/ミックスド・カルチャーの代弁者的な凄いことになって行きますからね。どういったかたちで世に出てきたかも含め語らないといけないでしょう。極めて重要なアイテムです。
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チーチ&チョンの「スモーキング作戦 Up In Smoke」は公開時に劇場で観ておりますが、このサントラにもフィーチャーされているWARの「ロウ・ライダー Low Rider」は、シャコタンとかのクルマ改造カルチャーだけにとどまらず、アメリカにおけるマイノリティの生きづらさみたいなものも代弁しています。チーチ&チョンはそういったことも含めて、一切合切を笑い飛ばしてしまう図太さがゾクゾクするほど楽しいです。英語圏ではないから日本では人気がないというのも事実でしょうが、英語が完全に分からないマイノリティだからこそ「スモーキング作戦」は必見です。…めちゃくちゃお下劣ですけどね。
また話がそれましたが、WARが70年代を代表するファンク・バンドであることは間違いないですし、ハーモニカのリー・オスカーがソロではまた全然違った音楽スタイルでヒットしますし、日本では特に人気だったりしますから、実に奥が深いと申しましょうか、イベントで取り上げたらしゃべくりまくってキリがなくなりそうですから、さらっと触れるだけにしておきたいですね。…そんなこと、無理ですけどね。