7インチ盤専門店雑記587「Charlie Chanちがい」
1953年5月15日に、カナダのトロントにあるマッセイ・ホールで録音された「Jazz At Massey Hall」、何はともあれ大名盤ということでよろしいかと思います。チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、チャールズ・ミンガス、バド・パウエル、マックス・ローチというメンツですから、まあ歴史的に見ても貴重でしょう。一度聴くと「ソルト・ピーナッツ」が耳から離れなくなり、脳内再生を繰り返し、「もう一回聴いてみるか」と毎度なります。実に危険極まりないアルバムです。
契約の関係でジャケットではチャーリー・パーカーがチャーリー・チャンと表記されております。奥さんの苗字でしたっけね。このチャーリー・チャンがですね、またクセモノなんですよ。グーグルで検索しますと、「1925年にアール・デア・ビガーズの推理小説シリーズで創られた架空の刑事。ハワイのホノルル警察に勤める中国系アメリカ人…」などという解説が出てきます。映画化もされた戦前の人気シリーズのようですね。
まあ実は現代にもチャーリー・チャンさんがおりまして、「超級護衛 スーパー・ボディガード」とか「燃えよ!じじいドラゴン 竜虎激闘」などというアクション映画に出演していらっしゃる方のようです。まあ、こちらはおいといて…。戦前のチャーリー・チャンさん、ワーナー・オーランドというスウェーデン系アメリカ人の俳優さんが演じておりました。
実はひょんなことから、「Charlie Chan」の名前を目にしまして、お店で調理中にスクリーンに映し出されていたもので、気になってしょうがなかったので、どこのシーンかを探しておりました。お店のスクリーンには、普段は街歩きの動画や車載カメラの動画などが流れておりますが、スタッフさんが古い動画を見つけて流していたもののようです。…そして随分時間がかかりましたが、つきとめました。まあチャーリー・パーカーの方ではなかったので、「なーんだ」で終わらせてよかったのですが、やはり気になりまして、せっかくですから書き残しておこうということです。
そもそも、「これかも」という動画はYouTubeに載っております「New York in the mid 1930’s in color!」というものでした。1930年代のニュー・ヨーク観光の記録動画でしょうか。この当時カラーというのは、相当お金持ちのお上りさんが録ったということなのでしょうか。海から、川から、空から、車上から、ニュー・ヨークのさまざまなものを記録しております。私の場合、街中を走るクルマが目的でこういった動画を観るのですが、この動画はなかなか興味深いものが沢山映っております。
やはり素人さんか、メトロポリタン美術館の看板などを長々と映していたり、やたらと超高層ビルを映していたり、ある意味微笑ましくもあります。男性はソフト帽にロングコートでオシャレですし、女性も「華麗なるギャツビー」か「スティング」かといった様相でなかなか素敵な時代の空気感が漂っております。
その中の夜遊びのシーンとでも申しましょうか、夜景になってグッと画質も落ちるのですが、そういったことも時代を感じさせるわけです。その中のワンシーンでして、上記動画の23分40秒あたりから、このサインボードが映るわけです。ワーナー・オーランドの名前も見えます。この方、映画にも出演しておりますが、ブロードウェイのショーにも出演していた記録がありますから、ショーの方でしょうかね。1939年には亡くっておりますから、mid1930'sという時代も符合というわけです。…クリスマス・シーズンの始まりの頃ですかね。
まあ、ジャズ関連とも言えない、どうでもいいことですが、個人的にはこういった古い動画が大好きで、しかも勘違いではありましたが、こういったことからいろいろ情報にあたって、「ソルト・ピーナッツ」がまた耳からはなれなくなって、などということを楽しんでおりましたというわけです。
スミマセン、雑記も雑記、どうでもいい記事でした。