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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 日曜日は

カフェ・オーナーのルーティンなんて店によってまちまちでしょうが、創業支援セミナーの講師もやったりする自分の場合、「ある程度定型化できることが望ましい」と言う手前、驚かれるほどしっかりルーティンが固まっております。立ち上げ時に手伝ってもらった飲食店コンサルの先生とそのお仲間の指導がよかったと思うことはしばしばで、感謝しております。やはり役所勤めと飲食店経営はまるで違いますから、ルーティンの組み方も違います。以前は前職の時に使っていた「To Do List」なども使っていたのですが、結局使い勝手が悪く、HACCPなども考慮に入れた独自のものを組み立てる羽目になりました。…当然ですね。

どうしても毎日やらなければいけないことを最少にする工夫というのは案外大事かもしれません。突然の用事が舞い込んだときにつんでしまうのは嫌ですからね。ウチだと、仕込み系だとサニーレタスのカットは毎日ですが、あとは朝の立ち上げの中でできるようになっています。その分、オペレーションも柔軟ですけどね。仕込み系は週単位のものが多いですね。週に1回2回といったペースで仕込むという意味です。お酢を煮てピクルスを作るのも、だいたい週に1回で済むように量を調整してきました。これが案外難しいんですけどね。1回の仕込み量を最初は少なかったものを、どんどん多くしてきました。先日レシピシートを久々に見たら、「こんなのやってたねぇ」などという懐かしいものもあったかたわら、今でも同様に提供しているものはみんな当初の3倍量で仕込むようになっているんです。選択と集中…ですね。

ウチのランチは4~5種類ですが、下手をするとカレーが3種類あるときもあったり、冬はシチューをやってみたり、夏向きのお料理をやってみたり、結構気まぐれです。タコライスは夏向きとしてやっておりましたが、人気が定着し、ここ数年冬も止められなくなってしまい、見事レギュラー入りを果たしました。諸般の事情から、人気メニューをどんどん切り捨ててきていることもあって、実は20種以上のメニューを持っていながらの4~5種類なんだということは、開店当初からのお客様しか知らないことですね。竜田揚げやハンバーグやロコモコ丼などという超人気メニューも切り捨ててきましたからね。…だからこそ、8年以上経った今も続けられているということでもあります。

会社の会計処理などは、月単位、年単位のルーティンだったりしますが、ウチの特殊事情として、最近は3週間に一度程度のラジオの収録というものがありまして、これがなかなか他のルーティンと馴染みが悪く、早め早めに準備するようにしないと厳しいことになったりします。収録日にどうしても仕込まなければいけないようなことになるとタイヘンなんだという程度ですけどね。どうしても収録前の日曜日などは、2~3日先までを見越して仕込みの作業をやることになります。定休日とはいえ、どのみち毎週何らかの作業はやっている状況ですから、ちょっと作業量が増える程度ではありますが、案外気を遣います。

明日の収録では、イーグルスの周辺人脈の回やカントリーロックの回などを予定しておりますが、この辺は非常に好きな辺りですから、取捨選択が大変なことになっております。いくつもかけたい曲があるアーティストを後回しにして、個別に特集するか、カントリーロックの2回目3回目を企画するかといったところです。オザーク・マウンテン・デアデヴィルスとエミル―・ハリスが後回しになった代表ですが、どちらも特集するには日本で人気なさそうだし、かといって2~3曲で済ませるのも惜しいと思うわけで、困っているわけなんですよ。こういう悩みを抱えつつ、BGMで流しながら、頭の中では番組構成を練りながら、アマトリチャーナだのカレーだのの仕込みをするのは、案外に楽しいひと時です。…むしろ至福の時と言ってもいいのかもしれません。付き合わさせられるカミサンには申し訳ないなと思いつつ、限られた時間の有効活用ということで、ご理解いただいております。…聴いてないかな。

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