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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 065:2022年に入手したレコード:7インチ盤編
さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第65回(2022年12月23日(金)20時~
(再放送:12月25日(日)19時~)
清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。
今週のお題は「2022年に入手したレコード:7インチ盤編」です。今更に入手するのはよほどのレア盤かマイナーなアーティストのもの、それからジャズなどの普通に中古盤店ではあまり売られていないようなものが中心となります。前回までやっていた時代を象徴するようなベタな選曲の対極に位置するような曲ばかりかと申しておりますです。
1曲目
「She Makes Me (Feel Alright)」Journey (1976)
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スティーヴ・ペリー加入前、初期3枚のアルバムは、評価は高いもののあまり売れておりません。そこからシングル・カットされた7インチ盤は結構レアです。ご紹介するのは日本国内デビュー・シングル(米国では3枚目)です。ジャーニーは、カルロス・サンタナが率いるサンタナから独立したギターのニール・ショーンとキーボード兼ヴォーカルのグレッグ・ローリーが作ったバンドです。初期のヴォーカルはグレッグ・ローリーになります。あの大名曲「ブラック・マジック・ウーマン」などを歌った人です。
2曲目
「Waiting For The Night」Vandenberg (1984)
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ヴァンデンバーグはオランダのヘヴィメタ・バンドですが、3枚ほどアルバムをリリースしたところで、ギターのエイドリアン・ヴァンデンバーグがホワイトスネイクに加入して消滅してしまうバンドです。いかにもな80sヘヴィメタルですが、テクニックは相当です。
3曲目
「I’ve Got The Music In Me」The Kiki Dee Band (1974)
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キキ・ディーはエルトン・ジョンとデュエットした全米ナンバー・ワン・ヒット「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」が有名ですが、1974年ごろ、全盛期とも言えるエルトンのツアーのフロント・アクトを務めていたのも彼女です。キキ・ディー・バンドの正体は英国のプログレッシヴなこともやるトラッド・フォーク・バンドのトゥリーズという連中でして、この曲もトゥリーズのバイアス・ボシェルというギタリストが書いた曲です。トゥリーズはヒプノシスがデザインした「オン・ザ・ショア」というアルバムが有名な連中です。ハートによるカヴァーもおススメです。
4曲目
「Brother, Brother」Carole King (1972)
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グラミー賞受賞記念的にリリースされたシングルで、英米ではシングル・カットされておりません。アイズレー・ブラザーズもカヴァーしている曲ですが、黒人さんのニュー・ソウルと白人のシンガーソングライターが書く内省的な歌詞が、この時期いい感じで呼応していたと申しております。邦題の「私のお兄さん」はちょいと誤訳レベルですけどねということです。
5曲目
「The Ballad Of Bonnie And Clyde」Georgie Fame (1968)
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ジョージ―・フェイムは英国のB3使いの代表です。ヴァン・モリソンのバックやビル・ワイマンのリズム・キングスでもいい演奏を聴かせております。英国内でナンバー・ワン・ヒットが3つあり、1964年の「イエ・イエ」は前の週まで5週連続1位だったビートルズの『アイ・フィール・ファイン』を引きずり下ろした曲、1966年の「ゲッタウェイ」は前の週1位だったキンクス『サニー・アフタヌーン』を下し、1967年の「ボニーとクライドのバラード The Ballad of Bonnie and Clyde」は前の週まで7週連続1位だったビートルズの『ハロー・グッドバイ』を下した曲ということです。67年公開の映画「俺たちに明日はない」のボニーとクライドですが、もう説明不要という時代ではなくなりましたか。
6曲目
「Giant Steps」John Coltrane (1960)
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今年入手したジャズの7インチ盤の代表はコルトレーンです。インパルス時代は苦手で、アトランティックの4枚が好きと申しております。
7曲目
「Love Of Mine」Stuff (1976)
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スタッフのセカンド・アルバム「モア・スタッフ」のジャケット・デザインが大好きということで、そのミニチュア的な7インチ盤を持ち込みました。
8曲目
「若者のすべて」フジファブリック (2009)
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今年の邦楽代表は、唯一の新品です。レコードの日記念リリースの一枚です。
9曲目
「This Is England」The Clash (1985)
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今年はやたらとパンクを多く聴いていたということで、パンクの大御所ザ・クラッシュの最終シングルです。妙にポップですが、歌詞はバリバリ政府の批判でしてパンキッシュなものです。これをパンクと言うべきなのかという疑問もありますが、結局のところ、そういった熱量の高い音楽であればいいわけで、音楽スタイルではないと申しております。
10曲目
「Judy Teen」Cockney Rebel (1972)
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こちらもジャンル分けに関する疑問から取り上げるということで、ギタリストのいないグラムロック・バンド、コックニー・レベルです。
11曲目
「Harem Scarem」Focus (1974)
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音圧高めで聴きたいフォーカスは、「悪魔の呪文 フォーカス・ポッカス」の大ヒットが出たあとの次のアルバム「ハンバーガー・コンチェルト」をからのシングル・カットです。
12曲目
「Black Velvet」Alanna Myles (1989)
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ラストは、今更に7インチ盤で聴くことに拘る理由の一つとして音質の良さ、音圧の高さというものを挙げ、1980年代終盤、アナログ技術の絶頂期にリリースされた曲は、なかなかに入手困難ということで、1989年リリースの盤代表、グラミーも受賞しているヒット曲です。
次回は2022年に入手したレコード:LP編です。お楽しみに。
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