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7インチ盤専門店雑記859「Tony Banks & Fish」

ジェネシスのキーボーダー、トニー・バンクスが1986年にリリースした「Soundtracks」です。トニー・バンクスが手掛けたサウンドトラックといえば1983年の「The Wicked Lady」かと思いますが、ここに収録されているのは、「Quicksilver」と「Lorca And The Outlaws」という2本の映画に提供された楽曲を集めています。「The Wicked Lady」の収録曲は入っておりません。

目を引くのがフィーチャリング・アーティストでして、マリリオンのフィッシュとスコットランドのシンガー・ソングライター、ジム・ダイアモンド、そしてあのロバート・フリップ翁の奥方トーヤさんですね。何だか凄く面白い人脈だとは思います。

ここからシングル・カットされた「Short Cut To Somewhere」という曲の12インチがありまして、2mあると言われる巨大な詩人フィッシュがニコニコ顔で写っております。この曲はフィッシュとの共作でフィッシュがヴォーカルです。お互い相手方のバンドのTシャツを着ているあたりはもうカワイイなとすら思ってしまいますが、カネのかかってないデザインではあります。

この12インチの嬉しいところはSide2に「Smilin’ Jack Casey」と「K2」という2曲が収録されていることでしょうか。「Smilin'~」は「Quicksilver」提供曲ですが、「K2」は未発表曲ということになっております。

ただこの曲は1983年のアルバム「The Fugitive」のアウトテイクでして、CD化の際にボーナス・トラックとして追加収録された曲なんです。実は私、この曲が結構好きでして、アナログで聴けないことに不満を持っていたのですが、この盤のおかげで解決しました。ミドルテンポの何ということないバラードなんですが、クセのあるヴォーカルがいいんです。

トニー・バンクスのソロをしっかり集めている好き者はあまり多くないかもしれませんが、一応クラシックものも含め、しっかり集めております。アナログ・リリースが確認できていない盤もあるのですが、例えば2015年の「5」はアナログで入手できました。こういう盤は扱いが難しくっていけません。

フィル・コリンズが脱退したあとの最後のアルバム「Calling All Stations」はレイ・ウィルソンではなくて、フィッシュではダメだったんですかねぇ…。彼が加入していれば、もう少しアルバムが作れたんじゃないかなとか考えてしまいます。

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