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清澄白河カフェのキッチンから見る風景
清澄白河、住所では江東区平野1丁目にあるカフェめし屋GINGER.TOKYOのオーナー高山です。ショップ・イン・ショップでアナログ・レコードの7インチ盤専門店「45rpm.tokyo」も運営しています。常設版一箱古本市「下町文庫」などというものも主宰しており、古本屋的なこともやっております。本来なら創業支援セミナーの講師やビジネス・コンサルタントもやるのですが、お店が忙しくてこちらはお休みしている状況です。趣味としては、2002年から音楽エッセイ「下町音楽夜話」を下町探偵団のサイトに寄稿していましたが666話で終了し、現在は「続・下町音楽夜話」をオリジナル・ドメインの「ongakuyawa.com」で公開しています。いろいろやり過ぎの器用貧乏といったところでしょうか。(後記:現在はこちらも終了しました)
清澄白河といえばコーヒーのまちと言われるほど個人経営のカフェが多く、またそのカフェを巡る目的で町歩きをしている人々で賑わっていますが、GINGER.TOKYOはカフェと言ってもカフェめし屋でして、ご近所さんや近隣のビジネス・パーソンのクイック・ランチを賄っている店です。美味しいコーヒーが飲みたきゃよそ行ってくれと言うほどに、コーヒーには重きを置いてない店です。それでもこの町で不味いコーヒーをお出しするわけにはいかず、月島のLIVE COFFEEという70年以上も続いている老舗のシティ・ローストを分けていただいて、ハンド・ドリップ・コーヒーをお出ししてはいます。バリバリ昭和テイストの深煎り豆は程よい苦みが心地よい喉ごしで、酸味は全くありません。昨今流行りのサード・ウェーヴ系とは対極にある一杯です。
清澄通りに面した小さなビルの2階に位置しますが、入口がわきにあることから非常に見つけにくいということで、いつの間にか隠れ家カフェというジャンルに入れられてしまいました。細い階段をあがり2階のガラス扉を開けると、大抵は結構なボリュームで鳴る音楽が耳に入ってくることでしょう。右手奥にはキッチンとゆったりとしたレイアウトで14席ほどの音楽好き向けのスペースがあります。突き当りの壁の前にはスクリーンがあり、その手前に大ぶりのJBL S-143が2本、大抵は古いロックやポップスが豊かな低音とともに弾き出されています。スピーカー周辺には売り物の7インチ盤が所狭しと並べられ、独特の空間を形成しています。
一方入口から左手は本好きさん向けのブックカフェ的なスペースになっています。9軒の古本屋が同居する「下町文庫」と、オーナー厳選のと言えば聞こえがいいですが、オーナーが読み散らかした実に雑多な本が、カウンターの上からわきのスペースにかけて置かれています。読書好きのお客様にはこのカウンター両脇のお席が好評で、週末などは朝一から数時間を過ごされる方もいらっしゃいます。このスペースはフジテレビの「タイプライターズ」という、物書きさんによる物書きさんのための番組で紹介されたこともあり、MCの加藤シゲアキさんのファンの皆様には大変愛されているスペースでもあります。
還暦過ぎのオーナーを支えるスタッフがまたくせ者だったりします。6人のうち4人は声優・俳優・ナレーターの先輩後輩連中、1人は物書き兼イラストレーター、そして残る1人が2児の母とはいえ元ファッション業界の方で最もオシャレだったりします。声優という職業は口から生まれてきたような人々がやるもので、カフェのスタッフとしては少々ウルサイ傾向にありますが、この辺は目を瞑ってやってください。
店の中には、オーナー所有のアナログ・レコード約2000枚がBGM用として置かれており、夜はヴァイナル・カフェに様変わりします。販売用の7インチ盤も4000枚ほどあり、音楽談義の友として活躍しています。また定期的に開催される音楽のトーク・イベントは、猛烈な音楽好きが集う場として店のアイデンティティを確立する一助にもなっています。
2015年2月にオープンして、今年で5周年を迎えたわけですが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う国の緊急事態宣言及び東京都の自粛要請を受け、現在は休業中です。自粛中にせっかく時間があるならnoteでも始めるかということになり、これを書いております。さて徒然なるままに書きなぐる、音楽談義、読書談義にお付き合いいただけますか。
※一応2024年7月現在も営業中です。ありがとうございます。