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7インチ盤専門店雑記631「愛に狂っての7インチ盤」

エルヴィン・ビショップの「愛に狂って Fooled Around And Fell In Love」です。1976年5月にビルボードで3位まで行った大ヒット曲です。この7インチ盤専門店雑記の001で一度取り上げている曲です。ちょうどこのマガジンを始めるタイミング、すなわち2年前に7インチ盤が立て続けに2枚入手できたということを書いております。

先般、お客様からのリクエストで、スウェーデンのグループ、ブルー・スウェードの「ウガ・チャカ Hooked On A Feeling」を聴きました。時々入るリクエストです。

こちらも理由まで分かっておりますから、一応用意してあります。映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の使用曲なんですね。主人公の亡き母の形見の70sヒットが詰まったウォークマンがどうのということで、これまでにも数回リクエストが入りました。人気のある映画なんですね。お連れさんと「ガーディアンズ~で流れていた曲で…」という会話が漏れ聞こえたので、続けて使用曲をかけてみました。

ノーマン・グリーンバウム「スピリット・イン・ザ・スカイ」、10c.c.「アイム・ノット・イン・ラヴ」、ラズベリーズ「ゴー・オール・ザ・ウェイ」などと一緒にエルヴィン・ヴィショップ「愛に狂って」もかけたわけですが、そこでこちらがビックリすることになってしまいました。もの凄い鳴りなんです、この7インチ・シングル。出だしのドラム3発で、もうただ事ではない鳴りであることが分かります。

この曲に関しては、ヴォーカルが後にジェファーソン・スターシップ~スターシップで活躍したミッキー・トーマスだったことがよく話題になります。エルヴィン・ビショップが自分の声はこの曲に合わないと感じて、バックアップ・コーラスの一員だったミッキー・トーマスに歌わせたことで生まれたヒット曲です。こういったストーリーがある曲は格別楽しいですよね。

ただ、エルヴィン・ビショップは、後にカルト宗教絡みで、娘さんと奥さんを殺されてしまうという悲劇に巻き込まれてしまいます。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドでデビューしてきたことや「フィルモアの奇蹟」で歌っていたりという、いろいろ面白い逸話を持っている人ですが、あまり悲劇的なストーリーは語って楽しいものでもありませんし、辛くなってしまいます。

それでも、オーディオ的に際立って良い音で鳴るレコードであるということは、イベントなどでも使えますし、有り難い存在です。そもそも1970年代、中学生や高校生だった頃にラジオで聴いた曲は、お店のオーディオなどでしっかり音を出して聴くと、印象が変わってしまうことが多いです。だいたいが中低音がしっかり出ることで重心が下がりますから、「こんないい音だったんだ」ということになります。「愛に狂って」もそのクチかもしれません。しばらくは楽しめるグッド・サウンドであることは間違いなさそうです。

やっぱり70年代のヒットチャートを賑わせたポップスやロックのヒット曲を続けてかけると、懐かしいことも手伝って、ついつい饒舌になってしまいます。お連れさんも一緒になって、あれこれ音楽談義に花を咲かせてしまいました。

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