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7インチ盤専門店雑記758「マイケル・ブレッカー4:リターン・オブ・ザ・ブレッカー・ブラザーズ」
10年の時を経て、1992年にブレッカー・ブラザーズが戻ってきたときは飛びつきましたねぇ。個人的にはもうジャズもしっかり学び、かなりの量の音源を聴いてからのはなしですから、随分違って聴こえるだろうなとは思いました。そして予想を裏切られるほどにポップでファンキーで格好良いフュージョン・サウンドでした。特にファンキーという部分では70年代のブレッカーズとはかなり趣きが違い、思い切り聴き易くなったという印象でしたが、これはこちら側の変化も含めての話でしょう。ヘッダー写真のように、アルバムを2枚リリースしてくれましたが、どちらもクオリティの高いものでしたね。
時代の変化と言う意味では、1993年にいきなりスペインのバルセロナで収録された映像作品が発売になりまして、これのレーザーディスクに飛びついてしまいました。…レーザーですよ。思い切り時代を感じさせるメディアです。この時期、主要アーティストの映像作品が急に増えることになります。音楽の楽しみ方が変わってきたようにも感じたのですが、やはりMTV等でビジュアルを楽しむという行為が定着したのでしょうか。
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個人的には「Some Skunk Funk」をやってくれているところが嬉しかったわけですが、何だかあの頃の緊張感はあまり感じられず、実にスムーズな演奏で、上手さだけを感じさせるものになっておりました。どういう違いなのか、自分でも不思議に思い、また来日もしてくれましたから、自分の目で確かめたくて、しっかり目に焼き付けてきましたが、あまりの素晴らしいライヴに興奮し過ぎて翌日も騒いでいたように記憶しております。…まあ、良い席で観ることができましたからね。
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この後、ランディ・ブレッカーはジャズ寄りになっていってしまうわけですが、自分の中では最高の瞬間だったのかもしれません。ただこちらもジャズを聴き始めておりますし、時代がフュージョンを古いものと認識していたようなところがあって、あまりメディアで取り上げられることも多くない時代でしたから、「懐かしいね」という論調のものが少々目障りでもありました。
ただし、マイケル・ブレッカーの動向から見たとき、このブレッカー・ブラザーズのリターンは一時的なものだろうと思っておりました。そのせいで2枚目の「Out Of The Loop」が出たときは不思議に思ったほどでした。…大好きな盤ですけどね。80年代後半からマイケル・ブレッカーのジャズ寄りの動向は始まったいましたからね。87年にリリースされた「マイケル・ブレッカー」(セルフ・タイトル)はインパルスからリリースされておりますし、88年の「ドント・トライ・ジス・アット・ホーム」もジャズ寄りでしたが、今聴くとSteps Aheadの延長線上の音で笑えるほどです。
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1990年リリースの「ナウ・ユー・シー・イット」はジャケットが好きだったので、アナログレコードを探したのですが、とうとう手に入れることはできませんでした。…90年ですから諦めもつきますけどね…。
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そんな状態で手にした「リターン・オブ・ザ・ブレッカー・ブラザーズ」のCDは、どうしても評価が厳しくなってしまったということはご理解いただけますでしょうかね…。