7インチ盤専門店雑記745「ウルフマン!」
先週の土曜日にトークイベントが終わりまして、通常なら片付けがてら次回の準備をするのですが、次回が「The Recommendations」、オススメを語り合う回なので、準備がありません。久々にイベントを意識せずに好きな音楽を聴くかとなっております。如何せんここ数ヶ月、80s中心に聴くことが多かったわけで、ジャズ棚を眺めていても、そういうことが無意識に影響しているようなところがありました。
何が言いたいかというと、80s中心だと原則的に高音質なので、オーディオ趣味的な聴き方になってしまいます。それが自分の十代とちょうどハマる70sなどは、記憶の整理やらリアルタイムで買ったレコードの情報を洗い直してといった聴き方になります。60sも音質の良さはほぼ意識しません。良い鳴りだと嬉しいという程度です。…オーディオ的なことを意識しないで済むとなると、何を聴きますか?
ラジオと音楽誌が情報源の中心だった時代、諸々のランキング=ヒット・パレードも音楽の付加価値だったわけですが、自分の場合は全米Top40がメインでしたから、どうしてもアメリカン・ポップスやアメリカン・ロックが中心になってしまいます。友人がブリティッシュ・ロックに詳しいことが不思議でした。アメリカン・ポップスといっても、70年代中盤ってあまり語られないのですが、オールディーズ志向やロックンロール・リバイバルのような古いものに夢中な連中が多く、その中心にウルフマン・ジャックの番組があったんです。…あくまでも個人的な感覚の話ですけどね。
とにかく「アメリカン・グラフィティ」に出ていたラジオDJです。しかも結構重要な役割りで、いい味出しておりました。あの独特のしゃがれた声にどれだけ学びをいただいたものか…。そして忘れもしないウルフマン・ジャックへのリスペクト・ソング、ゲス・フーの「クラップ・フォー・ザ・ウルフマン」がヒットしました。
若干ノヴェルティ臭もあるこの曲が好きでしたねぇ…。7インチ盤はいまだに手に入れたことがありません。…正確に言えばヘッダー写真の盤がありまして、一度はオークションで落札したものの、届いた盤は聴ける状態のものではありませんでした。それ以外は見たこともありません。わりと早いタイミングで手に入れたベスト盤に収録されていたので、それでしか聴いたことがありません。…その後ラジオでも滅多にかかりませんでしたしね。
YouTubeが一般的になって、こういったレア盤の音源が、フツーに聴けるようになったことは、本当に嬉しかったです。メンバー的には大好きな「アメリカン・ウーマン」の頃と違って、ランディ・バックマンもいません。まあ、残念といえばそこがイチバン残念なんですけど、何なんですかね、あの緩いギター・サウンドはバンドのカラーとして継承されております。上げているのか下げているのかよくわからないもの言いですが、まあ日本でウケる曲でなし、意識して積極的に聴かないと、忘却の彼方に置き去りになりそうな一曲です。…でも好きなんですよねぇ。…アメリカン・ロックなどと言いつつ、カナダのバンドですけどね。
ちなみに、最近レニー・クラヴィッツの「アメリカン・ウーマン」のカヴァーを聴いて、ゲス・フーが聴きたくなっておりまして、「イベントが終わったらゲス・フーを聴こう」と思っていたのでした。レニーさん、渋いところ行きますな…。