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7インチ盤専門店雑記775「タイミングよく…」

クインシー・ジョーンズが亡くなって、「「愛のコリーダ」があるか?」というお問い合わせが来るかもと、さほど期待もせず在庫ボックスから一枚出しておきましたが、タイミングよく売るというのも案外大事なのかなと思うわけです。ここ数年、アナログ時代の昔から聴き馴染んだアーティストの訃報が続いておりますから、そういうお問い合わせも随分いただきますからねぇ…。

まあ凄かったのは2016年1月のデヴィッド・ボウイと2016年4月のプリンスですかねぇ…。昨年12月のデニー・レインの時は3枚組のライヴ・アルバム「ウィングス・オーヴァー・アメリカ」が3セットも売れまして、ちょいと驚きましたけどね。その日だか翌日だかに買いにいらっしゃったお客様がおりましたねぇ…。「今日はコレでしょう」とおっしゃっていらしたのが忘れられません。

そう、タイミングなのかなと…。訃報なんていつ飛び込んでくるか分からないのですが、目にした瞬間に「あの曲が聴きたい」とか「久しく聴いてないなぁ…」とか「この人のレコード、手放しちゃったけどやっぱり持っておきたいな」とか思われるようなんですよね。そんな時にたまたま状態のいい盤を売っていたら、お値段が納得がいかないほど高かったりしない限り、買いますよね。デニー・レインの時にいつも通りにお値引きしようとしたら、「いや、このお値段でいいです」とおっしゃっていらしたのが強く印象に残ってましてねぇ…。

それから延々売れ続けているのがデヴィッドボウイですかねぇ…。この人の人気は衰えませんねぇ…。7インチ・シングルも相場が高止まりしております。「ジーン・ジニー」「スペース・オディティ」「スターマン」は基本5000円、美盤ならもっとという相場です。ピクチャー・ディスクも一時ほどではないですが、いいお値段を維持しておりますねぇ…。7インチ盤で9万6000円まで行ってましたからねぇ…、忘れません。

2023年1月にジェフ・ベックが亡くなった時はショックでしたねぇ…。でもこの人の場合、7インチ盤で聴くというイメージがないのか、ボウイほどではありませんでした。それでも「哀しみの恋人たち」は何枚か売れましたねぇ…。まあ、ジェフ・ベックを悼むのに「ハイホー・シルバー・ライニング」や「エル・ベッコ」じゃイマイチかもしれませんしね。

クインシー・ジョーンズの「愛のコリーダ」は余剰在庫が順調に捌けて最後の在庫ですから、そういう意味でもタイミングはよろしいかと思います。一応アーティストを象徴するようなヒット曲ではありますが、これも亡くなった方を偲んで涙するような曲ではありませんね。思うにこの人ならこれという曲があるのはいいことです。まあおそらく、ライヴではそればかりが盛り上がったりして、ご本人はウンザリしていたような気もしますけどね。ヒット曲というのはそういうものでしょう。…そういえば、エリック・クラプトンは「レイラ」ばかり盛り上がるので、嫌になって1曲目にやったりしてましたねぇ…。まったくねぇ…。

YMOも今では追悼関連で語るべきアーティストになってしまいました。J-POPブームだの外国人さんの買い付けが…といって騒いでいた方がよかったですねぇ…。







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