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7インチ盤専門店雑記458「レアだが…」

70年代中盤の日本国内では、一般的にロックと言えばブリティッシュ・ロックだったように思います。自分はどうもその頃からハズレていたようで、そもそもFENや全米TOP40に夢中になっていたもので、やはりアメリカン・ロックの方が中心にありました。いつ頃からツェッペリンにハマり始めたのかも憶えてませんが、いつの間にか、アメリカもイギリスもない趣味になってしまいました。

お値段のこともあって、CDに切り替わった頃からレコードを集める勢いは加速しますが、その頃最も注力していたのが、基本部分を揃えようということでした。アメリカものでも、スティーリー・ダン、イーグルス、ドゥ―ビー・ブラザーズ、グランド・ファンクあたりは真っ先に揃え、ウェット・ウィリーやオールマン関連などのサザンロックも一通り揃え、次に好きだったボブ・シ―ガ―やスティーヴ・ミラー・バンドあたりを揃えて行っておりました。みんな人気が落ち着いてしまっていた時期で、結構お安く揃えられましたよ。

でも難関バンドがありました。J.ガイルズ・バンドとREOスピードワゴンの2つです。何故ならどちらもビッグ・ヒットを飛ばすまでの期間が長く、売れなかったアルバムがいっぱいあるからなんです。売れていた時期は、少し前の音源も遡って聴こうとする人間がいるからなのか、中古盤店でも少しは置いてあったんです。でも80年代終盤ともなると、レコード自体の売り場面積がどんどん減少し、売れた盤以外は見かけなくなりました。

もう途中から諦めも出てきましたけど、それでもFENなどでそれなりにかかっていて好きだった曲のアルバムは諦めきれず探し続けておりました。PCもインターネットも無い時代、雑誌などの情報をもとにデータベース的な資料を作って、「今日はこの辺」という具合に紙片を片手にユニオンのはしごをしておりました。

インターネットの時代になって、ポチッとレコードが買えるようになってからも、オークションサイトなどでチェックしたりもするのですが、状態のいいレア盤がお安く手に入るわけではありませんから、結局価格チェックが中心です。送料こみで考えると結局高いなあということになってしまいますが、以前はジャケットを見たこともないまま探していましたから、ジャケットが確認できるだけでも嬉しかったりします。

さて、ヘッダー写真は難関J.ガイルズ・バンドとREOスピードワゴンのファースト・アルバムです。どちらも途中2枚ずつ欠けているバンドですが、最難関のファーストが手元にあるわけです。しかも状態も悪くないので、それなりの価値はある盤でしょう。そもそもこの辺は本当に見かけません。でもファーストが入手済みであれば、そのうちコンプリート行けるのではという気もしております。とはいえ、あまり拘ってもおりません。なぜなら、インターネットの時代になって、この辺の連中の音源はフツーに聴けるんです。そして「こんなものか…」「まあまあだなぁ…」という音源の盤を、高い金額を支払って入手しようという気にはなかなかなれませんからね。まったくもって有り難い時代なんだか…。

余談ですが、様々なバンドやアーティストのファースト・アルバムを横断的にチェックすると面白いです。まだ個性が固まってないグループと最初から個性的なグループにしっかり分類できます。いろいろなタイプの優れたアルバムを作る人もいますが、個性的なグループは凄いなとも思います。…「どのくらい頑張ったら世間が認めてくれるのか」という視点で眺めるのもまた一興です。

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