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7インチ盤専門店雑記712「Friendlytown」

「2024年の3枚」当確の一枚、スティーヴ・クロッパーの新作「Friendlytown」が届きました。グリーン・マーブルのカラー・ヴァイナルという、何とも現代的な見た目の盤で、少々違和感がなくもないブツですが、音はシャウト・スタイルのヴォーカルも含め、ヴィンテージ感溢れる、如何にもスティーヴ・クロッパーの新作です。

あまりにも既視感を覚える音でちょっと笑えるほどです。クイーンのブライアン・メイが参加していたり、ZZ Topのビリー・ギボンズがいたり、話題にも事欠きません。Steve Cropper & The Midnight Hourというバンド名義になっておりまして、そのことも何だか嬉しく感じてしまいます。この一事をとっても、いい歳こいたジジイどもがつるんで楽しい事をやっている感が出ております。好きですね。

今はあまりにも多くなり過ぎたレコードを減らすように頑張っているところなので、新作を買うことは控えているのですが、使わないと失効してしまうクーポンなどを使って少しは買います。…それでも年間の購入枚数は、1973年以来最も少ないかもしれません。だからと言って、新しいものを聴いてないかと言われると、決してそんなことはなく、定期的にYouTubeで新作チェックはしておりますし、新作イベントをやれと言われれば直ぐにできる程度には聴いております。

そもそも、「今年の3枚」は音楽ウェブメディアARBANの企画でして、昨年、一昨年は選者をやらせていただいたのですが、今年もやるとは限りません。おそらくもうお声がかかることはないと思います。それでも自分の中で、今年の3枚当確か否かという聴き方をしてしまうところがありまして、まあ面白いので皆さん一緒にやらないかなぁといったところです。でも新しいものを聴かなくなっている方も多いでしょうから、プレッシャーになってもいけないので、勝手に楽しむ程度にしておきます。

買ったか買ってないか、という時点でアナログレコードかCDのような現物メディアを想定しておりますから、若い方をはじめ、配信中心になっていらっしゃる方は言葉の置き換えが必要になりますが、買ってなくても構わないのではありませんかね。そういう意味ではスラッシュ「オージー・オブ・ザ・ダムド」とかディープ・パープル「=1」は確実に今年のTop10入りはしますけど、買っておりません。あれほどいいアルバムをこの期に及んで出してくるとはねぇ…。なかなかの驚きでしたね。2023年がストーンズやらビートルズあたりに動きがあったもので、再度オールド・スクールに目が向いておりますが、世の中の動きも同様に感じられますし、嬉しい限りです。

個人的にはブラック・クロウズやらマデリン・ペルーあたりも当確ですし、他に何があったか思い出せないのですが、11月までのリリースを待ってみないと分かりませんけどね。そういえば、デヴィッド・ギルモア「ラック・アンド・ストレンジ」もいい出来ですね。娘さんとのコラボが話題になっておりましたが、血ですかねぇ。ロマニー・ギルモアの声は好きです。無理なくいい音を聴かせてくれるので、年齢を重ねてからのデヴィッド・ギルモアのギターはますます魅力的になったように思います。

デヴィッド・ギルモアがいい例なのですが、YouTubeに上がっている動画の出来が非常に良くて、ここのところ毎日繰り返し観てしまうのですが、音質も含めて出来が良すぎてアナログを買う気が起きないんです。困ったものです。そんな時代の「今年の3枚」、…それでもアナログで聴きたい音楽というニュアンスが強くなりますよね。







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