7インチ盤専門店雑記124「Don Don ココナッツ」
「Please Don't Take My Coconuts」キッド・クレオール&ザ・ココナッツの唯一のヒット曲、…というかこれしか知らないというだけですけどね。CMソングってそういうの多いですね。いかにも1983年、時代の音という気もします。これも80sの空気感とかいって、ここのところ書き続けていることですが、まあ何も無くても楽しそうにしているわけです。ココナッツという言葉の響きがそもそも楽し気ですけどね。
そもそもキッド・クレオールという名前は気になります。ルイジアナ州、ニュー・オリンズ界隈の伝統料理もクレオールという言葉を使いますね。キッド・クレオールの場合は、ルイジアナ州の歴史をさかのぼり、フランス人、スペイン人とアフロ系や先住民を先祖に持つ、植民地としてのルイジアナ生まれの人々(と、その子孫)を意味する「クレオール」だと言っているのかと思います。
まあルーツをカミング・アウトして売る人々もいらっしゃいますけど、この人たちはエルヴィス・プレスリーの映画「キング・クレオール」からとった名前ということですから、もう少し軽い使い方かもしれません。容姿やらは米米クラブのルーツ的存在ということです。ステージは少々色物的で、好き嫌いははっきり分かれそうですね。私は当時は全然好きになれませんでしたが、今現在は80sの空気感といって思い出すくらいですから、特別嫌いなわけでもありません。今聴くと意外に低音がしっかり出ていて、「へぇ、こんなにいい音していたっけ?」となっております。
ちなみに邦題の「DON. DON. ココナッツ」は、聴けば分かると思いますが、タイトル部分の歌詞を「Don't take my coconuts, don't, don't, don't」と歌っているからだと思いますけどね。スリーヴ・デザインといい、CMで替え歌を歌ってしまうあたりも含め、80sですよね。まあ、それを言ったらボン・ジョヴィのカップヌードルもありましたっけね…。