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ソーシャルジャスティス で心を守る方法を見つけたお話。

Q?:この本の核となる一文は?
A?:「相手を下げたところで、自分は上がらないよ?」

ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る
内田舞
を読みました。

ソーシャルジャスティス(社会正義)とは、
社会の構成員である人々が平等に扱われ、社会全体の福祉の保障と秩序の維持を実現すること。

この本でソーシャルジャスティスそのものは腹落ちしませんでした。

しかしこの一文を核に、
・無自覚に相手を攻撃しない方法
・自分自身を守る方法
を知り、
・少しでもより良い社会(環境)を作る方法
が見えてきた。


この一文はどういうことか?

著者の息子が5歳の時に言った言葉だとのこと。
この言葉にとても共感しました。

仮に相手を攻撃し、貶め、立場を下にしたとする。
それでも自分自身の立場は何も変わらない。

自分自身が努力することでしか、自分のを上げる事はできない。
しかもどんなに努力しても、相手に認めて貰わなければ、評価はされない。

そう考えれば、相手を下げても何の意味もない事は一目瞭然。

普段はその事がわかっていても、何か困難な状況に陥った時、頭から消え去ってしまうは仕方がないことなんでしょう。

相手に阿るのではなく、尊重していくことが重要となります。
この事は、また、自分が攻撃された時に、身を守る術ともなります。

なぜこの一文か?

自分が攻撃された時に、その事実を再評価することが重要と作者は述べています。

ネガティブな状況になった際に、再評価を行うことで、ポジティブな方向に持っていけるようになります。

これはネガティブな事から目を逸らすのではなく、感情、考え、行動について客観的に向き合うことで行われます。

ここ数年のキーワードとして、Complicit(コンプリシット:共犯的な、悪い流れに逆らわずに乗る)が挙げられています。
黙って見て見ぬふりをしていることも同罪。
「沈黙は共犯」だからこそ、沈黙を破る必要がある。
そんな文脈で用いられる事が多いです。

またその場では少数意見で認められなくても、時代とともに価値観が変わり、認められることもあります。
だからこそ行動することが未来へのインベンスメント(investment:投資、出資)となります。

こういった手法や思考を、理解して身につけることで、
自分を下げようとしてくる相手から身を守ることができるようになります。

具体的な方法は?

いくつかの具体的な方法が書かれていますが、私は以下の3つが重要だと考えます。

  1. 同意

  2. マイクロアグレッション

  3. ラジカル・アクセプタンス

大きな社会変化を起こすまではいかないし、そう言った考えも希薄な私。
でも、身近な社会(自分自身の環境)が変化をする種を蒔いていきます。

「同意」とは

安心と信頼をベースに自分の意思を伝え、互いの意思を尊重すること。
対面する人とのコミュニケーションのあり方を考え直すことに繋がります。

・自分の身体と意思は自分のもの
・相手の身体と意思は相手のもの

この両者を尊重することで、良い変化に繋げていくものです。

「マイクロアグレッション」とは

政治的文化的に阻害された集団に対して日常の中で行われる何気ない言動に現れる偏見や差別に基づく見下しや侮辱、否定的な態度のこと。
と定義されています。

女性だから料理ができて当然、男性は一家の大黒柱、といったようなことが含まれます。
固定観念、無意識の偏見に基づくものと考えられています。

無意識のうちに持つ固定観念へ気づきを得られます。

「ラジカル・アクセプタンス」とは

事実を良し悪しのジャッジメントなしであるがままに受け入れ、向き合うこと(radical acceptance:積極的受容)。

許容(許して受け入れる)すること、諦めること、忘れることではありません。
また、その事実により生じる感情を抑制することてもありません。
「起きた事は変えられない」という事実を事実として、受け入れて、向き合うことです。

個人的には非常に難しい事だとは思います。
ラジカル・アクセプタンスの事例が、丸々1章使って紹介されています。
この部分を読むと、難しさだけでなく、心身に与える良い影響が大きく感心させられます。

止まらず進み続けることが大事
そんな今日この頃。


「紙1枚」

#読書 #紙1枚読書法 #ソーシャルジャスティス #内田舞

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