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伊右衛門の大幅リニューアルの戦略 7/21
こんにちは。
長く続いた連載記録が途絶えてしまいました。
今回はこの記事について取り上げさせていただきます。
種類豊富なペットボトルのお茶
皆さんはペットボトルの飲み物を買う際になにをかいますか。私はボトル入りのお茶が結構好きなので買う機会が多いのですが、たくさんの種類があり、何を買おうか悩みます。
沢山の種類があるということは、ペットボトルのお茶の業界は競争が激しいということを意味します。私の感覚的には水に負けず劣らずの競争の激しさだと思います。
伊右衛門の大変身
記事によると、サントリーの緑茶飲料「伊右衛門」が2020年の春にリニューアルされ、中身も外見も大きく変化したそうです。リニューアル後の一か月はリニューアル前の一か月の売り上げの二倍になったそうです。
ポイントは色
その変化の要因は「一目でわかる緑色」と記事の中で述べられているように、急須から入れたお茶を再現するために、お茶自体の色を緑色になるようにし、パッケージも合わせて変えたそうです。
広告に関しても、ラベルを外すことを宣伝することによって、こだわった緑色を全面にアピールしています。数量限定でラベルのない商品も発売されました。
記事を読んで
私が気になったのは、この商品が出てくるまでペットボトルの緑茶が茶色いということに気付かなかったことです。思い返してみると、市販のお茶の多くは茶色な気がします。
ではなぜ、緑茶が茶色いことに違和感を持たなかったのでしょう。それは、今回の伊右衛門の変更点のひとつである、ラベルにあると考えれれます。
緑茶なのに茶色
市販の緑茶のラベルはほとんど緑色です。また、ラベルはペットボトルの全体を覆ているものがほとんどで、売り場の緑茶コーナーは全体的に緑色になっています。
つまり、実際の商品の液体の色が茶色よりなのにも関わらず、外見の多くを緑にすることによって、色のウィークポイントを隠しているのでしょう。外見がほとんど緑の場合、少しの茶色は気にならないのです。
ペットボトル緑茶の価値
しかし、ペットボトルの緑茶のテーマは多くの企業で急須から入れたてのお茶というもののため、消費者もそのような手軽さと本格化を兼ね備えた商品が欲しいのです。
そのような中、緑色の緑茶はかなりの差別化ができる商品となるでしょう。また、サントリーはその差別化をアピールできるようにラベルや広告のコンセプトも良くできたものだと思いました。
知名度を捨てる意味
私は今回の伊右衛門のリニューアルは本質的な価値を理解できている変化だと感じました。すでに知名度はあるが人気が落ち込んでいる商品をまるで別の商品のようにリニューアルしています。
このような変化は、人気に火が付く保証もないにもかかわらず、今まで作ってきた知名度の高いイメージを失ってしまうかもしれません。
しかし、顧客自体が製品に価値を感じていない場合、そのイメージに意味はなく、価値はありません。リニューアルが新たな価値を生み出したすばらしい、変化だと私は思います。