シチューじゃないけど撮ったのだ
アイスクリーム、というものを食べたことがありますか。
おとなになってから、食べに行ったことはありますか。
ここ数年で何回ほど召し上がりましたか。
わたしは学生のときに、ハーゲンダッツの店舗というものに、学生同士で連れ立って行って以来、「アイスを食べに行こう」と自分の意志で行ったことが無い。少なくとも、記憶のなかでは。
たとえば、
バイクツーリングにおいて、甘いものを目的とする、というのはひとつのスタイルではある。
けれども、わたしにとってそれは、果物狩りであったり、旬のお菓子であったり、牧場を訪れたときのおまけであったり、というもので、「アイスクリーム」というものを軸として行動したことは、無い。なぜならば、アイスクリームは、いつでも食べられると思うているからである。
そして、いつでも食べられるものであれば、敢えてそれを目的とすることもなかろうと、バイクの有り無しに関わらず、わたしはそのように思うていたのであった。
思うていたので "あった" 。この文章は過去形である。
わたしはひょんなことから、アイスクリームに興味をもったのである。
noteという世界は、わたしにとって、理解したことを文章で書き留める、書かれている文章を読む、ということを通じていろいろなものへ興味を持つ入口である。
そうして、新しく音声配信をしたり聴いたりしている。
あるいは改めて地図を眺めている。
それを始めとしていろいろな刺激を受けている。それらを元に交流をすることで、また新たな扉が開くような気もする。
その興味のひとつに「アイスクリーム」が浮上した。
アイスクリーム。
ご存知ですか。
おとぎ話の王子でも、昔はとても食べられない、アレである。
王子がだめなら王女はどうだ。
歌はこのように言うている。
おとぎ話の王女でも、昔はとても食べられない。
やはり、食べられないのであった。
それを現代では食べることができる。
大人であっても、食べたいものがある。
なんでしょう。
アイスクリームです。
なんと、そうでしたか。
大人であってもその味に魅せられるのである。わたしはこれまで「いつでも食べられる」という理由から、視界の外にアイスクリームを置いていた。
しかし、そのアイスクリームは突然わたしの目の前に「新たな興味の対象」として浮上したのであった。
おいしそうだな、と思うたからである。
わたしはどこからそのような情報を得たのか。
ここに告白するのである。
情報源は、あこはるかさんである。
どうやら6つあるはずのアイスクリームが、ひとつ無い。
召し上がったあとであろうか。
あこはるかさんは、このようにおっしゃる。
お昼のデザートに食べようと思って箱を開けたら、1個ない…しくしく。
わたしは言葉を失った。
実は、わたしにも経験がある。
その昔、5つ入りの天むすを購入したことがあった。サイコロの六の目のように行儀よく6つの天むすが並んでいるように見えるのだが、そのうちのひとつは、きゃらぶきであった。
わたしは天むすを買うた後、車を運転したのであるが、助手席に座ったのは、悪の組織(仮名)であった。悪の組織(仮名)は、天むすを6つ入りと勘違いし、先に3つ食べてしもうたのであった。食べやがったのだ。何を見ていたのであろうか。何も見ていないというのであれば、天むすと勘違いしてきゃらぶきに手を伸ばしてもよさそうなものを。
おのれ、悪の組織(仮名)め…。
わたしはその後何年も、天むすを見るたびに、きゃらぶきのちょっと濃い味を思い出し、
…ああ、3つ食べるはずだったのに
と、涙とともに、帰らぬ天むすへの思いを口にしたのである。
あこはるかさんも、おそらく同じような気持ちになられたことであろう。心中お察しいたします。…しかし、アイスクリームの話はここで終わらないのであった。
一番好物のジャモカコーヒーを食べやがったな…。
なんと、色とりどりのアイスクリームのなか、一番食べたかったものが消えてしまった、とおっしゃるではないか。単純に「ひとつ先に食べられていた」というだけではないのである。
こんなことがあっていいのか。許されてよいのであろうか。6つあるはずのアイスクリーム。1つ減った、5つのアイスクリーム。それも、大好きな味だけが無い、アイスクリーム。
自身の天むす事件を思い出し、わたしが涙したことは言うまでもない。脳裏にはこの曲が思い浮かんだ。
打首獄門同好会「TAVEMONO NO URAMI」
そして、わたしの頭には
ジャモカコーヒー
という単語がインプットされたのであった。
ここに至ってようやくわたしは、アイスクリームを売る店舗へ足を踏み入れたのである。
何をするにしても、最初はちょっとドキドキしませんか。わたしは、アイスクリーム屋さんに入るのに、ドキドキしましたよ。店舗の中、人当たりのよい店員さんにどぎまぎし、目を泳がせながら、そして、いろいろな味に目移りしながら、わたしは初めて外国を訪れたときのように、指をさして注文をしたのである。
そして、撮ったのです。
ジャモカコーヒー!!
あっ! 盗ってませんよ!? 盗ってませんってば!
ほ、ほんとです🤣
あのっ! 今日ね、食べたの。今日ですよ!
さてお味はといえば。
おいしいカフェオレがアイスになった、という感じである。甘さとコーヒーの味わいのバランスが取れた、ちょっぴり大人のテイストであった。
これはね、おいしい。
ひとくちちょうだい、と言われても聞こえないフリをしてしまいたい(そんな気持ちになることがあっても、おいしいものは、一緒に食べましょう。だって、大人だから!)。
わたしにとってnoteは、いろいろなものへ興味を持つ入口である。
そうして今回、アイスクリームの扉が開いたのであった。
おいしいね🍨
あこはるかさん、ありがとうございました。
その後、ジャモカコーヒーを召し上がりましたか。